試験にも役立つ!心理資格クイズ5問【上級編】
【第1問】ストレスと関連の深い用語として、正しくないものはどれか。
①唾液アミラーゼ
②カクテルパーティー効果
③アドレナリン
④自律神経
【解答】②カクテルパーティー効果
【解説】自律神経はストレスの影響を受けるものであり、アドレナリンや唾液アミラーゼはストレスの程度の指標となるものです。
【第2問】精神疾患に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つだけ選び、答えなさい。
①妄想性障害には陽性症状と陰性症状がある。
②限局性恐怖症は神経発達症(発達障害)に分類される。
③パニック症の主な症状として、息切れやめまいなどの身体症状がある。
④うつ病の診断基準に食欲増進や過眠は含まれない。
【解答】③
【解説】うつ病は食欲低下や不眠の症状もあるが、同様に食欲増進や過眠の症状も発生する場合がある。限局性学習障害が神経発達症(発達障害)に分類される。陽性症状と陰性症状があるのは、統合失調症である。
【第3問】心理カウンセリングに関する次の【 】に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものを1つだ け選び、答えなさい。
【 ア 】が創始した【 イ 】はクライアントの過去や無意識を対象とした心理療法である。また、【 ウ 】が創始した【 エ 】はカウンセリングの基本としてクライアントの自己概念の不一致を一致させていく心理療法である。
①(ア)フロイト (イ)認知行動療法 (ウ)アドラー (エ)指示的療法
②(ア)フロイト (イ)認知行動療法 (ウ)ロジャーズ (エ)来談者中心療法
③(ア)ロジャーズ (イ)精神分析療法 (ウ)フロイト (エ)来談者中心療法
④(ア)フロイト (イ)精神分析療法 (ウ)ロジャーズ (エ)来談者中心療法
【解答】④
【解説】フロイトが創始した精神分析療法は自由連想法などの技法を用いて、クライアントの無意識に抑圧されたものを 意識化させていく手法です。ロジャーズが創始した来談者中心療法は受容・再陳述(繰り返し)・感情の反射・感情の明確化などの基本技法を駆使し、傾聴の態度でカウンセリングを進めていく手法です。
【第4問】心理カウンセリングにおける心理カウンセラーとクライアントのやり取りを読んだ上で、設問に対する解答として正しい組み合わせを選び、答えなさい。なお、Co はカウンセラー、Cl はクライアントの発言内容とする。
Co.1:本日はどうされましたか。
Cl.1:最近、イライラすることが多くて、眠れないんです。
Co.2:なるほど。Cl.2:あと、あんまり食欲もなくて・・・。Co.3:イライラすることが多くて、眠れない、食欲もないわけですね。それは、いつごろからでしょうか?
Cl.3:そうですねぇ、1 ヶ月くらい前からですかね。Co.4:そうですか、1 ヶ月くらいですか。ちなみに、病院には行かれましたか?
Cl.4:いえ、まだ行っていません。病院とこのカウンセリングルームでは、できることが違うんでしょうか?
Co.5: 【 】
Cl.5:なるほど、よく分かりました。
Co.6:もし、身体的・精神的につらい状況が続くようであれば、医療機関を受診してみるとよいかもしれません。 当方から医療機関を紹介し、医学的な対応と並行して、こちらでカウンセリングを実施することもできます。
Cl.6:分かりました。
(1)Co2 における心理カウンセラーの発言に含まれる技法として、正しいものはどれか選べ。
①受容
②再陳述(繰り返し)
③感情の反射
④感情の明確化
【解答】①
(2)Co3 の心理カウンセラーの発言に含まれる技法として、正しいものはどれか選べ。
①受容・感情の明確化
②受容・再陳述(繰り返し)
③感情の反射・再陳述(繰り返し)
④感情の反射・感情の明確化
【解答】③
(3)Co5 の空欄に当てはまる心理カウンセラーの説明として、正しくないものはどれか選べ。
①病院では薬の処方が可能だが、カウンセリングルームではできない
②病院ではカウンセリングはできないが、カウンセリングルームではできる
③病院では一部の診療が医療保険の対象だが、カウンセリングルームでは全ての対応が医療保険の対象外
④病院では医師による診断ができるが、カウンセリングルームではできない
【解答】②
(4)Co6 において心理カウンセラーが述べた内容をあらわす用語として、正しいものはどれか選べ。
①スーパーヴィジョン
②コラボレーション
③コンサルテーション
④リファー
【解答】④
【解説】
心理カウンセリングの基本として、来談者中心療法の受容・再陳述(繰り返し)・感情の反射・感情の明確化などの基本技法を適切に使いこなすことが大切です。また、場合によっては医療機関へのリファーをすることも大切です。
【上級者向け】おすすめの心理資格は?
SNSカウンセラー
SNSカウンセラーは一般社団法人SNSカウンセリング協議会が認定している資格です。
この資格は、SNSを活用して安心・安全なカウンセリングを提供する人材を認定する制度です。
対面ではなく、SNSを通じて相談者の悩みや不安に寄り添い、より良い生活をサポートするための知識やスキルを証明するものです。
認定登録の要件は、所持している資格によって受講時間に違いがあります。
詳細についてはSNSカウンセリング協議会で確認することをおすすめします。
- 受験資格
- ①心理カウンセラー資格※1を所持している:2日間の協議会指定養成講座を修了後、資格取得
②心理カウンセラー資格※1は所持していないが、隣接国家資格※2を所持している:カウンセリング50時間講座を受講後、2日間の協議会指定養成講座を修了で資格取得
③心理カウンセラー資格も隣接国家資格も所持していない:①もしくは②の資格を取得後①または②の手続き - 勉強方法
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- 学習内容
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- 学習方法
- 通信
通学
※1心理カウンセラー資格
- 公認心理師(国家資格)
- 臨床心理士(一般社団法人⽇本臨床⼼理⼠会)
- ガイダンスカウンセラー(一般社団法人⽇本スクールカウンセリング推進協議会)
- 産業カウンセラー(一般社団法人日本産業カウンセラー協会)
- プロフェッショナル心理カウンセラー(一般社団法人全国心理業連合会)
- 認定心理カウンセラー(公益財団法人関西カウンセリングセンター)
※2隣接国家資格
- キャリアコンサルタント
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
プロフェッショナル心理カウンセラー
プロフェッショナル心理カウンセラーは、一般社団法人全国心理業連合会が認定する全国統一資格です。
スキルの高いカウンセラーや養成機関の代表者が集まり、議論を重ねて誕生しました。
臨床心理士とは異なる視点で心理カウンセラーの独自の強みを生かし、日本のメンタルサポートをさらに充実させることを目的としています。
- 受験資格
- 認定教育機関で所定のカリキュラムを修了し、推薦を受けた者
- 勉強方法
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- 学習内容
- カウンセリングスキル教育
カウンセリング実習研修
プロフェッショナル適性訓練 - 学習方法
- 通学
オンライン
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、相談者のキャリアをプロの視点でサポートする専門家です。
キャリアコンサルタントの職に就くためには、国家試験に合格する必要があります。
試験は学科と実技に分かれており、受験者に合わせて挑戦できるシステムです。
資格取得後は5年ごとの更新が義務付けられ、最新の知識やスキルを継続的に身に付けることが求められます。
- 受験資格
- 以下のいずれかの条件を満たせば受験可能
厚生労働省が認定する講習を修了した者(2016年4月以降に開講された講習)
労働者の職業選択、職業生活設計、もしくは職業能力開発・向上のいずれかに関する相談業務を3年以上経験している者
技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した者 - 勉強方法
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- 学習内容
- キャリアコンサルティングの社会的意義
キャリアコンサルタントを行うために必要な知識・技能
キャリアコンサルタントの倫理と行動など - 学習方法
- 通信
通学
オンライン
学校心理士
学校心理士は、子どもたちの学校生活を心理学の視点でサポートする大切な役割を担っています。
この資格は、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定するものです。
学校心理士は子どもだけでなく周りを取り巻く保護者や教師、学校を対象に学校心理学の知識やスキルで心理教育的援助を行います。
資格取得後は5年ごとの更新が求められます。
- 受験資格
- 大学院で学校心理学関連の科目の単位を取得し、修士課程または専門職学位課程を修了し、学校心理学に関する実務経験が1年以上ある者(公認心理師関連の大学院で学んだ者は、多くの科目を学校心理学関連の科目として認められる)
教職大学院で指定された5領域の単位を取得し、修士課程を修了し、学校心理学に関する実務経験が1年以上ある者
4年制大学を卒業し、学校心理学に関する実務経験が5年以上ある者(学校職員や相談機関の専門職従事者)
大学または大学院で2年以上授業を担当し、学校心理学の8領域に関する研究成果を5編以上持つ者
公認心理師の資格を持つ者(学校心理士認定運営機構が主催する講習会への参加が必要)
学校の管理職または教育行政職として、心理教育的援助サービスに関する指導的な役割を3年以上担っている者(申請時に、その職を辞してから5年以上経過していないことが条件) - 勉強方法
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- 学習内容
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- 学習方法
- 通信
通学
臨床発達心理士
臨床発達心理士は、一般社団法人臨床心理士認定運営機構が認定する資格です。
発達心理学を中心とした知識を生かし、子どもからお年寄りまで幅広い世代の人々の発達に関わる問題に取り組み、サポートするスペシャリストを認定するものです。
認定を受けるには「心理学」「発達心理学」「教育学」「保育学」「児童学」などの関連分野で、大学院修士課程を修了していることが基本要件にあります。
ただし、3年以上の臨床経験がある場合も申請が可能です。
- 受験資格
- 発達心理学隣接諸科学の大学院修士課程在学中または修了後臨床経験3年未満の者
臨床経験が3年以上で発達心理学隣接諸科学の大学院を修了している者
臨床経験が3年以上で発達心理学隣接諸科学の学部を卒業している者
大学や研究機関で研究職をしている者
公認心理師資格を取得している者 - 勉強方法
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- 学習内容
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- 学習方法
- 通信
通学
心理カウンセラーの活躍の場
教育分野
心理カウンセラーは学校や公的な教育相談機関に配置され、子どもや保護者の相談に応じる存在でもあります。
スクールカウンセラーと呼ばれ、不登校や集団生活になじめない児童がいる場合に教員と連携を取ってこころのケアにあたります。
サポートの対象は子供だけではありません。
教員からの相談にも耳を傾け、ストレスマネジメントについてアドバイスも行います。
カウンセラーは先生や生徒、保護者が抱える悩みを和らげ、互いの橋渡しをする大切な役割を担っていると言えるでしょう。
産業・労働分野
ビジネスの分野でも心のケアが重要視されており、企業で活躍する心理カウンセラーは従業員のメンタルヘルスを守るための重要な役割を担っています。
カウンセラーは、社内の医務室に常駐するタイプと、外部の専門機関から派遣されるタイプがあります。
実際にはキャリア形成に関する相談にも乗ることが多く、離職防止にも貢献しているのです。
医療・保健分野
医療・保健分野で活躍する心理カウンセラーは、病院や診療所の心療内科や精神科などでカウンセリングを行っています。
この分野では、医療の知識だけでなくカウンセリング技術も必要不可欠です。
また、精神保健福祉センターや保健センターでは、引きこもりや依存症などの問題にも取り組みます。
本人だけでなく家族からの相談に乗ることもあります。
医療現場の一員として、心理カウンセラーの役割は、ますます重要になってきていると言えるでしょう。
福祉分野
高齢者施設や児童福祉事務所でカウンセリングにより心のサポートを行っているのが福祉分野での心理カウンセラーです。
高齢者施設では、介護サービスを受ける高齢者はもちろん、日々介護するスタッフの悩みにも耳を傾けます。
福祉分野では、ソーシャルワーカーや作業療法士、児童発達管理支援責任者などさまざまなサポートをする専門家とチームを組んで、相談者にカウンセリングだけでなく生活指導も行います。
司法分野
司法分野での心理カウンセラーは、少年鑑別所や刑務所など法務技官、あるいは家庭裁判所調査官として非行歴のある若者の社会復帰をサポートします。
心理カウンセリングだけにとどまらず、犯罪の背景や深層心理、家庭環境を分析するのも重要な役割です。
さらに、地域住民や学校と連携して犯罪を未然に防ぐための活動も行っています。
独立・開業
心理カウンセラーの中には、独立・開業の道を選択する人も少なくありません。
小規模な相談室を構え、自身の専門性やアプローチを生かしたサポートを行います。
また、相談者の自宅に訪問したり、オンラインでカウンセリングを行ったりする方もいます。
カウンセラーとして多くの人の悩みを解決したい方や、自分のペースで仕事を進めたいと考える方に適しています。
開業資金が少なくて済むことや手続きが簡単なこともあるため、比較的独立しやすい職業と言えるでしょう。
まとめ
今回は、心理カウンセラー上級クイズに合わせて資格や活躍の場について詳しく解説しました。
自分のキャリアプランに合った資格を選ぶことで、勉強や転職の意欲が高まり、働きながらでも資格取得が可能となるでしょう。
どの分野に最も魅力を感じるのか、どのようなキャリアを築きたいのかを考え、さまざまな選択肢から最適な資格について考えてみましょう。