お金の知識×キャリア教育＝明るい未来 専門家として多くの人に伝えたい

合田菜実子さん
Happy Career ＆FP Support Office代表
和光大学特任准教授(パーソナルファイナンス・ファイナシャルプランニング・キャリア形成論 他）
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現在の活動

お金とキャリア教育の専門家“マネキャリサポーター®”として活動中！

現在、ファイナンシャルプランナー（以下FP）とキャリアコンサルタントの資格の両方を活かし、マネキャリサポ―タ―®として活動しています。大学で教鞭をとったり、講演を行ったりする中で「お金とキャリアについて考えることの大切さ」について、知識と、自分なりの考えを伝えています。

なぜ、「お金」と「キャリア」を同時に考えることが大切なのか―。自己実現のため、自分らしく夢を叶えていくためには、お金の知識は切り離せないものだからです。そして、それを知るのが早ければ早いほど、長い期間かけて資産形成ができ、未来を明るくすることができます。だから授業でも講演でも「お金の正しい知識は、将来のキャリアを充実させていくことにつながるんだよ」と伝えています。

キャリアコンサルタントとFPを取得するまで

お金の知識を身に付けるためにFPを取得

30代前半の頃、会社を辞めて時間ができたので、「資格を取ろう」と思い立ち、FPの職業訓練校に通いました。FPを選んだのは、「お金の知識があまりになかった」という安易な理由でしたが、実際に通ってみると周りは金融業界出身の方ばかりで、自分は完全に落ちこぼれ状態。改めて無知に気づくことが多く、「これはちゃんと勉強しないとまずい！」と強く感じるようになりました。

キャリアコンサルタントに惹かれたきっかけ

FP取得後、自分と同じような主婦の方の相談に乗っていました。でもどうしても、細々とした節約術とか、お得な情報とかに内容が寄りがちで……。「生活を切り詰めるよりも働いた方がお金が増えるのに」と感じていました。今思えば、その頃からお金とキャリアを結び付けて考えていたのかもしれません。

その後、キャリアコンサルタント（以下キャリコン）を取得するきっかけとなる出来事が2つありました。1つは、ある高校からFPとして依頼されて行った講演です。その時「高校生に向けて、奨学金を働きながら返すことの重要性を伝えて欲しい」と言われたんです。もちろんFPとしてお金の知識は伝えられますが、それと「働くこと」をつなげて話すことはうまくできず歯がゆさを感じました。

2つ目は、キャリコンの友人とコラボでセミナーを開催したことです。私はそれまで一方的に知識を伝える形で講演してきましたが、彼女のセミナーは完全に双方向型で、参加者たちもとても楽しそう。「キャリコンってすごい。私もこんな風になりたい」と感じ、キャリコンの勉強をすることに決めました。

苦手意識を感じながらも一発合格したキャリコン試験

キャリコンの試験で一番印象に残っているのは、ロールプレイです。私はこれが本当に苦手で…本番もかなりオドオドしていたと思います。ただ、実際仲間うちで一発合格した人を見ると、私と同様、自分からしゃべりすぎていない人が多かったように感じます。とはいえ実際の面談でキャリコンが黙って聞いているだけでは話が進まないし、一歩踏み込んでアドバイスしなくてはならない時もあります。そのあたりは、合格後も経験を積みながら自分で考えていくしかないかもしれませんね。

大学教員になるまで

若い人に継続的に関わり、お金とキャリアの教育をしたい

キャリコンの取得後、住宅支援給付窓口の相談業務に携わりました。ここでは、生活困窮者を対象とした「給付金手続き」と「就労支援」を担当したのですが、「キャリア」と「お金」の結びつきについて、より自分の中で深めることにつながりました。

同時に、FPとして色々なところで話をする中で、単発ではなく継続的にお金とキャリアの教育をしていきたい、と思うようになりました。一度の講演だけだと「いい話を聞けたね」というところで終わってしまって、きちんと実践したかどうかまで見届けることができません。彼らが変化していくところまで見守りたい。加えて、元々持っていた「若い人にお金とキャリアについて教育したい」という思いと、大学教員だった父の影響も相まって、自然と「大学の教員になりたい」と思うようになりました。

大学教員を目指して大学院で学び直し

大学で教えるためには、修士号が必要です。そこで40代後半の時、お茶の水女子大学大学院に入学しました。これは、目の前で高校受験に向けて頑張って勉強している娘の姿があったことも大きかったです。

恥ずかしながら、私は学生時代あまりちゃんと勉強しなかったんです。でも大人になって、自分でお金を稼ぐようになって、「あの時親にお金出してもらったのにちゃんと学べなかったな。もう一度学びたいな」と、学び直しへの意欲が高まっていました。同時に成績やテストの点数に一喜一憂している娘の姿に刺激を受け、「私も頑張ろう！」と思えるようになりました。

和光大学でのお仕事

和光大学で「キャリア教育」と「パーソナル・ファイナンス」等の授業を担当

修士の頃、和光大学で非常勤講師の募集に応募し採用していただきました。キャリア教員として採用され、2年目からは3科目を担当していたのですが、FPとしてお金の教育がしたいという思いもあり、キャリア形成とは切り離せない「働いて稼ぐお金」や「ライフプランとお金」など「お金の知識」についても授業で話すようになりました。

その授業を受講した学生にアンケートをとってみたところ「お金のことを学べてよかった」という回答が多く「お金の知識を大学で教えることの重要性」をより感じるようになりました。そんな思いを大学に伝えてきたこともあり、「学生のためになるなら」と、この春から金融経済教育関連の授業を担当させていただくことになりました。学生の成長を第一に考えた手厚い指導を大切にしている大学で、柔軟な対応にとても感謝しています。

今は准教授として、「パーソナル・ファイナンス」「ファイナシャル・プランニング」「キャリア形成論」などの授業を担当しています。

今後の目標

お金の教育がキャリア形成に与える影響を研究したい

大学の教員としては駆け出しなので、まずは新しい授業を充実させて、「お金とキャリアの授業が学生の身になっている」ことを実証していきたいです。

今考えているのは、「お金の教育がその人のキャリアに与える影響」に関する研究です。具体的には、お金の知識を学ぶことが、どういう風に一人ひとりのキャリア形成に影響するのか調査したいと考えています。例えば、大学の授業では、「10年後20年後どれくらい稼いで、どうなっていたいか」といった、将来設計である「キャッシュフロー表」について学び、実際に学生に作ってもらいます。その経験が、彼らのライフプランや職業選択にどう影響するのか？そうした研究を通じてお金とキャリア教育の重要性を伝えていきたいです。

自分の将来を考える際、「理想のライフプランを実現するためにはお金が足りないので、スキルアップして収入を増やすために勉強をしよう」とか、お金の知識を得ることでチャンスは広がると思うんです。そうした影響がどれくらい大きいのか、ということを時間をかけて調査したいですね。

キャリアコンサルタントを目指す方へのメッセージ

キャリアコンサルタントは自分の生き方が変わる素晴らしい資格

キャリコンは、本当に素晴らしい資格です。たとえ最終的にとれなかったとしても、キャリコンの勉強をすることは、自分の生き方を良くすることにつながります。私は視野が広がって、色々な人の価値観を受け入れられるようになりました。「相手がどんな人でも、まずその人の価値観を受け入れる」これは、キャリコンとして最も大事なことだと思います。

今、大学で行っているグループワークでも「まずは受け入れる、相手を否定しない」ことをルールにしています。自分の意見を言ってもいいけれど、相手に対して「それは違う」と否定するのはやめようね、と。「同じ大学の仲間でも、自分と全然価値観が違う人がいることがわかってよかった」と気づきを話してくれる学生も多くて、とても嬉しいです。

また、キャリコンをとってよかったこととして、素晴らしい仲間と出会えたことも挙げられます。資格の特性なのか、キャリコンを目指している人は話しやすくて包容力がある人が多いんですよ。「この人に出会えてよかった」と感じる人が多くて、私にとって大きな財産です。皆さんも、資格取得に向けていい出会いをたくさん得て、頑張ってください。

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