▼もくじ
・キャリアコンサルタントとして活躍するには
├活躍しているキャリアコンサルタントの共通点
├人に関心を持てる人がキャリアコンサルタントに向いている
└活かせる経験、資格
・キャリアコンサルタントの資格は役に立たない?
・キャリアコンサルタントとして高収入を目指すなら
・キャリアコンサルタント資格取得を目指す方へのメッセージ
キャリアコンサルタントとして活躍するには
活躍しているキャリアコンサルタントの共通点
鈴木
活躍しているキャリアコンサルタントの方にはどんな共通項がありますか。
深谷理事
変化に対して自分自身が柔軟に適応できるという点だと思います。
実際にキャリアコンサルタントとして相談者へ対応する時、その場でその瞬間に判断しなくてはならないことが多々あります。
そういった時にマニュアル通りの対応をするのではなく、状況に応じて自分がベストだと考える回答をできる方はキャリアコンサルタントとして活躍できると思いますね。
学んだことに加えて自分で信念を持って行動できるということが重要だと考えています。
鈴木
相談者としっかりと向き合った上で相手の身になって考え、対応できる方がキャリアコンサルタントとして活躍しているということですね。
基本ともいえますが、やはり相手とのコミュニケーションが大切ということでしょうか。
深谷理事
そうですね。講義などで学ぶ知識を身につけた上で、それだけが正解であると思いこまずに相談者の想いに耳を傾け、最適解を自分で考えるということができる必要があると思います。
人に関心を持てる人がキャリアコンサルタントに向いている
鈴木
キャリアコンサルタントという職業は、性格的な向き不向きなどはあるのでしょうか。
深谷理事
人に対する関心があるというのがキャリアコンサルタントに向いている方だと思います。
自分と考え方が違う人がいたとして、「なぜその人はそういう考え方や受け止め方をするのか」ということを考えられる方は、キャリアコンサルタントの素養があるのではないでしょうか。
反対に、「自分と考えが異なる相手を受け入れられない」という方には向いているとはいえないかもしれません。
鈴木
人のことを考えるのが好きな人、相手を受け入れて接することができる人に向いている職業ということでしょうか。
深谷理事
人はもちろんのこと、色々な物事に対して興味を持ち、自分の中に取り入れる努力ができるということですかね。
キャリアコンサルタントの仕事では、これまで自分が経験してきた業界以外の方からの相談も受けることになります。
そういった時に自ら興味を持って調べられる人が、キャリアコンサルタントに向いているのだと思います。
その素養と併せて、養成講座でも学ぶカウンセリングに関する心理学の知識を身につけることでキャリアコンサルタントの入り口に立てるのだと思います。
また、キャリアコンサルタントとして活動すると、感性とエビデンス双方を駆使して相談者に対してソリューションを提供していく必要があります。
そのため、自らさまざまなことを考えられる建設的な方でないと難しい仕事かもしれません。
キャリアコンサルティングは、相談者がいつ頃までにこうしたいという目標に対してどう近づいていくかという作戦会議であるともいえますよね。
そう考えると、目標達成のために複数の作戦を立てられるキャリアコンサルタントこそが優秀だということが分かると思います。
そういったことができるようになるには、先ほどお話ししたような柔軟性や、世の中に対する情報収集能力が求められるのではないでしょうか。
活かせる経験、資格
鈴木
キャリアコンサルタントとして、プラスアルファであると良い経験や資格はありますか。
深谷理事
経験でいうと、成功体験というよりは色々な失敗をしてそれを挽回した経験や、何かを挫折した経験があれば役立つのではないでしょうか。
そういう経験が最も人の人生の幅を広げると思います。
資格としては、産業カウンセラーなどの資格をお持ちの方は活かせると思いますね。
カウンセリングの経験があれば、実技試験の基本ができていることになりますから、試験合格もしやすい印象があります。
心理系でいうと、臨床心理士の方が養成講座を受講されることもあります。
また、FP(ファイナンシャルプランナー)の基本的な知識も活かすことができます。
キャリアはその人のライフプランニングと密接に関わってきますから、こういうライフイベントが待っている、ということが分かると相談対応でも活用できるでしょう。
鈴木
各所で求められているITスキルもあった方が望ましいでしょうか。
深谷理事
これからの時代はWeb会議システムを利用したキャリアコンサルティングも当たり前のものになります。資料や情報提供もインターネット上でおこなうことがほとんどですよね。
そのため、インターネット上での情報収集や情報提供をおこなえるスキルは必要になってくると思います。
キャリアコンサルタントの資格は役に立たない?
鈴木
インターネット上などでは「キャリアコンサルタントの資格は役に立たない」という意見もあるようなのですが、いかがお考えでしょうか。
深谷理事
そういったお声を拝見すると、「就職や転職の役に立たない」とお考えの方がいらっしゃるようですね。ですが、そんなことはありません。
キャリアコンサルタントの資格を求めない求人は確かにありますが、大学のキャリアセンターやハローワークの職員など、キャリアコンサルタント資格保有を応募要件にしている求人も多々あります。
そのため、就職・転職の役に立たない資格なのかといわれると実態が反映されていないのではないかと思います。
新卒の方の就職時にキャリアコンサルタント資格を求めるような企業・団体は多くないと思いますが、転職市場では十分に役立つ資格なのではないでしょうか。
ここ数年の傾向として、人材ビジネスを目指している学生のなかには在学中にキャリアコンサルタントを取得する動きもあるようです。
鈴木
これまでのお話で社会の中でのキャリアコンサルタントの重要性が大切になってくるということを伺ってきました。
これからキャリアコンサルタントが活躍する場面が増加し、求人も増えていくのかと思うのですがいかがでしょうか。
深谷理事
はい。
私は既に需要が供給を上回っている、人手不足なのではないかと考えています。
自身が運営する法人で求人を出した際も資格取得者は少なく、採用が難しいと感じました。
キャリアコンサルタントとして高収入を目指すなら
鈴木
ニーズがどんどん高まっていく中で、キャリアコンサルタントとして高収入を目指すならどのような努力が必要になるでしょうか。
深谷理事
収入を得る窓口をいかに増やせるかということだと思います。
キャリアコンサルタントは副業や兼業が許されている場合も少なくありません。 本業の他にも業務を請け負い、複数の収入を得ていくという方法が年収を向上させやすいと思います。
キャリアの在り方が変わっていく日本で、時代が求める働き方を自分で実践できる、やっていく覚悟があることが高収入を目指すための素養なのではないでしょうか。
「安定した収入を得るためには正社員として働かなくてはならない」という考えにとらわれずに自身のキャリアを考え、形成していく必要があると思います。
鈴木
ジョブ型雇用の話もありましたが、副業やマルチジョブで収入を上げていくというのは今の働き方にリンクする考え方ですね。
キャリアコンサルタント資格取得を目指す方へのメッセージ
鈴木
最後に、キャリアコンサルタントの資格を取りたいと思っている読者にメッセージがあればお願いします。
深谷理事
働き方改革が提言され、コロナ禍の影響でそれが一気に進んでいます。
さらに、ジョブ型雇用的な考え方が広がっていくことで、働く人がより主体的に自分のキャリアを考えざるを得ない環境になっていくでしょう。
そういった時代の中で、どういう道に進むべきか分からないという方の適性を見出して必要な情報を提供していくというキャリアコンサルタントの仕事は、今後ますます価値が高まるのではないかと考えています。
また、自分自身がキャリアコンサルタント資格を通してこれからの働き方を意識しておくことにも、大きなメリットがあるのではないでしょうか。
今まで養成講座を受講された方から、それまでの自身のキャリアに対しての考え方や生き方をアップデートできたというお声を多く頂いています。
ご自身のための勉強にもなる資格として、ぜひ取得を目指していただきたいと思います。