気象予報士の資格取得方法
気象予報士になるには、まず気象予報士試験(学科・実技の両方)に合格しなければいけません。受験資格の制限はないですが、合格率がここ数年で4%程度と非常に難しい試験となっています。専門知識が要求されるので、合格には1年以上の計画的学習が必要不可欠です。試験は年2回実施されています。学科試験の全部または一部科目で合格した方は、申請をすることで合格発表日から1年以内に行われる試験で、合格した科目の試験免除がされます。学科試験では、科目別で合格をしておきたいですね。その他、気象業務に関する業務経歴や資格取得による免除などもあります。詳しくは、一般社団法人 気象業務支援センターより配布されている受験資料を確認してみてください。
活躍の場
資格取得後の主な進路
気象サービス業と一口でいっても、その種類はさまざまです。その中で、気象予報士としての主な3つの進路がこちらです。
●気象庁での勤務
気象に関わる仕事がしたい、となれば代表的なのがこの進路ではないでしょうか。しかし、気象庁は国家機関であり国家公務員試験「総合職(院卒者・大卒程度)」「一般職(大卒程度)」に合格しなければなりません。また、公務員試験の受験資格にも注意が必要ですね。
●民間の気象予報会社に勤める
クライアントが求める気象予測の提供が仕事内容となります。例えば、イベント会社やアトラクションの開催では気象情報が意思決定の重要な要素であり、短期的な予報から局地的な予報まで様々な情報が求められます。各地域の地理的特性も考慮しながら、膨大な量のデータを集めて解析しなければならない難しさがあります。
●メディア関連で勤める
一般的なイメージできる仕事ではないでしょうか。テレビやラジオのお天気キャスターがお馴染みですが、実際には資格を持っているお天気キャスターはそれほど多くはないようです。むしろ、お天気キャスターへの分かりやすい原稿を用意するなど裏方の仕事もあります。
天気予報士の資格取得は就職に有利?
気象予報士の資格だけでは就職受け皿は少なく、就職・転職活動に有利とは言いづらいのが現状です。しかし、発想を柔軟にすることで就職先の幅を広げることは可能です。例えば、レジャー施設、建設業、運輸業、航空業、イベント業などでは自然相手の職場であるため、天候予測ができることはとても重要です。また、今後は地球温暖化による異常気象の多発などで、防災面でも注目が予想されています。情報化社会という面では、あらゆる情報が随時更新されていくなかで気象に基いたサービスが増加する可能性もあるでしょう。
この他にも、1995年に気象業務法が改正され、それまで気象庁に限定されていた天気予想が、気象庁長官の許可を受ければ、民間企業でも気象の予想を行えるようになりました。これを機会に、気象情報ビジネスの業者数は拡大し、民間企業は一気に倍増。こうしてできた民間気象会社には、資格取得者をおくことが義務づけられているので、気象予報士のニーズもさらに高まるでしょう。