ピアノが弾けなくても保育士になれるの?
保育士試験合格、もしくは保育士の指定養成学校等を卒業すればなれる!
保育士のピアノに合わせて園児たちが元気に歌う、ドラマやアニメなどでもよく見るシーンがあります。
保育士を目指している方のなかには「ピアノが弾けないけれど大丈夫なのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
保育士として現場で働く以前に、保育士資格を得る段階でピアノの技術が必要なのかどうか、保育士資格を取得できる2つの方法と併せて紹介します。
保育士資格の取得方法
(1)厚生労働省指定の養成学校【大学・短大・専門学校等】を卒業
こちらは学校で定められた課程を修了することで保育士資格の習得が可能です。
保育士試験はありませんが、学校内でおこなわれるテスト、講義で一定の成績を残し、卒業しなければいけません。
各学校によりカリキュラムや授業方法が若干異なる場合はありますが、保育士養成校であれば、必ず設定することが必要な必修科目が定められています。
四年制大学であっても、短大・専門学校であっても、保育士養成校それぞれ独自の科目が設定されており、保育関連科目だけでなく、その他の教養科目も取る必要があるので注意してください。
ピアノの授業がおこなわれる
保育関連の科目としては、心理学や保健、美術、専門実技などもあり、ピアノの授業もおこなわれます。
「ピアノは一度も弾いたことがない」と心配している方は安心してください。
授業ですので最初から弾けなくてもよいのです。
授業で段階を踏みながら、基礎知識から学んでいくことになります。
保育士を目指している方でも、養成学校で初めてピアノの学習をしたという方は珍しくありません。
もし、ピアノを習ったことがなく自信がなく不安だという人は、今から個人レッスンに通うことから始てみるのはいかがでしょうか。
その一歩が、子どものために豊かな環境づくりをする保育者としてのスキルを身につけることにつながります。
(2)保育士試験を受験し、合格する
保育士試験を受験し、合格することで保育士資格習得を目指す方法があります。
保育士試験の受験資格は、以上の4つとなっています。
受験資格
(1)一般の大学・短大・高等専門学校等を卒業した者
(2)平成3年3月31日以前に高等学校を卒業した者
(3)高校もしくは中等教育学校等を卒業して、その後児童福祉施設で2年以上、かつ2,880時間の実務経験を有する者
(4)児童福祉施設で5年以上、かつ7,200時間の実務経験を有する者
保育士資格試験は、筆記試験と実技試験に分かれています。
なかでも、実技試験は「音楽表現に関する技術、造形表現に関する技術、言語表現に関する技術」のなかから2科目を選択しなければなりません。
実技試験の音楽表現に関する技術を選択した場合、音楽技術が求められます。
ピアノは必須ではない
しかし、この科目においてピアノは必須ではありません。
アコースティックギター、アコーディオンギター、ピアノの3つの楽器から演奏楽器を選べるようになっています。
つまり、保育士試験を受験する場合、ピアノが弾けないとしても問題はないということです。
自分で取り組んでみたいと思う楽器を選択し、試験に臨んでみましょう。
ピアノが弾けない人でも、問題なく保育士を目指すことは可能です。
>>保育士実技試験について詳しくはこちら
保育士に求められるピアノのスキルは?
子ども達がピアノに合わせ歌える「伴奏程度」で十分!
保育士を目指すにあたり、特にピアノの技術を前もって習得する必要がないことは理解できたと思います。
しかし、保育士として現場で働く以上、ピアノの演奏は必要不可欠。
園児の誕生日会や季節ごとのイベントなど、保育士がピアノを演奏する機会は多々あります。
実際の所、どの程度ピアノのスキルが必要なのでしょうか。
求められるピアノのスキル
実際に保育士として働いている方たちの意見を見てみると「伴奏ができるレベル」であれば問題ないそうです。
まず大事なのは、園児たちがピアノに合わせて歌うこと。
子どもたちが気持ちよく歌えるレベルであれば心配ありません。
大抵の場合、音楽会や園でおこなわれる式でピアノを弾くのは代表の1人だけです。
保護者の前で演奏する場合はある程度のレベルが求められますが、日々の仕事においてはそこまでピアノを重視する必要はないでしょう。
何よりも保育者の伴奏によって基本的な音程やリズムを取り、子どもと共に音楽を楽しい時間を過ごすことが重要です。
代表的な曲を練習する
保育園でよく使われる代表的な曲を紹介します。
前もってこれらの練習をしておくと、後々で助かるかもしれません。
●主に保育園でよく使われている曲
・おもちゃのチャチャチャ
・1年生になったら
・きらきら星
・大きな古時計
・さよならぼくたちのほいくえん
ピアノスキルを身につけるには?
ピアノの教本・楽譜を使った独学!
保育士資格習得を目指すうえで、ピアノのスキルは必須ではありません。
しかし、保育士として働くのであればピアノでの伴奏は、求められることでしょう。
「ピアノが弾けない、楽譜を見てもすぐには弾けない」という悩みを抱えている方は、日頃から地道に勉強しておくことをおすすめします。
ピアノの練習方法
ピアノの練習といえば、専門講座でのレッスンや家庭教師をしてもらうことを思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際はピアノの教本や楽譜を使って独学でも十分身につけることができます。
ピアノの教本を見て、まずは楽譜の正しい読み方から学び、数小節ずつ弾いてみる。
ゆっくりとしたテンポで通して弾く。
楽譜から代表曲をメインで練習して、慣れてきたら色んな曲に挑戦。
このようなステップを経て行けば、確実に技術は身についていきます。
簡単なものから練習する
教本、楽譜を選ぶときの注意点として、自分のレベルにあったものを探しましょう。
あまりに高度なものだと、ぱっと見ただけで嫌気がさしてしまう恐れがあります。
徐々にステップアップすることを意識して、まずは簡単なものから選ぶとよいでしょう。
そのうえで、自分の弾きたい曲、楽曲の用途を確認してみましょう。
独学が難しい方は?
「独学でピアノのスキルを身につけようと思ったが、難しかった」という方は、専門家の個人レッスンを受けることも一つの手段です。
保育士養成校に通っている方のなかにも、これまでにピアノを習ったことがなく自信がない方はレッスンを受けています。
そのような方たちがよく話題にするのは「ピアノを習ってみたら、意外とできる」ということです。
教えてくれる人がいることで、まずは苦手意識の克服にもつながっていくかもしれません。
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監修者プロフィール
白梅学園大学 子ども学部 教授。
短大・大学など保育者養成校数校での専任講師や教授の経験を経て、現在は白梅学園大学子ども学部子ども学科・同大学院子ども学研究科教授を務める。
保育学、幼児教育学を専門とし、主に家庭における絵本の活用や保育士養成プログラムの開発に注力。
【主な経歴】
※代表的なご経歴のみ抜粋
・筑波大学大学院 人間総合科学研究科 修了
・淑徳大学 総合福祉学部 教育福祉学科 教授
・白梅学園大学 子ども学部 子ども学科 教授
【代表著書】
・『絵本から広がる遊びの世界 読みあう絵本』(風鳴舎)
・『絵本を読みあう活動のための保育者研修プログラムの開発 ―子どもの成長を促す相互作用の実現に向けて―』(ミネルヴァ書房)
ほか多数
【所属学会】
・日本保育学会
・日本乳幼児教育学会
・日本保育者養成学会
ほか多数