TOEIC®テストの出題形式が2016年5月29日実施分より変更になります。変更になるポイントは?試験対策はどう変わる?下記で詳しく見ていきます。
よりオーセンティック(実際的)なコミュニケーション方法に
日常やビジネスでのコミュニケーション方法は時代とともに変化していきます。
今回の出題形式変更では、より実情に即したコミュニケーション方法をテストに取り入れるため、テキストメッセージやインスタントメッセージ(チャット)といった近年よく利用されているコミュニケーション形式や、複数(3人以上)の人々が参加する会話形式などが新しく出題形式に追加されます。また、今回の変更で特に重点が置かれるのが、複数の情報源から得られる情報を関連づける能力です。たとえば、地図やグラフなど、問題用紙に印刷された視覚素材(Visual image)と流れてくる会話の情報を関連づけて解答する設問などが新たに採用されます。
問題構成の変更
問題数などは下記のように変更されます。
■現行のTOEIC制度
▽リスニング(約45分間)
Part1 写真描写問題:10問
Part2 応答問題:30問
Part3 会話問題:30問(3×10)
Part4 説明文問題:30問(3×10)
▽リーディング(約75分間)
Part5 短文穴埋め問題:40問
Part6 長文穴埋め問題:12問(3×4)
Part7 読解問題:48問(1つの文書:28問、2つの文書:20問)
■変更後のTOEICテスト(2016年5月29日実施試験より適用)
▽リスニング(約45分間)
Part1 写真描写問題:6問
Part2 応答問題:25問
Part3 会話問題:39問(3×13)
Part4 説明文問題:30問(3×10)
▽リーディング(約75分間)
Part5 短文穴埋め問題:30問
Part6 長文穴埋め問題:16問(4×4)
Part7 読解問題:54問(1つの文書:29問、複数の文書:25問)
<リスニングセクションの変更点>
・写真描写問題(Part 1)と応答問題(Part 2)の設問数が減ります。
・会話問題(Part 3)の設問数が増えます。
・会話問題の中に、発言が短くやり取りの多いものが加わります。
・3名で会話する設問があります。
・Elisions(省略形: going toが gonnaなど)、 Fragments(文の一部分: Yes, in a minute; Down the hall; Could you?など)を含む会話が流れます。
・会話やトークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問が加わります。
・会話やトークの中で話し手が暗示している意図を問う設問が加わります。
<リーディングセクションの変更点>
・短文穴埋め問題(Part 5)の設問数が減ります。
・長文穴埋め問題(Part 6)の一つの文章に含まれる設問は3問から4問に増えます。
・文書の全体的な構成を理解しているか問う設問が加わります。具体的には、
(1)長文穴埋め問題で、文書内の空欄に最も適切な一文を選ぶ問題
(2)読解問題(Part 7)で、文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ問題
・テキストメッセージやインスタントメッセージ(チャット)、オンラインチャット形式で複数名がやり取りを行う設問が加わります。
・読解問題で3つの関連する文書を読んで理解する設問が加わります。
・読解問題の設問数(1つの文書、複数の文書)が増えます。
・文書中で書き手が暗示している意図を問う設問が加わります。
試験の難易度は変わるの?
一部の出題形式や問題構成は変更されますが、TOEIC(R)公式HPによると「クオリティと難易度に変わりはありません。」とのことです。また、スコアの評価も現行のTOEICテストと同等ということです。
難易度自体は変更がないようですが、上記のとおり、リスニングの会話問題や、リーディングの長文問題の出題数が増えるなどの変更がありますので、苦手な形式がある方はしっかり対策するのがおすすめです。