【2022年最新】過去10年分の保育士試験 受験者数推移と合格率
前期・後期合わせて、合格率は20%前後
保育士試験の合格率、受験者数の推移
試験実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 83,175 | 16,600 | 20.0% |
2020年(※) | 44,914 | 10,890 | 24.2% |
2019年 | 77,076 | 18,330 | 23.9% |
2018年 | 68,388 | 13,500 | 19.7% |
2017年 | 62,555 | 13,511 | 21.6% |
2016年 | 70,710 | 18,229 | 25.8% |
2015年 | 57,301 | 12,962 | 22.6% |
2014年 | 51,257 | 9,894 | 19.3% |
2013年 | 51,055 | 8,905 | 17.4% |
2012年 | 52,257 | 9,726 | 18.6% |
(※)2020年の前期試験については新型コロナウイルス感染症の影響で筆記試験が中止となったため、実技試験のみ実施されています。
出典 厚生労働省「保育士の現状と主な取組」「保育士試験の実施状況」
保育士試験は2014年度まで、年に1回の実施でした。
2015年からは現在の、前期と後期の年に2回の実施回数に変更になり、それに伴い受験申請者数も急増しています。
試験回数が増えるまでの10年間の平均合格率は15.6%でしたが、試験回数が増えた2015年度以降は平均して22.3%と上昇しています。
保育士試験は、筆記試験9科目それぞれで6割以上の得点が必要です。
合格した科目は次の試験に引き継がれるため、再受験の際に不合格だった科目に集中して勉強することができます。
試験回数が増えたことが、合格率を上昇させている要因の1つと考えられます。
受験料
12,950円
(内訳:受験手数料12,700円+受験申請の手引き郵送料250円)
地域限定保育士とは
地域限定保育士とは2015年に保育士人材不足の解消を目的として作られた制度で、3年間は対象地域でしか働くことができませんが、4年目以降は全国で勤務が可能になります。
また、この制度が導入される自治体は国家戦略特別区域となっており、この試験が実施される自治体は毎年変わるようなので、保育士試験の実施概要をチェックしましょう。
【最新】保育士試験の概要と試験日程
【2023年前期】保育士筆記試験・実技試験の日程
実施する自治体の意向により、後期試験を「地域限定保育士(正式名称:国家戦略特別区域限定保育士)試験」として実施する場合があります。
受験申請書受付期間
2023年1月17日(火)~2023年2月6日(月)
(受験申請書提出期限:2023年2月6日(月)当日消印有効)
※期限を過ぎてからの受験申請は、どのような理由があっても一切受け付けてもらえないのでご注意ください。
筆記試験日
2023年4月22日(土)、4月23日(日)
実技試験
2023年7月2日(日)
【2022年後期(前回)】保育士筆記試験・実技試験の日程
受験申請書受付期間
2022年7月5日(火)~2022年7月26日(火)
(受験申請書提出期限:2022年7月26日(火)当日消印有効)
筆記試験日
2022年10月22日(土)、10月25日(日)
実技試験
2022年12月11日(日)
保育士試験科目
保育士筆記試験の受験科目
次の9科目を2日間にわたって受験します。
出題形式は選択式でマークシートでの解答です。
- 保育の心理学
- 保育原理
- 社会福祉
- 子ども家庭福祉
- 保育実習理論
- 教育原理
- 子どもの保健
- 社会的養護
- 子どもの食と栄養
科目ごとの出題数・配点
出題科目 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|
保育の心理学 | 20問 | 100点 |
保育原理 | 20問 | 100点 |
社会福祉 | 20問 | 100点 |
子ども家庭福祉 | 20問 | 100点 |
保育実習理論 | 20問 | 100点 |
教育原理 | 10問 | 50点 |
子どもの保健 | 20問 | 100点 |
社会的養護 | 10問 | 50点 |
子どもの食と栄養 | 20問 | 100点 |
保育士実技試験の受験科目
次の3分野から受験者が希望する2分野を選択し受験します。
- 音楽表現に関する技術
- 造形表現に関する技術
- 言語表現に関する技術
保育士国家試験の受験資格
保育士試験を受験する前に受験資格の規定がありますので、自身にその資格があるのかどうか、きちんとチェックしておきましょう。
年齢制限は?
年齢の上限はありません。受験資格を満たしていればどなたでも受験できます。
下記のいずれかの最終学歴があれば受験資格が得られます
【大学・短期大学】
(1)大学・短期大学卒業者
(2)大学在学中または中退
4年制大学に在学し、62単位修得済み、または修得見込みがある方。
大学中退者は2年以上在学、62単位修得済みの方。
(3)短期大学在学中または中退
短期大学在学中で卒業見込みがある方。
中退の場合は、保育士試験事務センターまでお問い合わせください。
【4年制大学通信課程】
「大学通信教育設置基準」を満たす通信教育の課程は4年制大学通学課程と同様です。
【専門学校】
(1)修業年限2年以上の専門課程を卒業している方、または在学中で卒業見込みがある方
(2)1991年3月31日以前に修業年限3年以上の高等課程を卒業している方
※上記について学校教育法による大学・短期大学・専門学校であれば保育士とは関係のない学部・学科でも受験資格があります。
【中学・高等学校】
(1)1991年3月31日以前に高等学校を卒業している方
※1991年4月1日から受験資格が短期大学卒業程度に引き上げられたことによる経過措置によります。
(2)1996年3月31日以前に保育科高等学校を卒業している方
(3)高校卒業後(同等の資格を有する方含む)、児童福祉施設において2年以上勤務かつ勤務時間数が2,880時間以上を受験申請時点で満たしている方
(4)中学卒業後、児童福祉施設において5年以上勤務かつ勤務時間数が7,200時間以上を受験申請時点で満たしている方
※上記の実務経験は児童福祉法に基づき設立された認可施設のみ対象で、無認可保育園は実務経験として認められません。
施設での勤務経験で受験資格が得られます
認定子ども園、認可外保育施設、学童保育での勤務経験がある方は、一定の条件を満たせば、受験資格が得られます。
詳しくは保育士試験事務センターまでお問い合わせください。
参考 一般社団法人 全国保育士養成協議会(保育士試験事務センター)「勤務経験」
保育士試験の特例措置
筆記試験の特例措置として、6割以上得点し合格となった科目は、合格した年から3年間再受験が免除となります。
そのため、もし初回受験で合格にいたらなくても、次回の受験では合格しなかった科目に集中して勉強できるでしょう。
「2022年」の特例措置
新型コロナウイルス感染症の影響により「2020年保育士(前期)筆記試験」がすべての都道府県で中止となりました。
そのため「2022年」試験では、以下の特例措置がとられています。
通常であれば「2020年」「2021年」の合格科目が免除されますが、特例措置としてさらに前年の「平成31年」の合格科目も免除となります。
対象施設にて2018年4月から2022年3月までの間で「1年以上かつ1,440時間以上」の勤務経験が必要
対象施設にて2017年4月から2022年3月までの間で「2年以上かつ2,880時間以上」の勤務経験が必要
参考 一般社団法人 全国保育士養成協議会「筆記試験合格科目における 合格科目免除期間延長制度について」
保有資格による免除制度
保有の資格によって保育士試験の筆記試験や実技試験が免除になる制度があります。
免除対象者
幼稚園教諭免許所有者、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士資格のいずれか
保有資格 | 免除科目 |
---|---|
幼稚園教諭免許 | 保育の心理学 |
教育原理 | |
実技試験 | |
社会福祉士 介護福祉士 精神保健福祉士 |
社会的養護 |
子ども家庭福祉 | |
社会福祉 |
試験対策のポイント
筆記試験
筆記試験の合格基準は各科目6割以上の得点です。
満点を取りにいくよりは、苦手分野をつくらない対策が大切です。
また、注意点として「教育原理」と「社会的養護」はセット扱いとなっています。
両方とも6割以上の得点が必要で、片方が6割以上得点していてもどちらかが足りなければ合格となりませんので注意しましょう。
筆記試験に関しては公式サイトに過去問が掲載されていますので、受験前に取り組んでおくとよいでしょう。
実技試験
実技試験の合格率は8割から9割といわれており、筆記試験と比較して高くなっています。
しかし、実技試験の内容は3分野とも簡単なものではありません。
2分野を選択受験し、どちらも6割以上の得点で合格となります。
自身が得意なものや経験のある分野を選んで、練習を重ねることが重要です。
おすすめの勉強方法
合格に向けた勉強方法には、スクールへの通学や通信講座の受講、独学での対策などが挙げられます。
独学での対策も可能ですが、幅広い知識習得が必要なことや、筆記試験の合格率が20%前後と低いことを考えると、専門スクールで学ぶことがおすすめです。
参考 保育士試験対策の通信講座はこちら
独学で対策するなら!おすすめ参考書
福祉教科書 保育士 完全合格テキスト 上 2023年版
著者:保育士試験対策委員会
毎年人気の高い保育士試験対策委員会によるテキストです。
一目でわかる過去問の出題箇所で、重点的に学ぶべきポイントが視覚的にわかります。
単元ごとに一問一答が用意されており、着実に知識を身につけていくことができる構成も魅力。
※上下巻セットのテキストです。
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保育士試験合格後の流れ
合格したら保育士証を申請
保育士試験に見事、合格しても、まだ安心してはいけません。
もう1つ大切なことが残っています。
それは、保育士登録の申請をおこない、保育士証を入手することです。
保育士証とは、保育園など児童福祉施設で働く際に保育士資格取得者であることを証明するものです。
保育士証がなければ、保育士として働くことはできませんので、ご注意ください。
保育士証の申請の流れ
(1)「保育士登録の手引き」を取り寄せ
登録事務処理センターから取り寄せます。
(2)手数料振り込み
登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」が郵送されてきたら、同封されている専用の払込用紙で手数料を振り込みます。
※登録1人あたり 4,200円
(3)申請
保育士登録申請書(「保育士登録の手引き」に同封)および必要書類を送付します。
(4)保育士証が届きます。
都道府県より委託を受けた登録事務処理センターが申請書類の受付対応・事務処理をおこなっています。
登録先の都道府県では受付しておりませんので、必ずセンター宛てに申請書類を郵送するよう注意しましょう。
監修者からのアドバイス
保育士試験の受験勉強こそが、保育の専門を学ぶことそのものです。
試験のためだけでなく、将来の保育者となる上で必要な知識・技術を身につけるという意識を持つことが何よりも大切なことといえるでしょう。
保育士の資格取得を目指せるおすすめスクール
ヒューマンアカデミー / 通信講座(通信)
ココがポイント!「見る&聴く&書く」の3方向学習法で最短6ヶ月で保育士試験合格を目指せる
スクールホームページ:
>>ヒューマンアカデミー / 通信講座
四谷学院通信講座(通信)
ココがポイント!四谷学院だけの55段階学習と親身なサポートで初心者からでも保育士に!
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ヒューマンアカデミー(通学/全国)
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関西保育福祉専門学校(通学/関西)
ココがポイント!選べる学びのスタイル【昼間/夜間主/長期(3年)履修】
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>>関西保育福祉専門学校
監修者プロフィール
白梅学園大学 子ども学部 教授。
短大・大学など保育者養成校数校での専任講師や教授の経験を経て、現在は白梅学園大学子ども学部子ども学科・同大学院子ども学研究科教授を務める。
保育学、幼児教育学を専門とし、主に家庭における絵本の活用や保育士養成プログラムの開発に注力。
【主な経歴】
※代表的なご経歴のみ抜粋
・筑波大学大学院 人間総合科学研究科 修了
・淑徳大学 総合福祉学部 教育福祉学科 教授
・白梅学園大学 子ども学部 子ども学科 教授
【代表著書】
・『絵本から広がる遊びの世界 読みあう絵本』(風鳴舎)
・『絵本を読みあう活動のための保育者研修プログラムの開発 ―子どもの成長を促す相互作用の実現に向けて―』(ミネルヴァ書房)
ほか多数
【所属学会】
・日本保育学会
・日本乳幼児教育学会
・日本保育者養成学会
ほか多数
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