ベビーシッターの平均年収について
雇用形態や地域などにより異なる!
最初にベビーシッター全体の平均給料から見ていきましょう。
・月収:約15万円~30万円
・年収:約180万円~380万円
上記は、1日8時間で週5日勤務した場合の金額です。
ただし、1日の労働時間など条件によっては大きく異なることがありますので、平均年収の絶対値を示すのは難しいといえます。
例えば雇用形態。正社員であれば初任給が約18万円から21万円程度になり、年収は300万円程度まで見込むことができるでしょう。
一方、パートやアルバイト雇用の場合は大きく年収が下がります。
給料は時給換算となり1時間900円から1,500円程度が相場です。
たとえば時給1,500円であれば、1日8時間×月22日のフルタイム勤務で働くことで月収26万4千円になりますが、特別な労働が求められるかもしれません。
早朝や深夜の託児、家事代行も含めたオプション、障がい児保育、英語教育などの専門的業務を担うことが可能であれば、時給1,500円から2,000円を超える条件もあるようです。
一般的にはベビーシッター登録会社を通して仕事を受託します。
安定的に仕事を貰えれば年収は平均値に近づく一方で、依頼がなければ仕事が無くなりますので給料にも響くでしょう。
また、ベビーシッターの給料は地域別でも差があります。
・北海道・東北:401万円
・関東:344万円
・中部・北陸:343万円
・近畿:414万円
・中国・四国:377万円
・九州・沖縄:449万円
県別で見てみると、最も平均年収が高いのは福岡県で449万円、逆に平均年収が一番低いのは兵庫県で294万円でした。
さらに、求人の募集要項で求められる条件によっても給料に差が出ていました。
・主婦:337万円
・新卒:383万円
・女性:398万円
女性のケースは例が少ないため参考にするのは難しいですが、新卒と主婦の対比は大きな差があります。
給料の面においては、全国保育サービス協会の「認定ベビーシッター」や、国家資格の「保育士資格」、「幼稚園教諭免許状」などがあることで優遇されるケースもあるようです。
なかでも「保育士」「幼稚園教諭」は採用の際にも大きな効力を発揮し、後々の給料にも一段と影響があるといいます。
しかし、これら二つは国家資格ですので簡単には取得できません。
まずは「認定ベビーシッター」の取得から始めてみると良いでしょう。
ベビーシッターの雇用形態別の給料・年収について
(1)正社員の場合
民間の幼稚園やベビールーム、公立の保育所に就職し、正社員として勤務するベビーシッターもいます。
この場合は給料の計算が月給制となる事が多いでしょう。
平均にして16万円から20万円程度が相場です。
1日8時間労働で月22日間勤務を想定していますが、場合によっては夜間・早朝勤務もあるかもしれません。
30歳保育士の平均年収が340万円程度で、幼稚園教諭の場合もおおよそ同じ程度に収まります。
正社員のベビーシッターも大体同じぐらいなので、給料だけ見ると保育士・幼稚園教諭と大差ないでしょう。
さらに、正社員には給料だけでなく各種手当と賞与がありますので、比較的年収が低いベビーシッターの中でも恵まれた環境です。
ただ、仕事量に関わらず固定給というのは良くも悪くもベビーシッターの仕事においては大変かもしれません。
ベビーシッターの仕事内容は依頼主によって大きく異なり、通常であれば内容に応じて給料も変化します。
固定給の場合は安定はするものの、負担が見合わない可能性も出てくることを覚えておいてください。
もちろん正社員のメリットもたくさんあります。
資格手当、各種保険、昇給など、正規雇用ならではの利点が大きく、最終的にはアルバイトと大きく収入が離れる可能性もあるでしょう。
ベビーシッターとしての業務だけでなく、後進育成や雑務を任せられることも多いですが、結果的に現場職から管理職へのステップアップになる可能性もあります。
(2)派遣スタッフ・アルバイト(パート)の場合
ベビーシッターとして働く場合、もっともオーソドックスな働き方が派遣スタッフやアルバイトです。
ベビーシッターを登録する専門の派遣会社に応募し、スタッフとして在籍して働きます。この場合は毎日定時の仕事があるわけではありません。
会社から紹介を受けて、派遣先の家庭で仕事をする形になります。
安定して仕事を貰えるかは各自の能力・状況次第ですが、あらかじめ希望の条件などを伝えておける利点もあります。
給与相場は約1,000円から1,400円程度です。
派遣会社、在住地域、勤務条件、仕事内容によっては給料に差が出ることもあります。
夜間の業務、子供が複数人、家事代行など保育以外のオプションがつけられていると時給が割り増しになるようです。働いた内容だけ給料に直結しますので、やりがいを感じやすいともいえるでしょう。
正社員の場合は資格手当が存在しますが、派遣スタッフの場合は保育士や看護師の資格を保有することで時給が上がるかもしれません。
また、育児経験の有無、ベビーシッターとしての業務歴によって時給に差が生まれやすいのも特徴です。
最近ではベビーシッター業界に様々な企業が参入しており、サービスも多様化しています。
外国語保育、宿泊保育、産前産後、病気対応など。
求められる能力が高ければ高いほど時給も高額になりますが、一方で採用の敷居が高いという難点もあります。
(3)個人・フリーランスの場合
ベビーシッターの中には個人事業主として開業している方もいます。
給料は依頼を受けただけ直接受け取れますが、仕事が無ければゼロになることもあるでしょう。
平均給与というものはありませんが、日本ではベビーシッターの仕事自体がそこまで多くありませんので、保育士や幼稚園教諭より低年収になる傾向があります。
しかし、人気の高いベビーシッターはフリーランスの利点を活かして高収入を得ているケースも存在するようです。
フリーランスの場合は料金を自分で設定することが可能で、あいだに仲介業者を挟まないことでマージン分上乗せた給料を得る事が可能です。
また、登録会社や託児施設のスタッフとして仕事する際はなかなか実績が給料に反映されにくいですが、フリーランスの場合は自身の名前が売れていくことで給料に反映されていきます。
ただ、現実的にはベビーシッターの仕事を安定して受けられる人は一握り。
ほとんどのベビーシッターは非常に不安定な状態で、正社員はおろか派遣スタッフよりも収入が少なくなることが多い現状です。
ベビーシッターの利用料は1時間2,000円程度が相場となっており、そこから必要経費を差し引いた分が手取りになります。
登録会社の時給と比べるとやや高額ではあるものの、受注できる仕事量は減る傾向にありますので、どちらが得かよく考えて選んでください。