歯科技工士になる方法とは
歯科技工士になるには資格は必要?
歯科技工士になるには国家試験を合格・取得しておく必要があります。そして、国家試験を受けるためには条件があります。それは、文部科学大臣指定あるいは厚生労働大臣指定の歯科技工士養成機関で、2年以上の修業をして、所定の課程を全て修了することです。養成施設には、大学・短期大学・専門学校があります。修業年限は、2年制、3年制が中心です。大学のみ4年間の通学が必要となります。また学校には、全日制と夜間制があり、夜間制に通学する場合、修業年限は3年間です。養成機関に通学するという必須条件は、高等学校を卒業して、そのまま養成施設に進学する新卒者も、既に仕事をしていながら資格取得を目指す既卒者も同じです。国家試験に合格後、登録機関に申請することによって、はじめて歯科技工士免許証が交付されます。
歯科技工士に求められること
歯科技工士には、科学的な根拠に基づいた知識と技術が求められます。知識とは、歯科医学、素材、道具に関する専門的で、かつ正確な理解が必要です。また技術については、芸術的な造形を求められることはなく、加工物である義歯を、彫刻刀で精密に造り上げなければなりません。したがって、正確に作業が出来る手先の器用がいります。この技術力は、学校でトレーニングを繰り返して身に付けていきます。そして、細かな作業が長時間に渡って続くため、忍耐力や根気の強さが求められます。 また最近では、日本の歯科技工士の技術力が、世界的に高く評価されています。同時に、グローバルに活躍する、日本人の歯科技工士が増えています。グローバル化に合わせて、語学力や行動力、コミュニケーション力が、今後は重要になると考えられます。
歯科技工士の給料・年収分析
歯科技工士の平均年収
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、歯科技工士の平均年齢は、正社員の場合で41.2歳で、勤続年数が11.5年であることがわかりました。そして給与に関しては、月収は32万600円となりました。さらに平均年収は426万8400円で、年間ボーナスの平均が、42万1200円でです。国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円だったので、歯科技工士の年収は、やや高めの水準であることがわかります。また日本における歯科技工士は、世界的に見て技術力がトップレベルです。しかし、職人技を身に付けても高収入を得ることは難しく、年齢を重ねていくとともに給与は安定してきます。
【正社員】
平均年齢 41.2歳
勤続年数 11.5年
労働時間 173時間/月
残業時間 8時間/月
平均月収 320600円
賞与 421200円
平均年収 4268400円
労働者数 8710人
【パート】
平均年齢 45.4歳
勤続年数 6.4年
実労働日数 17.5日/月
1日の平均労働時間 6.3時間/日
平均時給 1088円
出典:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
女性の仕事としての歯科技工士
歯科技工士の80パーセント近くが、男性です。したがって、女性の仕事というイメージが薄い仕事かもしれません。実際には、歯科技工士として活躍する、職人レベルの高い女性も多く存在します。この仕事の魅力の1つが、収入です。歯科技工士の平均年齢である40代前半の場合、女性だと年収は200万円台後半です。歯科技工士であれば、400万円前後の年収を安定して得ることが可能です。ですが、歯科技工士の仕事は、残業が多くて労働時間も長いため、家庭を持つ女性には不向きだという考えもあります。また職場によっても、固定の休暇制度や育児休暇などが整っていません。このような条件を考慮した上で、働く意思がある女性には適した仕事だと言えます。
パートで歯科技工士として働く
歯科技工士としてパート勤務する場合、時給は1088円です。平成28年3月度の時点で、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は977円でした。時給が最も高い首都圏でも1019円なので、歯科技工士のパート勤務は、一般的な水準でも、やや高めの時給が得られる仕事です。 歯科技工士の1日の平均勤務時間が6.3時間で、1か月の平均勤務日数は17.5日です。平均的な勤務日数・時間で働いたとすると、11万9952円の月収になります。年収は、143万9424円です。ボーナスは、あまり期待出来ません。パート勤務をしている測量技術者の数は、決して多くはありませんが、残業がない時間枠内で、自分のペースで働き続けることが出来るのは、パート勤務の利点だと考えられます。
活躍の場
歯科技工士の新卒者として就職をする場合、多くは歯科技工所が就職先となります。歯科技工所は、日本全国で、約1万5000ヶ所ほど存在します。歯科技工所での仕事は、義歯や詰め物の注文を、歯科医院や病院から受けて、製作・納品することが中心です。また歯科医院に就職する歯科技工士も少なくありません。実際に、患者と直接コミュニケーションを取りながら仕事が出来ます。歯科医院を、最初の就職先として選ぶのであれば、大手かグループ経営している医院をおススメします。他にも、病院や、歯科器材メーカー、材料メーカーなどの一般企業に、就職をする歯科技工士もいます。しかし、これらの職場は、総体的に求人数が少ないのが現状ですし、経験やスキルなど即戦力が求められることが多いため、キャリアアップするための転職先として人気です。今後本格的な高齢化社会が到来すれば、歯の一部を補ったり、失われた歯を復元する歯科技工士の技術は、ますます社会から必要とされるようになるでしょう。
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試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 歯科技工士 |
試験日 |
【歯科技工士国家試験】 |
試験区分 | 国家資格 |
主催団体 | 厚生労働省 |
受験資格 | (1)文部科学大臣の指定した歯科技工士学校を卒業した者(令和2年3月13日(金曜日)までに卒業する見込みの者を含む。) (2)都道府県知事の指定した歯科技工士養成所を卒業した者(令和2年3月13日(金曜日)までに卒業する見込みの者を含む。) (3)歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者 (4)外国の歯科技工士学校若しくは歯科技工士養成所を卒業し、又は外国で歯科技工士の免許を受けた者で、厚生労働大臣が(1)、(2)又は(3)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの |
合格率 | ほぼ100% |
出題内容・形式 | (1)学説試験 歯科理工学、歯の解剖学、顎口腔機能学、有床義歯技工学、歯冠修復技工学、矯正歯科技工学、小児歯科技工学及び関係法規 (2)実地試験 歯科技工実技 |
検定料 | 30,000円 |
問い合わせ先 |
一般財団法人歯科医療振興財団 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/ 〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目1番20号 歯科医師会館内 TEL:03-3262-3381 |