2024年追記:この記事は2014年作成当時の記事になります。現在、子育て支援員は創設され、子育て支援員研修もおこなわれています。
2014年5月、政府は新しい保育の資格「子育て支援員」を創設する案を発表しました。女性の社会進出が進む中、待機児童や保育士の人手不足が問題になる中で、育児経験がある女性たちを活用し保育の担い手を増やすねらいがあるようです。
「子育て支援員」とは一体どのような資格なのか。詳しく見ていきたいと思います。
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「子育て支援員」って何!?
「子育て支援員」資格とは、政府が予定している新しい保育の資格であり、子育てが一段落した主婦などを対象に保育の仕事のために必要な研修を提供し、研修を修了した人を「子育て支援員」資格取得者として認定するというものです。
「子育て支援員」創設の目的は、保育の仕事を担う人材の確保。出産後も働き続ける女性が増える一方、待機児童や保育の現場の人手不足など、保育をめぐる問題は深刻です。
そのため、政府は平成27年度より『子ども・子育て支援新制度』を施行し、定員19人以下の「小規模保育」や、保育者の自宅などで子どもたちを預かる「家庭的保育」を新しく認可事業とするなど、保育サービスを充実させる予定です。新制度の施行のためには、ますます保育の分野で活躍できる人材が必要になります。
「子育て支援員」になるには?
20〜25時間程度の研修を受けることで、「子育て支援員」の資格が取得できるとされています。まず、10時間程度の共通研修を受けたあと、保育の分野で活躍するためのコース、乳児院・児童養護施設で働くためのコース、放課後児童クラブで働くためのコースなど専門別の研修(5〜15時間程度)を受けます。試験などは予定されておらず、研修の修了時に資格が取得できるようです。
政府は、主な対象を「育児経験豊かな主婦」と見込んでいますが、対象を主婦や女性に限定するものではなく、あらゆる人材が参画できる仕組みにするとしています。
活躍の場は?
子育て支援員は、前述の「小規模保育」や「家庭的保育」、企業内での託児所、乳児院・児童養護施設の補助的職員、放課後児童クラブでの補助員としての活躍が見込まれています。「小規模保育」や「家庭的保育」などでは、保育士とほぼ同様の仕事を担う予定です。
また、子育て中の親子の交流の場を提供したり育児の相談に乗ったりする「地域子育て支援センター」などでの専任職員として、地域の子育てをサポートする役割も期待されています。
保育士との違いは!?
保育士は国家資格であり、指定の大学・短大・専門学校などを卒業するか、国家試験に合格することで資格を取得できます。20〜25時間の研修のみで資格が取れる予定の「子育て支援員」は、保育士にくらべて格段にハードルが低くなります。
「子育て支援員」は、保育士の補助としての人材とされており、保育所の人員配置基準ではこれまでどおり保育士の採用が必須になります。
「子育て支援員」の中でも意欲のある方には、保育士、家庭的保育者(保育ママ)、放課後児童支援員を目指しやすくする仕組みも検討されており、「子育て支援員」は保育分野の入門的資格と位置づけられそうです。
心配の声も…
「子育て支援員」は研修のみで資格認定される予定ですが、20時間程度の研修では保育のプロとしての知識・技術は身につかないと反発の声が上がっています。専門性の低い人材が保育の仕事を担当することで保育の質が低下するのではないか、本当に安心して子どもを任せられるのかといった点が心配されています。
また、政府は子育て支援員が「小規模保育」でフルタイムで働いた場合の年収を200万円弱と計算しています。賃金が低いことから、「子育て支援員」はワーキングプアを生みかねないという指摘や、待遇が魅力的でないため「子育て支援員」を目指す人が増えず、保育の人材確保につながらないのではないかという懸念もあります。
「子育て支援員」は保育の現状を解決するカギになりうるのか、今後の動向が注目されます。
※「子育て支援員」は仮称であり、今後名称が公募される予定です。
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参考URL
「⼦育て⽀援員(仮称)」の創設について(内閣府資料):http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_17/pdf/s4-2.pdf