介護事務にはどんな仕事内容があるの?
介護報酬請求業務(レセプト)
介護事務の業務の中で最も大切な仕事のひとつが「介護報酬請求業務」(レセプト)です。介護サービスは高額ですが、利用料の全額を利用者が負担するわけではありません。基本的には利用者が全額の1~2割程度を負担し、残りは介護保険の保険者である国や都道府県、市町村が利用した介護施設などに支払います。この支払い分について、国民健康保険連合会を通して国などに請求する業務が介護報酬請求業務です。
的確に処理しなければ、その事業所には報酬が支払われません。そのため、この介護報酬は介護施設などの収入源となる大切なものなのです。利用者、提供したサービスごとに専門知識を用い、必要に応じて介護スタッフや介護者を受けた人にヒアリングすることで、正しく点数を計算し、請求書を発行する業務が求められます。
受付・窓口業務(来客応対、入所・利用手続きなど)
介護施設などで、受付や窓口業務を行うのも介護事務の仕事です。新規の利用者や業者が来たときなどには、介護事務が応対します。新規で来られる利用者の日程はあらかじめ決まっているため、その時間や人数に合わせて室温を調節し、入所・利用手続きに必要な書類やお茶などの準備も行います。
初めて施設を訪れる方の第一印象を決めるのは受付です。そのため、利用者やそのご家族が安心して快適に過ごしてもらえるよう、事前の準備だけでなくお迎えしてからの対応や心配りも大切な要素です。
事務仕事(電話対応、予算・備品管理など)
介護施設における電話応対、予算や備品管理などの事務も、もちろん介護事務の仕事です。電話は利用者のご家族や業者からかかってくる場合がほとんどです。
業者の場合は担当者に取り次げば良いのですが、利用者のご家族の場合はサービス内容についての質問などにその場で回答しなければならないこともあります。
対応できない、担当者がいる場合は別の人に取り次ぎを行います。
また、備品(封筒やテープなど一般的な事務用品、ゴム手袋やおむつなどの介護職員の必要なものなど)を管理し、必要に応じて発注も行います。
介護ヘルパーのフォロー
介護施設での事務や接客、窓口業務のほかにも介護事務はヘルパー(介護職員)などのフォローも行います。ミーティングへ参加し、利用者の体調変化をチェックしたり、デイサービスを行う施設の場合は、当日キャンセルなどのサービス利用者状況のチェック・対応も行います。また、必要に応じて代理で他の事業所や関係機関と連絡を取り合ったりもします。
これらの業務も介護報酬請求業務や電話応対、その他の事務などと並行して行うため、忙しく動くことも多くなります。
介護報酬請求業務(レセプト)の具体的な業務・流れは?
月に一度、介護保険制度に基づいて介護給付費明細書(レセプト)を作成、介護報酬を国へ請求!
実際介護報酬請求業務(レセプト)の具体的な業務内容や流れについてお話しします。
介護施設などの事業所は月に一度、前月に提供した分の介護報酬を市町村に請求します。まず、パソコンから専用のソフトを使って「介護給付費明細書(レセプト)」の入力を行います。自分で計算しなければならない箇所は少なく、ほとんどが入力とチェックとなります。
入力が終わったら市町村に電送します。
これらの作業も以前はすべて手書き、手作業で行われていましたが、レセコン(レセプトコンピュータ)の導入によって、ほぼ全ての事業所でインターネットを使ったオンライン提出が可能となりました。そのため、作業は簡易化されてきています。レセプトに関する専門知識は今も必要であり、レセコンを利用するために入力などの基本的なパソコンスキルも求められるようになっています。
この介護報酬請求業務は月に一度行う必要があるため、その時期がとても忙しくなります。とくに大きな事業所の場合はレセプトの数も膨大になり、1ヶ月に数百枚もの処理が必要です。それらすべてを間違いのないよう確実に入力し、電送までするためにその期間はとても忙しく、集中して作業に取り組むことが求められます。
この手続きを行うことで、その翌日に各事業所に介護報酬が支払われることになります。
介護事務の就職先・活躍の場は?
介護保険サービスを提供する事業所!
介護事務のいちばん大切な業務は、介護報酬請求業務です。そのため、就職先や活躍の場としては、介護保険サービスを提供する介護施設などの事業所ということになります。
介護報酬請求業務は介護報酬の支払いに直結し、事業所の収入につながります。その事業所の経営にも関わる業務なので、入力ミスや算定漏れなどがないように行わなければなりません。そのために介護報酬請求を正確に行える人材が必要とされます。
介護施設などの事業所はどこも大変忙しく、就職して即業務にあたることがほとんどです。もちろん入所してから教えてもらえることもたくさんありますが、介護報酬請求事務についての基本的な知識を持っていれば就職や転職にも有利になるでしょう。それまでケアマネージャーや相談員が介護報酬請求事務を行っていたという事業所に就職した場合でも、早急に介護報酬請求業務を引き継ぐことができれば即戦力として働くことができます。
介護事務の仕事内容での「魅力」や「やりがい」は?
利用者から感謝されることがある!
介護事務は縁の下の力持ちです。介護報酬請求業務や備品の管理、受付、電話応対など多岐にわたり複雑な仕事をこなしながら忙しく働きます。
とくに介護報酬請求事務は、介護報酬に関わる制度がたびたび改正されるため、その度に新しい知識を習得し、それを活かした正確な請求業務が必要となる大変な仕事です。
しかし、そうして常に正確な知識を身につけておくことによって、施設内スタッフなどから介護保険に関する質問をされたときに的確に答えることができます。また、自分が正しく行った請求作業で事業所にお金が入ったときには、自分の仕事が直接事業所の経営に役立っているという達成感を味わうことができます。
また、電話応対や受付対応をすることで、直接利用者やその家族、関係業者などと接触することがあります。その人たちにとって介護事務はその施設の顔であることも多いのです。親切丁寧で的確な対応によって利用者やその家族の人に感謝されることもありますし、業務が潤滑に回ることにもつながります。それが実感できたとき、お礼を言われたりしたとき、やりがいを感じる介護事務員も多くいるのです。
残業も少なく、比較的休みも取得しやすい!
いつも忙しく、いろいろな仕事を正確にすることが求められる介護事務の仕事ですが、前述したやりがい以外にも魅力があります。
「介護業界」「介護職」と聞くと、どうしても長時間労働であるだとか、就業時間・休みが不規則であるといったイメージが付きまといがちです。確かに直接介護にあたる人たちは、24時間交代勤務であるケースも多く、残業も少なくないというのが実状です。日によって日勤だったり夜勤だったりと就業時間が異なり、休みが固定されなかったりする場合も多くあります。
しかし、介護事務は規則的な日中の勤務であることがほとんどで、休みも取りやすい傾向にあります。もちろん請求報酬事務業務のある時期は残業が必要になる場合もあるかもしれませんが、それ以外の時期は早く帰宅することも可能です。そのため、子育てをしている、家庭の事情などでどうしても夜は働けないという人でも選びやすい仕事のひとつとなっています。
専門知識を活かせる!
介護事務の仕事にはいろいろなものがありますが、中でも介護報酬請求事務における計算は介護保険制度の知識と専門的なスキルが求められます。制度改正にも逐一対応していくことが必要なため、誰もが簡単にできる仕事ではないのです。
介護施設などの事業所にとって、介護報酬は経営に関わる大切な収入源です。その収入がなければ施設の運営も成り立たないため、それを正しく受け取るために必要な介護報酬請求業務はとても重要な仕事です。そのため、それを請け負う介護事務は責任をもって仕事に臨む必要があります。請求業務は月によって作業量が異なり、レセプトの多い月は大変ですが、それをきちんと終えることによって達成感を感じることができます。
こうして専門的な知識、スキルを活かして仕事ができることで、自分が施設運営に直接携わり、活躍できていると実感することにつながります。また、この高齢化社会で需要が高まり続けている介護業界において、しっかりと役に立っているという自信ややりがいにもつながるでしょう。
介護事務の仕事をするには
介護事務関連の資格取得がおすすめ!
介護事務の仕事をする上で、必須資格はありません。しかし、ご紹介した通り、介護報酬請求業務は正確に行う必要があり、知識も必要となります。そのため、資格取得した方がよりスムーズに仕事を行うことができるでしょう。
これから介護事務の仕事に就きたいとお考えの方は、是非資格取得を目指してみてください。
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