幼稚園教諭の給料・年収はどのくらい?
年収350万円程度が相場!
一般的な幼稚園教諭の平均年収は、300万円から350万円だと言われています。ただしこれは平均ですので、働いている地域や勤務する幼稚園(公立か私立か)によって多少の差があります。
公立幼稚園の場合、幼稚園教諭は公務員という扱いになります。したがって、各自治体で定められている公務員給与が幼稚園教諭としても適用されます。したがって、私立幼稚園よりも比較的高額で、安定的ですし、昇給の機会、ボーナスや福利厚生など手当が充実しているといえるでしょう。
逆に私立幼稚園の場合は、幼稚園によってさまざまです。公務員とほぼ同じくらいの給与の幼稚園もありますし、それを下回る幼稚園もあります。ですので、私立幼稚園の採用試験を受ける際は、過去の給与額を確認することをお勧めします。
また、学歴によっても給料に差が生じる場合があります。短期大学卒業では「幼稚園教諭2種免許状」を、4年制大学では「幼稚園教諭1種免許状」と免許の種類が違う分、初任給が多少変わります。
幼稚園教諭として働きながら給料を上げるには?
実務経験を積んでキャリアアップを図る!
公立幼稚園の場合は、勤続年数に応じて昇給の機会が与えられます。しかし、私立の場合は公務員のように給料が上がらない幼稚園もあるようです。
そんな中でも、確実にキャリアアップをしている方もいます。そのための方策としての、
一番は、実務経験を積むことです。実務経験を重ねて役職を得ることで、給料を上げる事が出来るでしょう。例えば主任、教頭、園長先生になると、多くの園では、役職手当が加算されます。あるいは、より上位免許(一種免許状、専修免許状)を取得することで、基本給が上がる幼稚園もあります。
給与が上がるということは、責任も重くなっていきます。それは、どの職業でも同様です。
例えば、園長先生になった場合、平均月収は、40万円超で、ボーナスを合わせると年収が600万円近くになることもあります。しかし、幼稚園の園長という役職は、園の一番の責任者ですので、園の教育や経営などの全責任を負う立場ということになります。やりがいのある仕事ですが、責任の重い仕事であることは、事実です。下記に、園長に就くための条件を示しておきます。
【園長職に就くための条件】
・幼稚園教諭の1種免許状を有し、5年以上教育関係の仕事に就いていること
・10年以上の教育関係での仕事歴を持つこと
『処遇改善等加算』による給料への影響は?
決められた額は無いが、職員全員への処遇改善はあり!
近年日本では保育士・幼稚園教諭不足が大きな問題となっています。
働き手不足から生じる待機児童問題は深刻で、その数1万人以上にも及ぶとのことです。そこで、国は職員不足解消を目指し、平成25年度に幼稚園や保育所で働く人たちへの補助金支給の制度を定めました。それが、処遇改善等加算です。
これによって、幼稚園教諭の給与が、改善されることになりました。処遇改善等加算にはⅠとⅡの2種類があり、対象の分類によって分かれています。制度そのものは大変複雑で、園の体制や先生のキャリアによって様々ですので、ここでは概要だけを説明します。
処遇改善等加算Ⅰについて:
職員の勤続年数やキャリアアップへの取り組みに応じた人件費の加算です。
対象者は非常勤職員を含む全職員となっています。
処遇改善等加算Ⅱについて:
技能・経験を積んだ職員に関連した人件費の加算です。
対象者は、園長・副園長・教頭を除いた、全ての職員となっています。
加算内容は金額によって2つに分かれ、最大月額4万円と最大月額5千円です。上限は決まっていますが、各施設の状況や判断により具体的な加算金額は変わります。
【最大月額4万円の対象条件】
主幹教諭が中核リーダー、あるいは専門リーダーとして辞令を受ける事、4分野のキャリアアップ研修を受講する事などの要件を満たすと、加算される国からの補助金が月給で支払われます。
【最大月額5千円の対象条件】
職務分野別リーダー等の辞令を受ける事、1分野以上のキャリアアップ研修を受講する事、加算される補助金が月給で支払われます。
※この処遇改善等加算は毎年のように見直しされており、現時点では、支給額が確定しているものではありません。
しかし、幼稚園教諭の仕事は、保育士と同様、日本の子どもたちの幼児期の教育を担う重要な仕事であることから、国としても予算をつけて、その処遇を改善していこうとする方向にあります。「幼稚園教諭は、薄給である」というかつての状況を改善するために、国も積極的に動いている段階であるということです。
幼稚園教諭の免許状取得を目指すなら
幼稚園教諭養成課程が認可された養成機関卒業がスムーズ!
幼稚園教諭の資格取得を目指すなら、幼稚園教諭養成課程が認可されている養成機関を卒業して取得するのがスムーズです。高校卒業後、大学の教育学部や短大の幼児教育学科などに入学し、幼稚園教諭の教職課程を履修して卒業する方法です。
働きながら通信課程で幼稚園教諭の免許状取得を目指す方法もあり!
社会人の方などの場合、働きながら大学や短大・専門学校へ通うのは難しいと感じるかもしれません。そんな方へおすすめなのが、通信課程で幼稚園教諭の資格取得を目指せる学校です。通学制の大学や短大、専門学校などに比べると選択肢は多くありませんが、資格取得を目指すことは可能です。
検討されてみてはいかがでしょうか。
監修者プロフィール
宮城学院女子大学教育学部教授。
保育のカリキュラム及び環境を専門に、保育内容、園建築、食環境などをテーマとして、保育現場と共に実践研究を進めている。
【主な経歴】
大学卒業後8年間 保育者生活を送る。
その後、宮城学院女子大学教育学部教授 (2008年4月~現在)
【所属学会】
・日本教育学会
・日本保育学会
・日本カリキュラム学会
・日本子ども社会学会
【代表著書】
『食からひろがる保育の世界』(ひとなる書房 2007)
『教育課程の理論―保育のカリキュラム・デザイン―』(萌文書林 2011)
『震災と保育Ⅰ』(ななみ書房 2016)
他多数
社会人の方などの場合、働きながら大学や短大・専門学校へ通うのは難しいと感じるかもしれません。そんな方へおすすめなのが、通信課程で幼稚園教諭の資格取得を目指せる学校です。通学制の大学や短大、専門学校などに比べると選択肢は多くありませんが、資格取得を目指すことは可能です。
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