業界レポート
「介護職」は日本で最も重要な仕事の一つ。今や約4人に1人となった高齢者の福祉を支えると同時に『介護離職ゼロ』達成の担い手として期待されています。
「年齢問わず就転職しやすい」「中高年でも活躍できる」「待遇改善が期待できる」等の様々なメリットがある介護職。現状やキャリア等を見ていきましょう。
介護業界の“今”と“これから”
介護業界は慢性的な人手不足の状況が続いています。2000年から2015年の15年間で職員数は約3.3倍に増えていますが、介護サービスの需要に供給が追い付いていません。
有効求人倍率を見ても、全産業1.36に対して介護分野3.02と高い水準にあります。(2016年度)
2025年には団塊の世代が75歳以上となり、5人に1人が後期高齢者となる超高齢社会が到来。介護人材が約38万人不足する見通しです。
政府は人材確保のため、処遇改善や人材育成、就労支援、AI活用、生産性の向上等に取り組むとしています。実際、2019年には勤続10年の介護福祉士を対象に、月額8万円相当の賃上げを行うことが閣議決定されました。
介護職の資格とキャリア
代表的な資格は「介護職員初任者研修」(以下「初任者研修」)、「実務者研修」、「介護福祉士」の3つです。
「初任者研修」は介護の入門資格。基本的な知識やスキルについて学びます。「実務者研修」は初任者研修からのステップアップ的な位置づけです。「介護福祉士」は介護職唯一の国家資格。専門知識を有することから手当等の付与もあり、無資格者と比べて給与が高い傾向にあります。
さらに、介護福祉士の上位資格である「認定介護福祉士」が創設され、2015年から認証等が開始。介護職の課題であったキャリアパスの整備が進んでいます。
上記以外にも、サービス提供責任者やケアマネジャー、介護事務、介護食等、キャリア・スキルアップを目指せる資格が多数存在します。