美容師で活躍するには
どんな資格・スキル
カットやパーマ、カラーリングやブローなどの技術を駆使し、お客さまの頭髪を整え、美しく仕上げるのが美容師の仕事です。美容師として働くためには、厚生労働大臣が指定した美容師養成施設(専門学校)で2年学んだ後、年に2回行われる美容師試験に合格しなければなりません。
ちなみに美容師と似たような職種に「理容師」がありますが、二つの職種の違いは、理容師が顔そり(髭剃り)をできるのに対し美容師はできないということぐらいであり、その他は業務内容において特に大きな違いはありません。
活躍の場
活躍の場としては美容院が一般的です。「カリスマ美容師」がもてはやされた時代ほどではありませんが、国内の美容院数はまだ増加傾向にあるうえ、最近では男性も美容院に行く人が増えているため、美容師として働くために必要な資格・知識・技術などを備えていれば、就職に困ることはないでしょう。
収入アップを目指すなら、高い技術と経営スキルを学んで、独立開業する道もあります。大手の美容チェーンの中には従業員の独立を支援する制度を備えた企業もあるので「ゆくゆくは自分のお店を持ちたい!」と考えている人は、就職の際にそのような企業を選んでおくとよいでしょう。
こんな人が向いています
美容師にまず求められるのは、お客様の意図をきちんと汲み取り、それをカットやパーマ、メイクなどの技術を使って形にすること。ですから、相手の気持ちや伝えようとしている内容が理解できるコミュニケーション力、基礎的な美容技術などは欠かせません。
また、美容師には「一人ひとりの中にある美を引き出すプロ」という認識も高まってきていますから、美的センスや世の中のトレンドを先取りする高い感性を備えた人は、美容師向きと言えるでしょう。
給料・年収分析
理容・美容師の平均年収
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、理容・美容師の平均年齢は、正社員の場合で30.2歳で、勤続年数が6.7年であることがわかりました。そして給与に関しては、月収は23万2800円となりました。さらに平均年収は285万5100円で、年間ボーナスの平均が、6万1500円です。国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円だったので、理容・美容師の年収は、あまり高い水準ではないことがわかります。さらに、男女別に平均年収を見ると、男性が308万円で、女性は271万円となっています。男女間で大きな差は見られませんが、男女かかわらず大きな年収の上昇を期待することは出来ません。
【正社員】
平均年齢 30.2歳
勤続年数 6.7年
労働時間 174時間/月
残業時間 8時間/月
平均月収 232,800円
賞与 61,500円
平均年収 2,855,100円
労働者数 30,620人
【パート】
平均年齢 45.5歳
勤続年数 6.7年
実労働日数 14.2日/月
1日の平均労働時間 5.8時間/日
平均時給 1,323円
出典:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
女性の仕事として
理容師は、女性の割合が20パーセント前後で、美容師の場合は、約70パーセントです。世間的なイメージで見ても、理容師は男性中心で、美容師が女性が多い仕事という印象が色濃くあるかもしれません。しかし、実際には理容師を目指す女性が、近年増えてきています。最近は、理容室でも、お洒落で洗練された店構えの店舗が増えてきています。また増税の影響で、消費者マインドが低迷したことで、顧客満足度を上げる付加価値サービスの提供が重視されています。そこで女性ならではの提案が期待されています。一方で、美容室でもヘアスタイルの提案だけでは、ネイルやマツエクなどのサービスも充実しているため、付加価値を生み出せる女性美容師が活躍しています。ちなみに日本人の平均年収は女性に限定をすると、理容・美容師の正社員の平均年齢である30歳前後では、294万円です。この数値から見れば、女性の理容・美容師の年収は平均的な水準だと言えます。
理容・美容師のステップアップ
理容・美容師がステップアップする一般的な方法は、まずアシスタント・見習いとして勤務します。収入は、手取りで10万円台が相場です。主な業務はサポート業務になります。そして、一定期間の経験を積むとスタイリストに昇格します。店舗によっては、スタイリストがジュニアスタイリストやトップスタイリストなど細分化されており、顧客の指名数によって収入は変わります。大半は、基本給で20万円台前半です。さらにステップアップすると店長候補や店長、マネージャーなどのポジションに就任します。店舗やエリアの売上・経営を任される立場になり、30万円以上の収入が見込めるようになります。ただし最近は理容・美容業界は競争が激しい業界です。低価格の店舗や、多様化するサービスに応じる店舗が増えているため、その中でステップアップするためには理容・美容師としての強みや専門性を身に着けておいた方が良いでしょう。
美容師講座・スクール比較試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 美容師 |
試験日 |
【第51回 美容師国家試験【実技】】 【第51回 美容師国家試験【筆記】】 |
試験区分 | 国家資格 |
主催団体 | 厚生労働省 |
受験資格 | 美容師養成施設(※)を卒業すること。 ※修業期間2年以上。通信課程の場合は3年以上。 |
合格率 | 86.2% (第39回試験) |
出題内容・形式 | ▽筆記試験 試験科目 ・関係法規・制度及び運営管理 ・衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術) ・保健(人体の構造及び機能、皮膚科学) ・香粧品化学 ・文化論及び美容技術理論 ▽実技試験 第1課題 ・カッティング 第2課題 ・オールウェーブセッティング ・衛生上の取扱い |
検定料 | 実技試験・筆記試験の両方を受験する場合:25,000円 試験の一部免除により、実技試験のみ受験する場合:12,500円 試験の一部免除により、筆記試験のみ受験する場合:12,500円 |
問い合わせ先 |
公益財団法人 理容師美容師試験研修センター http://www.rbc.or.jp/index.html 〒151-8602 東京都渋谷区笹塚2-1-6 JMFビル笹塚01(8F) TEL:03-5579-6875 |