どんな仕事・資格?
Illustrator®は、ベクターイメージを主に編集しますが、これは作成した図を拡大したり縮小したりしても画質が落ちず、レイアウトを組んだりロゴやアイコンを作ったりといった、正確なデータを用いた作図に向いています。印刷関連業、WEB業界などで活躍が期待できるスキルです。
例えば、広告やカタログといった的確なレイアウトが求められるDTPデザイナー、ポスターやパンフレットなどを用いるグラフィックデザイナーといった仕事です。更に近年伸びている分野では、WEBの仕事が上げられます。サイトのデザインを考案したり、広告バナーやサイト内のアイコンといったWEB素材の制作したりするときに、Illustrator®のスキルが活きてきます。
Illustrator®に関する資格は主に、開発元であるアドビ
システムズ社が公認するアドビ認定アソシエイト(ACA)のほか、数々のビジネス資格を取り扱うサーティファイによるIllustrator®クリエイター能力認定試験があります。これらの資格を取得することで、数値化が難しいIllustrator®の知識レベルやスキルが一定水準を満たしていることを、客観的に証明することができます。
資格をとるには?
上の項目でも上げたように、Illustrator®に関連する主だった資格には、アドビ認定アソシエイト(ACA)とIllustrator®クリエイター能力認定試験があります。
アドビ認定アソシエイト
アドビのアプリケーション別に試験科目が独立し、それぞれ科目ごとに資格が認定されます。2018年7月現在では、Adobe
Illustrator CCに対し「Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator CC」となっています。
試験は全国で開催され、年齢、国籍を問わずどなたでも受験できます。また試験は、コンピューターを使用するCBT(Computer Based
Testing)形式を採用し、合否の結果が試験直後にわかります。合格した方には世界共通の「合格認定証」が発行されます。受験に際して、試験実施日や会場を確認し、試験会場へ直接お申し込みが必要です。
試験時間は50分で、問題数は40~45問前後となっています。Illustrator®の基礎知識や基本操作が問われ、解答を選ぶ選択式の問題と、アプリケーションのツールなどを使って実際に操作を行う問題があります。
- 受験資格
- 特になし
- 試験会場
- 全国
- バージョン
- Adobe Illustrator CC
- 試験時間
- 50分
- 費用
- 10,584円(税込)
Illustrator®クリエイター能力認定試験
アプリケーションのバージョン別に試験を行います。また、「エキスパート」と「スタンダード」という2種類の認定基準があります。認定対象のIllustrator®バージョンは、CSからCC(2018)までとなっていますが、Windows
XPの場合、サポートが修了している関係上、推奨されているようなセキュリティ対策の元で試験を行う必要があります。Windows
7以降に対応しているバージョンだとCS4からCC(2018)となっており、詳しくはサーティファイのPhotoshop®クリエイター能力認定試験ページのバージョン別 OS対応表で確認できます。
>> Illustrator®(フォトショップ)クリエイター能力試験
試験は全国で開催され、学歴、年齢などによる制限なく、どなたでも受験できます。試験は第1部と第2部に分かれ、スタンダードの場合、第1部では実技、第2部では実践の科目、エキスパートの場合、第1部では知識と実技、第2部では実践の科目となっています。試験結果は、各試験会場より会場指定の方法で、試験後約1ヶ月で届けられます。
- 受験資格
- 特になし
- 試験会場
- 全国
- バージョン
- Adobe Illustrator CS, CS2, CS3, CS4, CS5, CS6, CC, CC (2014),
CC (2015), CC (2017), CC (2018) - 試験時間
- エキスパート: 50分(第1部)、90分(第2部)
スタンダード: 40分(第1部)、90分(第2部) - 費用
- エキスパート: 8,400円(税込)
スタンダード: 7,400円(税込)
資格・スキルの活かし方
活躍の場として一番に上がるのはやはり印刷会社や出版社です。それ以外にも、デザイン事務所、広告代理店、企業の広報・宣伝部と、DTP技術を活かせる場は多岐に渡ります。
もちろんフリーとして働くことも出来ますが、その場合は単に印刷の知識とレイアウト作業だけにとどまらず、デザイン力なども必要です。DTPデザイナーとして活躍の場を広げたいのであれば、PhotoshopやQuarkXpressなど他のDTPソフトのスキルも同時に身につけておくと有利です。
そして、上の項目でも上げたように、WEB業界でも同じアドビのアプリケーションであるPhotoshop®と合わせてIllustrator®が使えるといいでしょう。WEB業界では、ページを作成するためのデザイン作成のほかにも、WEBページの中で使用する素材、アイコンやバナー、キャラクターなどを制作するうえでIllustrator®が便利だからです。
ただし、WEB業界に活躍の場を広げたい場合は、HTMLやCSSといったWEBページを作る上で必要な知識とスキルを身に付けておくことが重要です。また、アドビのプロダクトは互換性が高いので、Photoshop®など、他のアプリケーションも使えるようになると良いでしょう。
こんな人が向いています
WEBでも紙面でも共通して言えることですが、レイアウトやデザインは個人の技術に大きく左右されるため、基礎デザイン力などは必要不可欠です。答えのない仕事なので、常に感覚を研ぎすまし自分のセンスやスキルを磨く努力を続けられる人におすすめです。