同行援護のサービスを提供する指定同行援護事業所では、サービス提供責任者を必ず配置しておかなければなりません。これまでは、介護福祉士等の介護の資格を持っている方であれば、サービス提供責任者として従事できましたが、2018年4月からは、同行援護従業者養成研修を受講していなければ従事できなくなってしまいます。
従来は、視覚障害者(児)の外出時の支援は移動支援事業として実施されていました。それが、2011年に区別され、同行援護として実施されることになりました。どちらにしても、外出時の支援というところは変わりませんが、移動支援が「介護」に位置づけられるのに対して、同行援護は「移動に必要な情報を提供する」という役割が明記されています。
また、移動支援が地域生活支援事業として地域によってサービス内容に差が出やすいのに対し、同行援護は自立支援給付の下に行われるサービスであることから、国の制度として一律の基準が設けられています。
移動支援とサービス内容が似ているところもありますが、原則として、同行援護のサービスを提供するには、同行援護従業者養成研修を受講しておくとよいでしょう。
同行援護従業者養成研修は、受講期間が最短3日と、かなり短期で修了できるところが大きなポイントです。研修内容は、一般課程と応用課程の2つがあり、どちらも受講が必要です。2つをセットで受講する場合、必要な資格などは特にありませんので、初心者から受講できます。
一般課程(計20時間) | 応用課程(計12時間) |
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(1)視覚障害者(児)福祉サービス(1時間)
(2)同行援護の制度と従業者の業務(2時間) (3)障害・疾病の理解I(2時間) (4)障害者(児)の心理I(1時間) (5)情報支援と情報提供(2時間) (6)代筆・代読の基礎知識(2時間) (7)同行援護の基礎知識(2時間) (8)基本及び応用技能に関する演習(8時間) |
(1)障害・疾病の理解II(1時間)
(2)障害者(児)の心理II(1時間) (3)場面別基本及び応用技能に関する演習(6時間) (4)交通機関の利用に関する演習(4時間) |
2018年4月以降は、同行援護を提供する事業所のサービス提供責任者は、同行援護従業者養成研修を修了しておくことが求められます。これは、どの介護資格を持っている場合でも同様です。
※ただし、厚生労働大臣が定める従業者(平成18年厚生労働省告示第556号)に定める国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した者又はこれに準ずる者、は研修を受けていなくてもサービス提供責任者として認められます。
最短3日で受講できることから、サービス提供責任者の要件変更目前となる2018年1〜3月や、早ければ2017年には研修を実施するスクールに受講者が集中し、希望の日程が満席になってしまう状況も予想されます。
事業所でまだ取得を勧められていない場合でも、余裕のあるうちに受講しておくと安心です。
介護福祉士の実技試験で、初めて「視覚障害者の歩行介助」が出題されたことが話題になりました。
このテーマが出題された理由は、介護福祉士の試験も今年でもう26回目となり、過去の問題と似た内容になるのを避けたため、などのように推測されています。真偽の程はわかりませんが、近年「同行援護」の重要性が意識されてきていることは、少なからず関係しているでしょう。
>> 介護福祉士試験に出題された同行援護の知識について詳しく
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