『介護職員初任者研修』とは、『在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得する研修』(厚生労働省より)のこと。ホームヘルパー2級研修の廃止に伴い、後継資格として2013年4月からスタートした新しい介護の資格です。介護・福祉の仕事に従事していない方や資格未取得の方がまず最初に受講するのがこの『介護職員初任者研修』になります。
一度取得すれば全国の事業所で通用する資格です。取得していれば、介護の知識を有していることを客観的に証明できますので、就職の際にも役立てられるでしょう。また、介護サービス利用者数はここ10年で170%増加しており、今後もこの傾向が続くものと見られることから、介護の知識・技術を有する人の活躍がますます期待されています。
受験資格は特にありません。どなたでも取得可能です。
制度改正に伴い、介護の仕事のキャリアパスが一新されました。「介護福祉士」の取得を一つの到着点として見ると、「初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」はその入り口となる資格です。介護福祉士までのルートはいくつかありますが、その中でも初任者研修の受講からスタートする『実務経験者ルート』は、初心者から始められるということもあり、今後人気が高まることが予想されます。
ホームヘルパー2級の学習内容が一部変更され、30時間を要していた介護施設での「実習」が廃止されました。それに代わって、演習(スクーリング)の時間が拡大しました。その他、近年の認知症患者の増加を受けて、新カリキュラムには『認知症の理解』が新たに追加される、などの変更点があります。
初任者研修では、すべての科目修了後に筆記試験を受けることが必須となりました。試験の導入で難易度が上がることが懸念されていましたが、理解度を確認・評価するための内容ですので、比較的易しい試験であることが予想されています。また、不合格だった場合でも、再受験の制度があるので安心です。
ヘルパーと比べると、スクーリング時間数が拡大したことなどから費用が少し高めに設定されている傾向がありますが、キャンペーン価格として6万円台で受講できる学校や、教育訓練給付金を受けられる講座も増えています。
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣指定の講座を修了後、ハローワークに支給の申請をすることで本人が支払った受講費用の20%(上限10万円)を雇用保険から受給することができる制度です。初任者研修を開講している学校の場合、対応しているところが多数ありますので、ぜひ活用しましょう。
雇用保険の一般被保険者又は一般被保険者であった方
※支給要件期間が3年以上(初回は1年以上)ある等の条件を満たしていることが必要です。
※教育訓練の受講修了後に、ハローワークへ支給申請が必要です。