実際に心理カウンセラーの資格を取ったとしても、どんな所で活躍しているのか分からない、仕事になるのか知りたい、という方も多いと思います。心理カウンセラーの資格を取った方は、どんな現場で働いているのでしょうか?
その答えを、今回は医療機関、教育現場、企業、介護施設・相談センターの4つに絞ってご紹介します。
心理カウンセラーの4つの活躍の場
1. 医療機関
心理カウンセラーの活躍の場の一つは、病院やクリニックなどの医療機関です。
病院では精神科、心療内科、小児科等が活躍の場ですが、専門の心理カウンセラーがいる場合の他、病院によっては看護職がカウンセリングを担当したり、小規模なところでは心理カウンセラーと提携している場合もあるようです。看護師が心理カウンセラーの資格を取るケースがあるのも、このためです。
患者は、体の病気によって、精神状態も悪化していることが多く、その精神状態がさら体調を悪化させているという場合もあります。そういう状態では治療に専念出来ないので、心のケアの役目として患者の話を聞いて一緒に解決方法を考える、という部署を設けている病院もあります。
医療機関での心理カウンセリングが患者さんを支える一つの方法になっているようです。
2. 教育現場
また、教育の分野ではスクールカウンセラーが社会的にも広く認知されています。
スクールカウンセラーは主に中学校に配置、小学校や高校にも場合によっては配置されています。各都道府県によって採用基準が異なりますが、その多くが臨床心理士だそうです。
スクールカウンセラーは、生徒への個別カウンセリングだけではなく、教師や保護者など学校を取り巻く広い範囲の対応を行います。主に、いじめ問題、子供の犯罪・非行の原因をカウンセラーとともに話をしたりして解決の糸口を探ったり、災害などによる心のダメージを軽減するため、PTSDを抱える子供のケアにあたる等の役割も担っています。
成長期のデリケートな子供の心をケアするのは、心理カウンセラーの大事な役割とも言えるのです。
3. 企業
産業分野では、企業内でのカウンセリングや、企業が提携している外部機関のカウンセラーによるカウンセリングなどです。
長期休職、自殺、訴訟などの問題を抱え、従業員のメンタルヘルス対策が求められるようになり、心理カウンセラーを置く企業が増えました。個別カウンセリングだけでなく、社員教育や組織への介入なども求められます。
その他、ハローワークなどで活躍する心理カウンセラーもいます。ストレスが溜まりやすい会社員のために、企業がカウンセリングによる心の負担の軽減を施したり、また、実際にその企業に就職して、労務課や人事課で働くような形で、メンタルケアをしている場合もあるそうです。
4. 介護施設・相談センター
福祉分野での心理カウンセラーの活躍は、児童相談所、老人福祉施設、精神保健福祉センター、女性相談センターなどです。
心理カウンセラーの資格のみで仕事をするというよりは、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士などの介護・福祉分野の資格を持っている方が、心理的ケアを行うためにカウンセリングを勉強するケースが多いようです。
組織の中でのカウンセラーとしての職に就いた場合は、その分野の専門とする知識も、もちろん必要とされます。カウンセリングの資格を取りたいとしても、多くの種類のカウンセリング職があるので自分の目標としているものは何かを決めて勉強に取り組みましょう。