社労士のバッジとは
社労士のバッジは、社労士の国家資格を持つことの証です。正確にはバッジではなく「徽章(きしょう)」と呼ばれます。他の士業では弁護士の徽章が有名ですね。
社労士にも弁護士のようにバッジがあり、デザインや込められた想いがあります。では、社労士のバッジにはどのような意味が込められているのでしょうか。
社労士のバッジのデザイン
社労士バッジのデザインは「菊の花」をモチーフとしています。16枚の花弁の中に「SR」と英字が配置されています。「SR」は「Syakaihoken Roumushi」の頭文字です。
直径は大体14.5mm、台地は金で、花弁は純金張で、中央部はプラチナです。バッジはネジ式とピン式があるようです。
バッジの意味と込められた想い
社労士という職業は、戦後の復興期、社会保障制度の整備が急ピッチで進められる中で誕生しました。元々は「労務管理士」と「社会保険士」の2つに分かれていましたが、両制度を併せて法制化する動きが活発となり、昭和43年に社労士法の交付と共に「社会保険労務士」という資格が誕生しました。
ただ社労士連合会はまだ誕生しておらず、全国には日本労務管理士協会、日本社会保険士会を中心に、複数の団体がありました。これが、昭和53年に連合組織として「全国社会保険労務士会連合会」が設置され、都道府県ごとの「社会保険労務士会」が設置されたのです。徽章が決まったのは翌年、昭和54年です。
社労士の「SR」は「Syakaihoken Roumushi」の頭文字で一見ダサく思えてしまうかもしれませんが、この時合併された社会保険士、労務管理士の双方の歴史や流れを組んでいるのかもしれませんね。そう思うと社労士バッジに刻まれた「SR」はただのローマ字ではなく、意味のある文字の並びに感じられてきませんか。
また、士業としては若い歴史の社労士の徽章の「菊の花」は日本で最も親しまれている花だから採用されたそうです。
菊の花言葉は「信頼」「高潔」「高尚」などです。社労士の仕事は人に深く関わるものですから、徽章で示されているように身近で親しまれ、信頼に足る資格であるといえます。
他の士業のバッジ
社労士以外の士業にも、バッジはあります。
たとえば最初に挙げた弁護士の徽章は「ひまわりと天秤」です。ひまわりは自由と正義を、天秤は公正と平等を表しています。
司法書士は「五三の桐」が描かれており、古代中国では神話に出てくる伝説の鳥、鳳凰の止まり木として神聖視されていることから「社会の秩序を維持し、国の繁栄をもたらす」職業であることを象徴しているのでしょう。
また、弁理士は「菊花」と「五三の桐花」が描かれており、「正義と国家繁栄」という意味を、税理士は「二重の円に桜」で「日(日本)を追ってどこまでも進行(隆昌)する」という意味が込められています。
バッジのデザインと意味を知ることで、それぞれの士業が大切にしている想いや込められた意味がわかります。
社労士のバッジはいつつける?
他の士業、弁護士や税理士・行政書士などは業務中のバッジの着用が義務付けられていますが、実は社労士に関しては社労士連合会会則では、社労士バッジに関する規定は見当たりません。
ただ業務中の着用を努めるよう各都道府県の社労士会の会則で定めている県もあり、努力義務と考えて良さそうです。
とはいえ、徽章は各士業の象徴のようなものです。バッジをつけることで仕事相手の目に留まることもあるでしょうし、見え方も変わる可能性があります。また新人であれば、バッジをつける事で姿勢が伸びることもあるでしょう。
社労士のバッジの入手方法
社労士のバッジは、試験に合格し、全国社会保険労務士会連合会に登録すれば無料でもらえるものではなく、自分で購入する必要があります。
バッジの購入方法と値段
社労士バッジは、全国社会保険労務士会連合会ではなく、自身の登録する各都道府県の社労士会から購入します。
各都道府県からの購入のため、登録している社労士会によって値段は異なります。
たとえば東京都社会保険労務士会の場合、バッジの価格は13,000円です。(※東京社会保険労務士協同組合員の方は割引が適用されて10,000円となるようです)また8,000円ほどで販売している県もあり、値段はまちまちのようです。
過去には社会保険労務士制度創設50周年で18金の徽章が販売されたこともあるようです。この時の価格はなんと50,000円でした。
また、オークションなどで売っているケースもありますが、本物かどうかの保証はありません。社労士会で購入する金額より安かったとしても、偽物のリスクを考えると、正規のルートで購入するのが無難でしょう。
破損・紛失した場合は?
破損・損失した場合は登録している都道府県の社労士会から、再購入すれば問題ありません。特に紛失による罰則規定などはないので、ご安心ください。