キャリアコンサルタントの年収・給与は?
2011年に厚生労働省の委託事業として行われた「キャリア・コンサルティングに関する実態調査」の報告書によると、日本の平均年収並みの金額を得ることができます。
報告書によると、資格を持っていてもキャリアコンサルタント活動だけでは収入がない人が多くいます。これは、年齢に関係なく長く活動できる資格であるため、会社員などが在職中に取得しておこうという人が多くいるためと言えます。
キャリアコンサルタントとしての業務に特化し、能力が高く、ネットワークも持っている「プロ中のプロ」というべき実力者は、フリーランスや契約職員としても年1000万円超の収入を手にすることができる資格です。
参照 キャリア・コンサルティングに関する実態調査│厚生労働省
キャリアコンサルタントの平均年収
年200万円未満から1000万円超まで幅広い層に分かれているキャリアコンサルタントの年収ですが、大企業内で人事を担当する人を除けば、日本の平均年収以下であることが現実です。2011年の厚生労働省調査によれば、年200万円未満が14.6%、200万~300万円が15.8%、300万~400万円が18.5%で合わせて、48.9%と約半数が日本の平均年収420万円以下であることが分かっています。
2011年の厚生労働省調査によれば、キャリアコンサルティング業務以外も含む年収ですと300万~400万円の年収が最も多く(18.5%)、次いで200万~300万(15.8%)、400万~500万(15.8%)と続きます。
なお、正社員は兼任となることが多く収入は安定していますが、キャリアコンサルタントとしての収入は多くありません。そのため、この環境を活かして在職中にキャリアコンサルタント資格を取得し、定年退職後に実力次第で高収入を狙えるキャリアコンサルタント職を、契約社員や自営ではじめるというケースもあります。
また、年収700万円以上稼いでいる大企業内の人も他の業務との兼業で収入を得ている場合がほとんどですので、キャリアコンサルタント業務のみで収入を得るより、兼業して年収を上げる方が、より多くの額を稼ぐ方法と言えそうです。
キャリアコンサルタントでの年収アップ方法とは?
2016年4月に国家資格となった『キャリアコンサルタント』。しかし、キャリアコンサタントで生計を立てているのは約5割程度。
キャリアコンサルタントとは、単に仕事を紹介するだけではありません。就職相談をきっかけとして、本人の仕事への意欲や課題を導き出し、相談者の適性や経験を棚卸しし、本人も気がついていない才能を開花させることです。
また最近では、就職や転職だけでなく、セカンドキャリアなどを考える上で頼られ、やりがいのある仕事です。「人生100年時代」「1億総活躍社会」の世の中で、仕事や生活をしていく上での知識は多くの人の役に立つものです。
しかし、キャリアコンサルタントは実際どれくらい稼げる職種なのか?と思う方の為に、年収アップの方法をお伝えします。
カウンセリング単価を上げる
キャリアコンサルタントは、基本的に1対1のカウンセリングをベースに行います。そうなると、1人当たりのカウンセリング単価を上げるというのが1つの手段だと言えます。
一般的なカウンセリング相場は、1回(60分~90分)あたり5千円~1万円程度が相場です。仮に、60分5千円を1日5人限定とした場合、1日2万5千円です。しかし、毎日、入るのは難しく、1日平均3名で30日間とした際は、45万円です。ただ、土日も休まず働いた場合ですので、土日のお休みを考えると30万円。単価を5千円から1万円に引き上げることで、60万円くらいは稼げるようになります。つまりカウンセリング単価や件数などにより、給料が大きく左右されるのです。
大企業や転職エージェントと契約する
しかし、独立、フリーランスで活動する場合の給料は、実力次第で変わるという事です。
大企業と契約できる人脈を持つ人、転職エージェントと業務委託契約などを結び、キャリアコンサルタント業務をした上でインセンティブがいただける人、研修会の講師ができる人などは、よりたくさん稼げると言えますが、キャリアコンサルタントと言う肩書だけではなく、今までの経験や他の資格を取得して、幅を広げているコンサルタントも多いです。
収入をあげるポイントは、キャリアコンサルタント+α(アルファ)の価値を提供できるようになることです。
1例としては、IT系の知識に詳しくなり、紹介先に得意な業界を持つ、社会保険労務士も取るなど、コンサルティング相手に有益となる、頼られるようなスキルや経験を増やすこと。
また、キャリアコンサルタントのさらに上のランク「1級キャリアコンサルティング技能士」を目指すのも1つの方法。キャリアに関する知識を徹底するのです。
「1級キャリアコンサルティング技能士を合わせ持つ人の収入は、800万円以上が多い」という結果も出ています。
キャリアコンサルタントの就業形態
就業形態は、正規職員 38.4%、契約職員 39.6%、自営 13.8%(前出、厚生労働省の報告書より)となっています。もっとも、キャリアコンサルタントを専任で行っている割合はそのうち44.6%であり、残りの55.4%は兼任です。公的機関に所属している場合は76.5%が専任ですが、一般企業では83.0%が兼任です。
また、一般企業で専任となるのは契約社員が主流で、正規職員のほとんどは他の業務と兼任であり、キャリアコンサルタントとして活躍する場面は少なく、時間にして月5日以下が3割以上、収入にして月10万円未満が4割以上で0円も2割程度いるという状況です。
つまり、本当にキャリアコンサルタントとして活動するためには、公的機関の正規職員か自営となる必要があります。
キャリアコンサルタントの職場
主な活動場所は、ハローワーク、ジョブカフェなどの公的就職支援機関が25.9%と多く、次いで一般企業での人事・労務部門が21.3%、大学などの教育機関での就職支援が15.9%、派遣会社や人材会社は15.4%となっています。
しかし、公的機関以外では兼任が多いため、処遇とキャリアコンサルタントとしての能力が釣り合わない環境にあります。これでは、兼任により「キャリアコンサルタント」自身のキャリア形成の機会が減少し、自己研鑽の一部として指導者(スーパーバイザー)からの助言を得るためのネットワークも希薄なものになってしまいます。
しかしながら、このような環境に負けず、能力のあるキャリアコンサルタントが、若年層の定着率向上、ベテラン労働者のメンタルヘルス向上、定年後の再就職率向上に一定の成果を上げていることも事実です。
キャリアコンサルタントは国家資格なの?
「職業能力開発促進法」の2015年9月の改正により、2016年4月から「キャリアコンサルタント」は国家資格となりました。それまでは、職業名としても使われていた「キャリアコンサルタント」ですが、名称独占の国家資格となったことにより、有資格者以外はこの名称を名乗ることができません。
一方で、ほぼ同義で使われている「キャリアカウンセラー」は、職業名であり、資格とは関係なく名のることができますが、こちらにも民間資格が存在しています。そして、「キャリアコンサルタント」資格を取るには、認定機関が行う講習を修了した後、学科試験および実技試験に合格し、厚生労働省にキャリアコンサルタントとして登録する必要があります。
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キャリアコンサルタントの仕事・やりがいとは?
職務内容は、概ね求職者と求人企業を結ぶことです。
求職者に対して、職務経歴書の書き方、面接の受け方から、自身の経歴の棚卸しや価値の発見、職業生活の設計まで、幅広く支援し、職業生活の全期間にわたる職業生活設計のお手伝いをします。
また、求人企業に対しては、求職者の紹介だけにとどまらず、在職者の職業能力の開発・向上、職業経験に基づく人材の活かし方の指導なども行います。
セルフサポートや家族のサポートを目的にキャリアコンサルタントの勉強をはじめる人も多く、資格取得にこだわらなくとも、人事・労務といった仕事に役立てることもできます。
キャリアコンサルタントのやりがいとは?
キャリアコンサルタントになることは、キャリア設計や自分のキャリアに対する客観的尺度に悩む人の役にたてることと、キャリアコンサルタント自身の自己実現の両面で経済的・精神的報酬を得られるということです。
そして、相談者が短所だと思っていることを、アドバイスにより長所として自覚させることができたとき、相談者の悩みを理解しその人を輝かせることができたときの喜びは格別なものです。
そうした自分の働きにより、「人が職業人として成長する」、「救いを求める人のメンタルヘルスが向上する」など、人が喜ぶ姿を見ることと自分の収入が上がることが同じゴールとなっているため、相談者と一緒に頑張ることができるというところがキャリアコンサルタントとしてのやりがいです。
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まとめ
国家資格となったキャリアコンサルタントの認知度は高まってきているものの、職務内容が多岐にわたるため、個人の力量によるところが大きく、十分な成果を上げられない場面も多くあります。
この資格の活動機会を広げていくためには、学習機会・学習ツールの開発と活動環境の整備が必要とされ、キャリア形成というものに対する社会の意識を、「個人が頑張るもの」から「専門家を中心とする社会がサポートするもの」へと変化させていくことが求められています。
しかし、こうした未整備な環境だからこそ、やりがいを持って自己研鑽に励む「キャリアコンサルタント」であれば能力に応じた報酬が約束される資格なのです。
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監修者プロフィール
2015年(平成27年)日本キャリア開発協会CDA、キャリアコンサルタント技能士2級を取得
同年、合同会社オフィスエスステップを設立
現在は大手金融機関・通信会社の新人研修や管理職研修に携わりながら、大学生向けの合同説明会講師やカウンセリング、高校生の進路ガイダンス(進学・就職講演、面接指導など)を行う。
また専門学校にてキャリアデザイン授業、個人向けに個別カウンセリング・登壇講師養成講座も開講。
【保有資格】
国家資格キャリアコンサルタント、日本キャリア開発協会CDA、女性労働協会認定講師、HA(ヒューマンアセスメント)アセッサー、ファイナンシャルプランナー2級、栄養睡眠改善アドバイザー、ランニングアドバイザ―