webデザイナーとして独立するには?
Webデザイナーとして独立するには、2つの方法があります。1つは、個人事業主(一般的に「フリーランス」とも呼ばれます)になる方法です。会社勤めの「給与」とは異なり、個人事業主として得た収入は「事業所得」となります。事業所得をもらっている人は税務署に開業届を提出する必要があるため、忘れないようにしましょう。
もう1つは、自ら会社を設立して経営者となる方法です。まずは個人事業主から始めて、仕事が軌道に乗ってきてから法人化(法人成り)するという方もいらっしゃいます。
個人事業主になるにせよ、会社を興すにせよ、Webデザイナーとして独立した場合には自分の力で案件を獲得する必要があります。ここが、企業に所属しているWebデザイナーとの大きな違いです。
また、働く場所も自分で確保しなければなりません。自宅を仕事場とする場合もあるでしょうし、レンタルオフィスなどを利用するのもよいでしょう。Webデザインを行う際に必要なパソコンやグラフィックソフト類、ネット環境なども自分で用意して、仕事環境を整える必要もあります。
フリーランスのWebデザイナーになるメリット
働く場所や時間が自由
フリーランスのWebデザイナーになるメリットの1つが、「働く場所」や「働く時間」が自由になるという点です。
会社員のWebデザイナーであれば、始業や終業の時間を自分勝手に変えることはできません。就業規則で定められた時間内は必ず、会社内や指定された場所で業務を行う必要があります。また、自分の都合で自由に休むことも難しいでしょう。
一方、フリーランスのWebデザイナーであれば、働く場所や時間を自由に決められます。フリーランスの仕事で大切なのは、クライアントに指定された納期までに仕事を仕上げて引き渡すことです。この大前提さえ守れるのであれば、自分の仕事をしたい時間に仕事をすることも、休みたい日に休みを取ることも自由です。自宅で働いても、カフェやレンタルオフィスで働いても、誰に咎められることもありません。
ただし、たくさんの仕事をあれもこれもと引き受けて、「納期に間に合わない!」という事態には陥らないようにしましょう。納期の遅延は、クライアントからの信用を失うことに直結します。自由に働く中でも、余裕を持ったスケジュール管理は大切ですし、「引き受けるだけのスキルや時間がない」と判断した場合には依頼を断る勇気も必要です。
仕事を選ぶことができる
フリーランスのWebデザイナーは、仕事を自由に選ぶことも可能です。
会社に所属しているWebデザイナーであれば、会社側から命じられた仕事をこなす必要があります。どの仕事を誰に振り分けるかは会社側が決めることであり、Webデザイナー自身が仕事を選ぶことはできません。もしも会社側に、「Webデザイナー以外の仕事をやってほしい」と命じられたとしても、雇われている以上は「やりたくありません」とは言えないでしょう。
しかし、フリーランスのWebデザイナーであれば自分で仕事を選ぶことができます。案件の報酬額、自分のスケジュールなどを考慮して、本当にやりたいと思った仕事を選べるのです。特に、Webデザイナーとしての能力が認められて、継続的に依頼してくれるクライアントとの繋がりなどができるようになると、「どのような仕事を受けて、どのような仕事は断るのか」、自分で選択する場面も増えてきます。
ただし、フリーランスとして独立した直後は、「単価が低い」、「仕事内容に不満がある」といった案件でも、実績作りや収入のために引き受けなければならないケースもあるということは覚えておいた方がよいでしょう。
仕事の量次第で収入を増やすことができる
フリーランスのWebデザイナーは、受注する仕事の量次第で収入を増やすこともできます。
会社から給料をもらっているWebデザイナーの場合、どれだけ多くの仕事をこなしても、難しい仕事を担当しても、昇給が期待できない場合もあるでしょう。また、会社の経営状況によっては、減給される、ボーナスがなくなる、といったリスクも考えられます。
一方、フリーランスのWebデザイナーは、保証された給料がなく収入的に不安定ともいえますが、自分の受ける仕事の量や単価次第では大きく稼ぐことも可能です。会社の経営状況に左右されずに収入アップを目指せることは、フリーランスのWebデザイナーのメリットです。
独立するために必要なスキルや経験とは
Webデザインを制作するスキル
Webデザイナーとして独立するためには、Webデザインを制作するスキルを身につける必要があります。Adobeのソフトである「Photoshop」や「Illustrator」といったグラフィックソフトや「Dreamweaver」は、「使える」ではなく「使いこなせる」レベルのスキルが求められます。
デザインの制作だけではなく、クライアントに分かりやすく提案するためには、Webサイト全体の構造を理解しておく必要もあります。可能であれば、HTMLやCSS、JavaScript、jQueryといった、Webサイトのコーディングに使う言語も習得しておくとよいでしょう。コーデイングとは、Webサイトを動かしたり表示させるために、コンピューターに分かるように命令を書く作業です。
営業力やコミュニケーションスキル
営業力やコミュニケーションスキルも、Webデザイナーとして独立するためには必要です。案件の受注、クライアントとの打ち合わせ、制作したWebデザインに対するフィードバックなど、個人で仕事をする場合にはさまざまな人とコミュニケーションを取る機会が多いものです。営業力が乏しければ案件の獲得に繋がりませんし、コミュニケーション能力が低ければクライアントとの意思疎通に問題が生じ、業務がスムーズに運ばない可能性も考えられます。報酬額を交渉したいときや、仕事を断らなければならないときにも苦労するでしょう。
一方、コミュニケーションスキルが高ければ、同じように独立した同業者から、仕事に役立つ情報が得られる可能性もありますし、新しい人脈が作れる可能性もあります。フリーランスはこうした人脈や情報が次の仕事につながることも多いものです。
事務スキル
Webデザイナーとして独立するためには、事務スキルも身につけておきましょう。
契約書の作成や請求書の発行、確定申告など、会社員時代には事務の方が行ってくれていた業務も、個人事業主になれば全て自分で行う必要があります。
最近では、簡単に契約書が作れるサービスや、会計の専門的な知識がなくても確定申告が行える会計ソフトなどもあります。事務作業に自信のない方は、こういったツールを活用してみるのもおすすめです。
さまざまな案件をおこなった実務経験
Webデザイナーとして独立するためには、さまざまな案件に携わってきた実務経験も必要です。豊富な実務経験を経て独立したWebデザイナーは、クライアントからのさまざまな要望にも臨機応変に応えることができるでしょう。また、請け負える案件の幅も広がります。
Webデザイナーとして独立する前に、制作会社などに勤務してWebデザインの実務経験を積むか、個人でWeb制作を行って実績を積んでおくのもおすすめです。実務経験をどのくらい積むかは人によっても異なりますが、平均で数年間は必要といわれています。
未経験からWebデザイナーとして独立できる?
Webデザインスキルはマストで身につける
未経験からWebデザイナーとして独立することも不可能ではありません。ただし、Webデザインのスキルを習得しておくことは必須です。
Webデザインに関する知識やグラフィックソフトなどの扱い方、コーディングに使用する言語など、Webデザイナーとして活躍するために覚えなければならないことはたくさんあります。さらにはWebマーケティングスキルやSEOの知識を身につけることも重要です。Webサイトは、見やすさや使いやすさも大切ですが、どれだけ利益を上げられるか、顧客を獲得できるかも重要視されるためです。
未経験からWebデザイナーを目指すならスクールや通信講座がおすすめ!
未経験からWebデザイナーを目指すのであれば、スクールや通信講座の利用をおすすめします。Webデザインは独学で学ぶこともできますが、覚えることが多く難易度も高いため、「なかなか習得できずに苦労した」、「習得までに時間がかかってしまった」ということも珍しくありません。自己管理が苦手な方の中には、独学では学習しきれずに、途中であきらめてしまうという方もいらっしゃることでしょう。
その点、スクールや通信講座であれば、未経験者が無理なく学べるように工夫された講座が数多く開設されています。覚えることの多いWebデザイナーの知識や技術について、初心者でも効率よく学ぶことができるでしょう。自分の制作物に対して、講師からフィードバックを受ける機会もあるため、独学よりも実際の仕事に活かせる経験を積むこともできます。
Webデザイナーとして独立したときの年収は?
Webデザイナーとして独立するときに気になることの1つが、「年収はいくらぐらい稼げるの?」ということではないでしょうか。
フリーランス協会が公表している「フリーランス白書2023」の調査結果によると、「クリエイティブ・Web・フォト系」のフリーランスでは、年収400万円未満が52.2%、400万円以上が46.9%と、およそ半々の割合という結果が得られています。
2020年に内閣官房日本経済再生総合事務局が発表した「フリーランス実態調査結果」では、「フリーランスとしての年収(本業かつ主たる生計者)」は200万円から300万円が19%で最も多いという結果になりました。Webデザイナーも含まれる「クリエイティブ・Web・フォト系」のフリーランスの年収の平均は、フリーランス全体の平均よりも高いことが分かります。
ちなみに、「フリーランス白書2023」内の「自分が意識している時間単価」の調査では、27.7%の「クリエイティブ・Web・フォト系」のフリーランスが、「2,000円から3,000円未満」と回答しています。
参考 「フリーランス白書2023(PDF)」|フリーランス協会
参考 「フリーランス実態調査結(PDF)」|内閣官房日本経済再生総合事務局
Webデザイナーとして独立して失敗しないためには
スキルを身につける
Webデザイナーのスキルを身につけることは、独立するためには必須です。独学やスクールで学んだ経験や、制作会社などでの実務経験もないままに起業しても、高い確率で失敗してしまうことでしょう。Webデザイナーとして独立する前には、スクールや通信講座でWebデザインの知識と技術を学んだり、企業に就職・転職して実務経験を積み重ね、スキルを磨いたりすることをおすすめします。
人脈を広げる
人脈を広げることは、独立したWebデザイナーの仕事獲得に繋がります。フリーランス協会の公表している「フリーランス白書2023」のデータにおいても、「直近1年間で仕事獲得に繋がったことのあるもの(複数回答)」として「人脈(知人の紹介含む)」が70.6%でトップ、「最も収入が得られる仕事の獲得経路」も「人脈」が33.6%でトップでした。
会社勤務をしていたころの繋がりを大切にすることも必要ですし、独立後もさまざまな人と積極的に交流して人脈を広げることも必要です。
参考 「フリーランス白書2023(PDF)」|フリーランス協会
案件を獲得する方法を調査する
Webデザイナーとして独立をしたら、仕事を自分で獲得しなければなりません。案件を獲得する方法を知っておくことも、独立して失敗しないためには大切です。
上で、仕事獲得に大いに役立つ方法が「人脈」であるとご紹介しましたが、人脈以外にも案件の獲得方法は複数存在します。例えば、「Crowd Works(クラウドワークス)」や「Lancers(ランサーズ)」などのスキルシェアサービス(クラウドソーシングサービス)に登録して、案件に応募したり、依頼を待ったりする方法があります。また、「Crowdtech(クラウドテック)」や「Workship(ワークシップ)」といったフリーランスエージェントに登録するのも1つの方法です。
自分のブログやSNS上などで、「Webデザイナーとして仕事を募集している」旨を宣伝して、個人や企業からの依頼を待つという方法もあるでしょう。
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まとめ
このページでは、Webデザイナーとして独立するメリットや必要なスキル、年収などについて解説してきました。Webデザイナーとして起業するという目標を抱いている方は、いざ独立してから「失敗した。こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。