30代、未経験でもWebデザイナーになれる
30代、未経験からでも、Webデザイナーになることはできます。しかし、10代、20代の頃からWebデザイナーを目指してきた方やWeb業界の経験者に比べると、スタートが遅いことは確かです。30代で未経験の方がWebデザイナーとして活躍するためには、相当の努力が求められるでしょう。
Webデザイナーとして働くために必要な知識やスキルを身につけることはもちろんですが、年齢に応じた職場環境について知っておくことも大切です。
Webデザイナーになるための3つの必須スキル
IllustratorやPhotoshopの操作スキル
Webデザイナーとして働くためには、Adobe(アドビ)社の提供するIllustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)というデザイン用ソフトウェアの操作スキルを習得する必要があります。
Illustratorとはイラストやグラフィックが作成できるソフトであり、オリジナルのロゴやアイコンのデザインができます。一方、Photoshopは、写真や画像の加工や合成、装飾などが可能なソフトです。
webデザインの制作スキル
WebサイトやWeb上の広告ページなどをデザインすることがWebデザイナーの仕事です。しかし、ただ単に見た目がキレイなサイトをデザインすればよい、というわけではありません。
Webデザイナーには、「そのサイトやページを何のために作るのか」から始まり、「どの層に訴えたいのか(ターゲット)」、「そのサイトを見た人に、どのように行動してほしいのか」といったことまで細かく把握して、制作の目的を達成できるようにデザインするスキルが求められています。
「どのような制作目的を持っているのか?」をクライアントなどから的確にヒアリングできるように、また、自分のデザインした意図を分かりやすく伝えられるように、コミュニケーション能力も磨いておくと尚よいでしょう。
htmlやcssを使用したコーディングスキル
コーディングとは
コーディングとは、「この文字や画像をこう表示させたい」、「こう動いてほしい」といったコンピューターへ向けた命令を、コンピューターに理解できる言語で書いていく作業のことです。コーディングを行うことにより、Webデザイナーのデザインしたページがブラウザ上で実際に表示されるようになります。
Webデザイナーの中には、デザインのみを担当して、コーディングまでは行わない人も多く存在します。しかし、コーディングスキルを習得しておくとデザインの幅が広がり、「コーディングもできるWebデザイナー」として新たな仕事に繋がる可能性もあるでしょう。
関連記事 コーディングとは?【初心者向け】Webデザイナーが身につけるメリットやhtml、cssについて解説!
HTML
HTMLは、Webサイト上に文字を表示させるために用いられる「マークアップ言語」の一種です。正式には、「Hyper Text Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)」と呼ばれます。
コーディングに使われる言語には、マークアップ言語の他にプログラミング言語もありますが、マークアップ言語であるHTMLは、主にプログラマーが使用するプログラミング言語に比べて、初心者でも習得が容易という特徴があります。
CSS
CSSも、HTMLと同様に、コーディングの際によく用いられる言語です。正式名称が「Cascading Style Sheets(カスケーディングスタイルシート)」ということから、「スタイルシート」とも呼ばれます。
CSSは、文字の大きさやレイアウトなど、サイトの装飾を指示できる言語です。
Webデザイナーとしてのスキルを身につける方法
スクールや通信講座で学習する
30代未経験からWebデザイナーを目指すのであれば、Webデザインスクールや通信講座で学ばれることをおすすめします。
スクールや通信講座では、未経験からWebデザイナーになりたい方へ向けた講座が充実しており、スキルや知識を効率良く習得できるカリキュラムが用意されています。学習の中での疑問点もすぐに質問して解消できるため、勉強にも集中できるでしょう。
また、多くのWebデザインスクールでは、生徒を対象とした就職のサポートも行われています。中には、所定の講座を修了した後に就職先を紹介してくれるといったケースも。就職サポートの充実度をチェックしてスクールを選ぶこともひとつの方法です。
独学で学習する
Webデザイナーになるために、自分で参考書を買って独学で学ぶという選択肢もあります。しかし、10代、20代に比べると社会人の比率が高い30代。仕事で多忙な方も多く、「勉強に多くの時間がさけない」、「勉強のモチベーションが保てない」、という方も多いのではないでしょうか。特に未経験であれば尚のこと、「自分に合った参考書が分からない」などといった問題が出てくることも。その結果、独学では必要以上に勉強に時間がかかってしまい、Webデザイナーになること自体を諦めてしまうことにも繋がりかねません。
30代未経験でWebデザイナーを目指すのであれば、独学よりもやはりスクールや通信講座がおすすめです。
未経験からフリーランスでWebデザインの仕事をするためのステップ
習得スキルをポートフォリオにする
30代未経験からWebデザイナーとして働くためには、まずポートフォリオの準備が必要です。ポートフォリオとは、「私はこれまでこのようなサイトを制作してきました」、「私はWebデザイナーとしてこのようなスキルを持っています」ということを示した作品集のようなものです。
Webデザイナーを募集しているほとんどの企業では、履歴書、職務経歴書などと共にポートフォリオの提出が求められます。
ポートフォリオはWebデザイナーとしての自分の力量をアピールするための大切なツール。特に未経験者であれば、どのようなスキルを持ち、どのようなサイトを作れるのかが分かるポートフォリオは非常に重要です。相手に伝わりやすいものを作成して、就職活動に備えましょう。
求人に応募する
ポートフォリオができたら、次は求人への応募です。「Webデザイナー 求人」などでWeb検索をかけると、さまざまな求人サイトがヒットするでしょう。もちろん、応募条件に「Webデザイナーとしての実務経験」が必須な仕事もありますが、中には「未経験可」や「未経験枠」といった募集も行われています。
ただし、30代未経験でWebデザイナーの求人に応募する際には、初めから正社員を目指すことは少し難しい可能性もあります。未経験者では、企業が求める「即戦力」になれないためです。「なかなか正社員の仕事が決まらない」と感じたときには、まずは契約社員やアルバイトで入社してWebデザイナーとしての経験を積み、正社員を目指すという道も検討されてみてはいかがでしょうか。
案件を獲得する
30代未経験からWebデザイナーとして活躍する道は、正社員や契約社員だけではありません。フリーランスや副業として、Webデザイナーの仕事を請け負うという方法もあります。その際に多く利用されているサイトが、「Crowd Works(クラウドワークス)」や「Lancers(ランサーズ)」といったスキルシェアサービス(クラウドソーシングサービス)です。
スキルシェアサービスのサイトでは、自分のプロフィールなどを公開して、企業や個人から案件を募集する、または募集されている案件に応募することができます。
フリーランスや副業のWebデザイナーは、企業に所属して働くデザイナーに比べて、働く時間や場所が自由になりやすいというメリットがあります。本職を持っている30代の方でも始めやすい仕事といえるでしょう。
30代未経験でWebデザイナーを目指すときの注意点
いきなり高収入を得られるわけではない
Webデザイナーの仕事に就いたとしても、最初からいきなり高収入を得られるわけではないことは知っておいた方がよいでしょう。
Webデザイナーとして駆け出しのうちは、広告バナーの制作や単ページのWebデザインなど、難易度の低い仕事を担当することが多くなります。Webデザインの報酬は制作の難易度や作業量によって変動するため、初めのうちは収入が低くなりがちなのです。
上司や先輩が年下の場合がある
Web業界の歴史は浅く、まだ20年程度です。当然、Web業界で働いている人も年齢が若い傾向があります。30代の方の場合、「就職先の上司や先輩が自分よりも年下だった」ということも珍しくありません。この場合、自分よりも若い人から業務上の指示や指導を受けることになるでしょう。その際に、「自分の方が年上なのに……」などといったモヤモヤとした気持ちを抱えず、柔軟性をもって受け止められる心の余裕を持っておくようにしましょう。
30代前半と30代後半でも就労環境に違いが出る
同じ30代でも、「30代前半」と「30代後半」とでは、就労環境に違いが生じます。
30代前半(30~35歳)の就労環境
30代前半(30~35歳)であれば、まだWeb制作会社への就職は難しくはないでしょう。ただし、勤務先によっては業務量が多く、激務の可能性も考えられます。気力や体力の管理はもちろんのこと、仕事へのやる気をどのように持続させるかがポイントになるでしょう。
また、仕事上の上司(チームリーダーなど)や先輩が、自分よりも年下の可能性があるため、素直さや謙虚さを大切にしながら付き合う必要があります。
30代後半(36~39歳)の就労環境
30代後半(36~39歳)になると、30代前半と比べてWeb制作会社への就職は厳しくなってきます。
就職できたとしても、「部長が同年代の人だった」などといったケースも多く、そのような環境の中で20代の仲間たちと働くことがプレッシャーに感じてしまう方もいるでしょう。
また、同じ未経験で入社した中でも、20代の人と比較されて雇い止めになってしまう可能性も否定はできません。
30代、しかも未経験からWebデザイナーとして働き続けるために重要なポイントは、「なぜ自分はWebデザイナーとして働きたいのか」という目的をはっきりと思い描いておくことです。「Webデザイナーとして働きたい」という夢を抱いて入社したとしても、未経験者として若い年代の中で仕事をするうちに気持ちがくじけてしまうことも十分に考えられます。そのときに「それでもWebデザイナーとして働き続けたい」というモチベーションを保つためには、目的意識を明確に持っておくことが大切なのです。
30代Webデザイナーの平均年収
転職サイトの「転職会議」の公表しているデータによると、30代のWebデザイナーの平均年収は366万円とのことです。一方、国税庁が発表した令和3年の「民間給与実態統計調査」の結果では、30~34歳の平均年収が413万円、35~39歳の平均年収が449万円となっています。30代Webデザイナーの平均年収は、同年代の平均年収よりは下回っていることが分かります。
ただし、「転職会議」によれば、30代のWebデザイナーの最高年収は800万円、最低年収は190万円と大きな開きがあります。技術職であるWebデザイナーは、各自の経験やスキルによって収入が大きく異なるという特徴があるのです。Webデザイナーとしてのスキルを磨き、実績を積み重ねることで、自分の理想とする年収に近付くことも可能となるでしょう。
未経験から取得できる資格
ここからは、30代、未経験からでも挑戦できるWebデザインに関する資格試験についてご紹介します。試験に合格することで履歴書などに資格名を書くことができるようになり、Web業界への就・転職に有利になる可能性がある他、自信にも繋がることでしょう。
ウェブデザイン技能検定
「ウェブデザイン技能検定」は、Web業界の中でただひとつの国家検定です。その名の通り、Webデザインに関する技能や知識が試される試験です。ウェブデザイン技能検定に合格すると、国家資格である「ウェブデザイン技能士」を名乗ることができるようになります。
検定の等級は3級・2級・1級の3段階。2級や1級を受験するには決められた資格(Webデザインに関する学習歴や実務経験など)が必要ですが、3級は誰でも受験することが可能です。もちろん30代で未経験の方でも受験できますので、チャレンジしてみるのもよいのではないでしょうか。
関連記事 ウェブデザイン技能検定とは?未経験でも受験できる国家資格!難易度や合格率を解説
Photoshop®クリエイター能力認定試験
「Photoshop®クリエイター能力認定試験」は、AdobeのソフトであるPhotoshopを使ってコンテンツを制作するスキルと、画像編集技術に関する知識が試される試験です。「ソフトウェア活用能力認定委員会」が主催しています。
級種は「スタンダード」と「エキスパート」の2種類。試験に合格すると、「認定証」と「デジタル認定証明書」、履歴書やSNS、メール書名などに活用できる「オープンバッジ」、名刺などに貼れる「ハイライセンスシール」が交付されます。こちらの試験も、年齢や学歴などは問わず誰でも受験できます。
Illustrator®クリエイター能力認定試験
「Illustrator®クリエイター能力認定試験」では、AdobeのソフトであるIllustratorを扱ってコンテンツを制作する技能と、ドキュメントデザイン技術に関する知識が試されます。
前述のPhotoshop®クリエイター能力認定試験と同じく、級種は「スタンダード」と「エキスパート」に分かれており、合格すると「認定証」、「デジタル認定証明書」、「オープンバッジ」、「ハイライセンスシール」が交付されます。特別な受験資格は必要ありません。
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は、Webデザインの能力とコーディングのスキルを認定する試験です。「サーティファイ Web利用・技術認定委員会」が主催しています。
級種は「スタンダード」と「エキスパート」。スタンダードの試験は実技のみですが、エキスパートは実技試験に加えて知識を問う試験も受ける必要があります。合格者には認定証が発行されます。受験資格は必要なく、平均合格率も90.5%(2021年度)と高い試験です。
Webデザイナー検定
「Webデザイナー検定」は、文字や動画、レイアウトなどの表現の基礎から、Webサイトの制作準備、実際の制作・運用、知的財産権についてなど、幅広い知識が問われる試験。主催は、「公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)」です。
Webデザイナー検定の級種は「ベーシック」と「エキスパート」の2種類。検定に合格すると、合格証が交付されます。どちらの級種にも受験資格はなく、ベーシックを飛ばしていきなりエキスパートから受験することも可能です。
関連記事 Webデザイナー検定とは?
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まとめ
30代、未経験の方がWebデザイナーになる方法や習得すべきスキル、30代Webデザイナーの平均年収などについて解説しました。
30代の未経験からWebデザイナーを目指す場合には、職場で自分よりも若い上司に指導された際にも素直に対応できる人間力を身につけておきたいものです。もちろん、年齢によるハンデをカバーできるだけのデザインの技能や知識の習得も必須です。
Webデザイナーとして活躍できるようになるためのスキルや知識は、Webデザインスクールや通信講座で効率よく学ぶことができます。30代、未経験からWebデザイナーを目指している方は、受講を検討されてみてはいかがでしょうか。