他人事ではない、ダブルケア。備えられることは?
「ダブルケア」とは、介護と育児を同時期に抱えることです。晩婚化・出産の高齢化により、ダブルケアを行わなければいけない方が増加しています。
ダブルケア問題に直面している方の多くは、アラフォー世代の女性です。この年代の女性は、自分の仕事を持っている方も多く、仕事・介護・育児の3つを並行して行う必要性に迫られ、深刻な問題となっています。そこで、ダブルケアの現状をみながら、ダブルケアにそなえて学んでおきたい資格・スキルをご紹介します。
ダブルケアに直面した時の恐怖とは?
「念願のわが子が誕生!しかし、急に親の介護が必要になってしまった……」
「子どもの受験の時期に、義理の母が認知症に……。同居しての介護がはじまった。」
ある日突然やってくるダブルケア。ダブルケアに悩んでいる方の多くは、肉体的・精神的な辛さを抱えてしまいます。
“肉体的にハード!”
仕事、介護、育児の合間に、食事の支度や掃除、洗濯などの家事も行うため、肉体的にかなりハードになります。 少子高齢化により、介護を手分けできる兄弟もいない場合が多く、ひとりで抱え込んでしまう場合も。さらに配偶者の親の介護も重なり、四面楚歌となってしまう可能性もあります。
“精神的な辛さが一番応える…”
また、ダブルケアを行うことで、自分の時間が持てなかったり、育児と介護の板挟みになり、ストレスをためてしまう方が多くいらっしゃいます。
介護、育児はそれぞれの専門家や相談窓口はあります。しかし、たいていは各専門分野の事しか分かりません。現状として、親も子供も両方大切にしたい方に対して、両方を大切にできる道をアドバイスできる人はいないのです。そのため、育児と介護の板挟みになり、精神的に追い詰められてしまいます。
ダブルケアに備えて、学んでおきたいことは?
肉体的・精神的なダブルケアの悩みを軽減するには、介護・育児に関する制度や知識はもちろん、自分を守るためのスキルがおすすめです。
今回は大きく分けて、3つの観点からおすすめのスキルをご紹介します。
- (1)介護のために:介護の知識やスキル
- (2)子どものために:子どものための知識やスキル
- (3)自分のために:癒しの手に職スキル
(1)介護のために:介護の知識やスキル
介護は子育てとは違い、ある日突然降りかかってくる可能性が高いもの。ある程度の知識や、支援制度を事前に知っていることで精神的にも楽になります。
また、介護スクールの多くは地元の介護サービスと提携していたり、介護施設を運営しています。いざという時に相談する人が増やせますよ。
■ おすすめスキル
介護職員初任者研修
高齢者のケアや病気などの基礎知識に加えて、具体的な介護時の体の使い方なども学べます。
介護事務(ケアクラーク)
介護保険の請求業務を学ぶケアクラーク。複雑な介護保険制度を体系的に学べると人気急上昇中です。
■ 介護資格の紹介記事
・『介護の資格・スキル集めました!』
・『認知症予防とケアに役立つ資格特集』
(2)子どものために:子どものための知識やスキル
はじめての育児はとまどいの連続です。子どもの心や、どんな食事すればいいかわからずに、悩んでしまう人も多いはず。 子どもの心理や子どものための食育を学んでおけば、子どもへの対応にも自信がついてきます。
■ おすすめスキル
食育/幼児食
健康的な生活を送るために、食に関するあらゆる知識を育みます。
子どもの心理学
子ども達が成長していく過程で、どのような変化があるのか、どんな気持ちになるのかなど、子どもの心を理解できるようになります。
■ 子どものための資格紹介記事
・『子どものために役立つ資格スキル』
(3)自分のために:癒しの手に職スキル
育児・介護に追われていると、心身共に疲れ果ててしまいます。自分がほっと一息できる癒しのスキルを身に付けておきましょう。 根強い人気の癒しスキルを身に付けておけば、一生モノの手に職スキルにもなります。自宅での開業やお友だちへの支援など、有効活用できます。
■ おすすめスキル
心理学
自分の心と深く向き合いストレスを軽減させます。人気のお仕事、カウンセラーも目指せます。
アロマ
疲労やストレスの多い現代人を、香りによって心身共に癒します。ちょっとした合間でできるので、忙しい方に最適です。
■ 癒しの手に職スキルの紹介記事
・『心も体も癒されるスキル(身体編)』
・『心も体も癒されるスキル(心編)』
どうすればいい? ダブルケアを取り巻く今後
ダブルケアに対する支援制度や対策は、まだまだ整っていません。
現在行われている支援活動は、主にNPO法人で行われています。NPO法人では孤立してしまうダブルケアの当事者を救うために、当事者の方が集まり、同じ目線で悩みを打ち明ける場が設けられています。
行政の動きで注目したいのは、介護と保育の知識を兼ね備えた人材の育成です。
しかし、なかなか前進しないのが実情です。こういった行政の支援が整備されるには、どうしても時間がかかってしまいます。
介護・育児は、支援の整備を待ってはくれません。ダブルケアに備えて、自分で知識やスキルを身に付けておくと安心ですね。
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