作業療法士になるためには
作業療法士になるには資格は必要?
作業療法士として働くためには、毎年2月に行われる作業療法士の国家試験に合格し、作業療法士の資格を取得する必要があります。
国家試験を受けるための条件
作業療法士の養成課程を置く学校で3年以上修学して、所定の課程を修了することが、受験者に求められる絶対条件です。
養成課程を置く学校は、主に大学・短期大学・専門学校です。
どの学校に進学する場合でも、高等学校を卒業、または高等学校の卒業資格を取得している必要があります。
作業療法士に関連した資格・検定
複数の関連資格があり、スキルアップやキャリアアップなど様々な目的で取得する方がいます。
例えば、より専門的で上位資格となる「認定作業療法士」や「専門作業療法士」などは、プロフェッショナルを目指す方におススメです。
またリハビリテーション分野の国家資格である「理学療法士」や「言語聴覚士」を取得する方もいます。
同じ分野でも、対象者へのアプローチ方法が異なる資格なので、リハビリテーションの専門家としての応用力もアップします。
現在は在宅医療のニーズも高まっているため、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、福祉用具専門相談員なども役に立つ関連資格といえます。
またリラクゼーション系のクリニックやサロンで勤務している方の中には、アロマ効果によって精神的な安定をもらたすことができるアロマセラピストを取得する方もいます。
受講料最大10万円戻ってくるかも!?
作業療法士の就職・採用事情は?
作業療法士は就・転職で活かせる資格
主な就職先は、高度急性期・急性期の総合病院や回復期リハビリテーション病棟に特化した病院、そして精神病院です。
他にもクリニックや老人保健施設や障害者福祉施設、児童養護施設などがあります。
また最近では、在宅サービスのニーズが高くなっているので、訪問リハビリテーションを展開する法人も増えており、作業療法士の人材が求められています。
ただし、人気の高い病院では求人枠はすぐに埋まりますし、充足しているケースも多いので、理想的な就職先が必ずしも見つかる訳ではありません。
在学中の早い段階から気になる求人を調べてみたり、先輩や先生から情報を収集するなどして、就職活動の準備をしておきましょう。
作業療法士の給料・年収は?
作業療法士の平均年収
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査【企業規模計(10人以上)】」の結果、作業療法士(正社員)の平均年齢は33.3歳、平均年収は409万6400円となりました。
年間ボーナスの平均は64万6400円です。
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は441万円なので、作業療法士の平均年収はやや少ないと感じるかもしれません。
世間的に作業療法士は、医療業界の専門職として働くため、高収入を得られるイメージがあります。
実際に初任給が高めに設定されている医療機関もありますが、医療のスペシャリストである医師や薬剤師、看護師の収入と比べると低めの水準となります。
作業療法士の昇給は?
昇給についても大幅にするのではなく、なだらかに上昇していく傾向にあり、50代から作業療法士の平均年収は500万円を超えます。
また60代以降でも作業療法士だと約400~500万円の収入を得ることができます。
【正社員】
平均年齢 33.3歳
勤続年数 6.2年
労働時間 158時間/月
残業時間 5時間/月
平均月収 287,500円
賞与 646,400円
平均年収 4,096,400円
【パート】
平均年齢 39.7歳
勤続年数 6.2年
実労働日数 12.6日/月
1日の平均労働時間 5.5時間/日
平均時給 2,552円
出典:「令和元年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
女性の仕事としての作業療法士
作業療法士を収入面から見た場合、女性の仕事としても魅力があります。
それは作業療法士の年収を男性と女性で比べても、ほとんど差がないことです。
正社員の場合
サラリーマン(正社員)であれば、男性の平均年収が545万円であるのに対して、女性の平均年収は293万円と約2倍ほどの差があります。
しかし作業療法士は多くても20万円前後の差となっており、男性のほうが手当などでやや高めになっていると考えられます。
パートの場合
パートで勤務する場合も、時給は2,552円と高水準です。
1日の平均勤務時間は5.5時間で、1か月の平均勤務日数は12.6日。
その通り勤務をすると、17万6854円の月収になり、また約8万円のボーナスも支給されます。
さらに平均年齢は39.7歳なので、子育て世代か家庭を持つ女性が扶養外勤務をしているケースが多いと推測できます。
週2~3日の勤務で、約17万円の収入が得られるので、家事や子育てと両立しながら、高水準のパート収入を得ることが可能です。
受講料最大10万円戻ってくるかも!?
作業療法士の収入アップ・キャリアアップする道
作業療法士が収入を上げたり、キャリアを構築していく方法は、主に3つ考えられます。
まず1つは、リハビリテーションのスペシャリストとして専門性を磨いていくことです。
作業療法士資格と合わせて、関連資格を取得する方も少なくありません。専門性を高めると同時に、資格手当や転職の際の給与アップが望めます。
2つ目は、ゼネラリストを目指す方法です。主任や部長などの管理職になれば、その分の昇給が見込めます。
ただし役職がつくと、売上やコストの管理、そして人材採用や組織のマネジメントをする能力が求められます。
また職場によっては、経営者層にもなれる可能性があるなど、作業療法士として活躍するというよりも、資格を踏み台として活かしていく道です。
最後に、独立開業をする方法があります。通所リハビリテーションや資格学校を設立します。
経営者はリスクが高くて難しいことですが、理想的な施設や実現したいサービスがある方には挑戦する価値があるといえます。
気になる将来は?
高齢化社会において、老人の生きがい作りや痴呆防止などを目的とした作業療法士の活動が期待されています。
すでに老人のデイケアセンターなどの通所でその活動にあたっている方もいますが、今後そういったニーズはますます高まり、その数はさらに増えていくでしょう。
また養護学校や小児科病棟、幼稚園や保育園などの子どもに対し、社会性を養うため、そして日常生活力を身につけるための指導員としての活動も期待されています。
受講料最大10万円戻ってくるかも!?