保育士試験が年2回となり、取得しやすくなった資格。社会人から保育士への転身を目指す方も増えてくるのではないかと予想されています。この記事では、大卒の方が保育士資格を取得する方法についてご紹介します。
▽高卒から保育士資格を取得する方法を知りたい方はこちら
http://www.brush-up.jp/article/shikakuj/167/
大卒から保育士資格を取得する2つの方法
保育士の資格を取得する方法としては、下記の2つの方法があります。
- 厚生労働大臣が指定する保育士養成施設(大学・短大・専門学校など)で所定の科目を履修し、卒業することで資格を取得する
- 保育士の国家試験に合格する
保育士の大学・短大・専門学校で保育士資格を取得
保育士資格は国家試験に合格して取得することもできますが、厚生労働大臣の指定する保育士養成施設で所定の科目を修めれば、卒業時に無試験で保育士資格を取得することができます。
保育士養成施設として指定されている大学・短大・専門学校などに入学することになりますので、資格取得までに学費や時間がかかりますが、保育士試験を受験する場合と比べて確実に資格を取得できます。
仕事と両立して保育士資格を取得したい社会人の方には、保育士の通信制大学がおすすめです。
主に自宅学習で履修を進められるため通学に要する時間が少なく、スクーリング日程についても社会人の方が出席しやすいように配慮されています。もちろん保育士資格取得に必要な実習を受けることも可能です。通信制大学で単位を修めた場合も、通学制の大学・短大・専門学校に通ったときと同様、卒業時に保育士資格を取得することができます。
すでに他大学を卒業されている方は、入学の際に2〜4年次から編入できる場合が多く、卒業までの時間を短縮することができます。
保育士試験で資格を取得
保育士の国家試験には受験資格がありますが、大卒の方でしたら卒業した学部・学科に関わらず、保育士試験を受験することができます。保育士試験では、筆記試験・実技試験により保育に関する専門知識などが問われます。
合格率が毎年10%〜20%程度と難しい試験ですので、試験対策講座などでしっかり準備した上で試験本番に臨むのがおすすめです。
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▼保育士試験について
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保育士の給与は学歴によって差はある?
大卒保育士の給与
保育園の方針により異なりますが、学歴によって給与額が異なる職場もあるようです。
その場合、公立保育所か私立保育所かなどで違いはありますが、高卒や短大・高専卒の方の初任給に比べ、四大卒の方の初任給が+1万円ほど高いことが多いです。
園の方針によっては中途採用の場合は差はなく、新卒の場合のみ四大卒の給与が優遇されている場合もあるのでよく求人内容などを確認する必要があるでしょう。
大卒は採用されやすい?
大卒の保育士はその他の学歴の保育士と比べて採用されやすさに差はあるのでしょうか?
新卒採用の場合
こちらも園の方針によりますが、学歴の高さが重視されることはあまりないようです。
ただ在学している大学の附属保育園である場合や提携関係にある場合、卒業生が複数勤務していて高い評価を受けている場合などはその学歴が優遇される可能性が考えられます。
中途採用の場合
中途採用の場合も学歴はあまり重視されず、それ以上に経歴が重視されます。
他の保育施設で勤務したことがあるか、勤続年数はどれくらいか、園に合った人柄かなどが注目されるため、学歴は参考程度となるでしょう。
公務員保育士って?
「公務員保育士」とは、都道府県や市区町村などが運営する公立の保育園・児童福祉施設などの保育施設に勤務する保育士を指します。
社会福祉法人や株式会社などが運営する私立保育園で働く「私立保育士」と所持資格や仕事内容に差はありませんが、公務員保育士は各自治体の職員採用試験に合格する必要があります。
四大卒から保育士を目指す学生は専門学校や短大卒から保育士になる学生よりも勉強時間を取りやすい傾向にあるため、職員採用試験の勉強も併せて行い、公務員保育士を目指す場合も多いようです。
公務員保育士のメリットとしては下記のようなことが挙げられます。
- 安定性が高い
- 比較的給料が高く、福利厚生も充実している
- 勤務時間がしっかり決められている場合が多い
ただ、公立保育園は保育方針が画一的な場合が多く、独創性を持って保育に取り組みたい方には物足りないかもしれません。また、自治体内での定期的な異動も発生し、保育園以外の児童福祉施設や市役所の保育課で勤務することになる可能性もあります。
公務員保育士になるために合格することが必要な職員採用試験は、自治体によって異なりますが2〜3倍の倍率になっていることが多いようです。採用枠が発生しづらい自治体や保育園が少ない自治体ではさらに倍率が高くなるでしょう。
また、年齢制限を設けている場合もあるので目指す方は事前に確認が必要です。
私立保育園に勤務する保育士に比べてハードルの高い公務員保育士ですが、安定した働き方ができるというメリットから人気が高くなっています。そのため公務員保育士になるためにはしっかりと試験対策を行っておくことが必要になるでしょう。
四大卒保育士に短大卒・専門卒保育士との違いはある?
大卒の保育士と短大や専門学校卒の保育士に違いはあるのでしょうか?
大学では座学で理論を学ぶ講義が大半ですが、短大や専門学校では実習の時間数が座学に比べても大変多くなっています。
実習は実際の保育現場で学ぶことになるので短大・専門卒の保育士は新卒の段階でも保育現場に慣れており、現場の様子を理解した上で業務を行うことができる傾向にあるようです。
大卒の保育士はアルバイトなどで現場経験を積んでいない限り、最初は保育現場に戸惑ってしまう方が多いようですので事前の経験の面で短大卒・専門卒の保育士と違いがあると言えるでしょう。
ただ大卒の保育士はしっかりと理論を学び、豊富な知識を有しているため仕事に慣れていくにつれて短大卒・専門卒の保育士とは違った面で活躍の幅を広げることができます。
それぞれが得意分野で力を発揮し、協力しながら良い保育を行っていくことが理想的なのではないでしょうか。
大卒で保育士を目指すなら
保育士は学歴よりも経験を重視される仕事のため、学歴問わず目指せる仕事と言えます。
実習経験が豊富で、即戦力になる力を既に学んでいることから短大卒・専門卒の保育士を求める保育園もありますが、さまざまなことをしっかり学んできた大卒保育士を求めている保育園もたくさんあるでしょう。
また、人気の公務員保育士を目指す場合には教養や保育の専門知識を幅広く問われる職員採用試験の対策をしっかり行う必要があります。そのため、短大卒・専門卒の保育士に比べて長い学生生活を送ってきた大卒保育士は有利に取り組めると言えるのではないでしょうか。
中途入社の場合などは学歴によって給料に差が生まれにくいため、大卒であるということを特別に評価されることはないかもしれませんが、学歴がマイナスになることもないと言えます。
また、大学を卒業してから他の仕事に就いていて保育士に転職を考えているという方も年齢を問わず就職しやすいのが保育士のメリットと言えます。
お子さんを育てた方はその経験を評価され、学歴とは関係なく採用されるケースも多いようです。
学歴や年齢に待遇を左右されにくい保育士をぜひ目指してみてはいかがでしょうか。