調剤報酬請求事務専門士とは?
調剤報酬のエキスパートとして、認定するための資格!
調剤報酬請求事務専門士とは、年々厳しくなり複雑化する調剤報酬改定に迅速に対応し、的確な算定や説明ができる専門職のことをいいます。言わば調剤報酬のエキスパートで、薬剤師をサポートし、保険薬局を円滑に運営するために重要な役割を果たす人たちです。
この調剤報酬請求事務専門士になるためには「調剤報酬請求事務専門士検定協会」という認定団体が年に2回実施する調剤報酬請求事務専門士検定を受験し、合格することが必要となります。受験資格は設定されていないため、誰でも受験することが可能です。
尚、調剤報酬請求実務士には1級~3級まであり、最上級が1級となります。それぞれのレベルは下記のとおりです。
●調剤報酬請求事務専門士 1級
教育者・リーダーレベルに必要な「調剤報酬の基礎と応用を的確に理解し、説明することができる」程度のスキルが必要とされます。3級、2級で培った知識と技能に加え、それを他者に説明することができるだけの理解と応用力が必要となります。
●調剤報酬請求事務専門士 2級
「調剤報酬の応用を理解し、実際の業務に活かすことができる」程度の知識と技能が必要です。3級での知識・技能に加え、接遇の基礎や、保険薬局に関わる届出と手続きなどを学び、試験の内容に実技も加わります。こちらは中堅社員レベルと言えるでしょう。
●調剤報酬請求事務専門士 3級
「調剤報酬の基礎を理解している」ことが求められます。調剤報酬に関しての基本を学ぶ級で、いわば新入社員レベルです。
調剤報酬請求事務専門士の資格取得をするには?
試験に合格すれば誰でも資格取得はできる!
調剤報酬請求事務専門士の資格は、資格試験に合格しさえすれば誰でも取得することができます。
ここからは、直近の調剤報酬請求事務専門士検定についての情報です。
試験日程:(特例)
2021年2月6日(土)
試験会場:
北海道、東京、名古屋、大阪、兵庫、福岡
試験時間:
10:00~12:05
問題形式、問題数、内容:
問題の形式は、すべての級に共通して出題される下記の「全級共通項目」と、「各級ごとに異なる追加問題」で出題されます。
(各級ごとの追加問題については後述します。)
【全級共通項目】
学科:基礎30問(マークシート形式・択一式)
・薬剤の基礎知識
・医療保険制度、調剤関連法規(医療保険の種類、医薬分業の流れ)
・疾病
・薬局業務の流れ
・調剤報酬請求(点数算定の正しい知識と解釈)
・在宅業務の流れ
実技:3症例(マークシート形式)
・処方せんを基にして調剤報酬明細書の設問箇所点数を求める。
この試験は、通常の会場受験だけでなく、FAXでの通信受験も認められています。ただし、こちらはNTT回線(アナログ回線)のみの受験となっています。コンビニエンスストアのFAXや、IP電話などの場合は受験ができません。
※通信受検は2級、3級、もしくは2・3級併願のみです。1級、1・2級併願受験の場合には通信受験は受けられませんので、ご注意ください。
調剤報酬請求事務専門士試験では、各級のレベルに合わせた追加科目あり!?
1,2,3級それぞれで追加科目がある!
先ほど試験の内容に関して、「全級共通項目」についての記述をしました。
実際の試験ではその全級共通項目に加えて、各受験級で異なる追加問題が出題されます。その問題についての出題の詳細は下記のとおりです。
●1級
◎筆記追加科目:応用20問(マークシート形式)
・接遇、薬剤の基礎知識
・医療保険制度、調剤関連法規(医療保険の種類、医薬分業の流れ)
・薬局業務の流れ
・調剤報酬請求(点数算定の正しい知識と解釈)
・保険薬局に関わる届出と手続き
・在宅業務について
◎実技追加科目
・処方せんを基にして調剤報酬明細書の設問箇所点数を求める。
●2級
◎筆記追加科目▽学科:応用20問(マークシート形式)
・接遇、薬剤の基礎知識
・医療保険制度、調剤関連法規(医療保険の種類、医薬分業の流れ)
・薬局業務の流れ
・調剤報酬請求(点数算定の正しい知識と解釈)
・保険薬局に関わる届出と手続き
・在宅業務について
◎実技追加科目:追加問題なし
●3級
◎筆記追加科目:追加問題なし
◎実技追加科目:追加問題なし
3級受験では追加問題はなく全級共通項目のみとなりますが、2級では筆記のみ、1級では筆記と実技というように級が上がるごとに追加問題が増える形式になっています。取り落とすことのないよう自分の受験する級と照らし合わせて事前にしっかりチェックしておきましょう。
調剤報酬請求事務専門士の資格取得は難しい?
『調剤事務関連資格の中でも難易度は高い資格』と言われている!
調剤事務関連資格の中でも、調剤報酬請求事務専門士の資格は難易度が高いと言われています。今回は「調剤事務実務士」「医療保険調剤報酬事務士」「調剤事務管理士」と言った他の調剤事務関連の資格と比較しながら、その理由を探っていきます。
1.試験での問題数が多い
まず試験の問題についてです。どの資格も基本的には学科と実技で構成された試験です。しかし、「調剤事務実務士」は学科20問、実技3問、「調剤事務管理士」は学科10問、実技3問程度という出題数に対し、調剤報酬請求事務実務士の場合は全級共通項目だけで学科30問、実技3問が出題されます。それに加えて級ごとの追加問題という出題形式が採られているために出題数も多くなり、他に比べて結果的に調剤報酬請求事務実務士の難易度が上がるということになります。
2.試験範囲が広い
他の調剤事務関連の資格試験と比較したときに、調剤報酬請求事務実務士は試験範囲が広いと言われます。
それがまた難易度を上げていると言えます。それぞれの大まかな試験範囲は下記のとおりです。
◆調剤報酬請求事務専門士
【学科】接遇・薬剤の基礎知識、医療関連法規、医療保険制度、調剤関連法規、調剤報酬請求
【実技】処方せんを基にして調剤報酬明細書の設問箇所点数を求める。
◆調剤事務実務士
【学科】薬学の知識、医療保険制度、点数算定、接遇マナー
【実技】一般、小児、後期、在宅、特定疾患いずれかの処方せんを基にして調剤報酬明細書を作成する。
◆医療保険調剤報酬事務士
医療保険学院の調剤報酬事務教育講座カリキュラムに準じて行われる。
◆調剤事務管理士
【学科】法規、保険請求事務、薬の基礎知識
【実技】調剤報酬明細書点検問題、調剤報酬明細書作成問題
3.合格率が低い
調剤報酬請求事務実務士の資格であっても、3級の合格率は他の資格試験とあまり変わりません。しかし、1級になると合格率は20%程度とぐっと低くなります。下記の通り比較してみても、調剤報酬請求事務実務士の難易度の高さがうかがえます。
【調剤事務関連の資格別 合格率について】
◆調剤報酬請求事務専門士
1級:約20%
2級:約40%
通信2級:30%~40%
通信3級:50%~60%
◆調剤事務実務士
約60%
◆医療保険調剤報酬事務士
非公開
◆調剤事務管理士
約50%~60%。
いくつかの項目で調剤事務関連資格の試験について比較してみました。これらの理由から調剤報酬請求事務実務士の資格は難易度が高いと言われるようです。また、1年間に行われる試験の回数も、医療保険調剤報酬事務士の年12回や調剤事務管理士の年6回などに比べて、調剤報酬請求事務実務士は年2回と少なくなっています。これも難易度の高さに拍車をかけていると言えます。
調剤報酬請求事務専門士の資格取得を目指すなら
テキスト・e-ラーニング講座などで試験対策を!
調剤報酬請求事務専門士の資格取得をするには、各級の試験に合格する必要があります。そのため、試験対策は十分に行ったうえで、一発合格を目指したいものですね。テキスト・e-ラーニング講座なども上手く活用しながら、試験に向けた準備をしましょう。
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