中小企業診断士と行政書士の仕事内容の違い
中小企業診断士=中小企業の経営コンサルタント/行政書士=官公署へ提出する書類作成・申請代行
まず中小企業診断士の仕事内容から見ていきましょう。
中小企業診断士の業務は中小企業支援法によると「経営の診断および経営に関する助言」と定められています。
具体的には、様々な中小企業の経営状況の分析、問題箇所の抜き出し、改善策の提案などコンサルティング業務がメインです。
中小企業診断士の中には、会社に勤務する形で業務をおこなう方が多い一方で、独立して仕事を受注するケースも少なくありません。
どちらにしても自社、もしくは顧客先の経営に関する診断、指導が仕事の中心になるでしょう。
対する行政書士の仕事は、行政手続きを専門とする法律家としての側面が強いことが特徴です。一部では「街の法律家」と呼ばれ、日常生活や事業立ち上げなどに深く関わる分野をメインとしています。
具体的な業務は以下の3つが中心です。
1.書類作成業務
官公署への提出書類や事実証明に関する書類作成。
会社設立や遺言書、帰化申請などの書類、財務諸表、会計帳簿など多岐に渡る分野を手掛けています。
2.許認可申請の代理
会社や飲食店の設立手続きの代理申請。
書類作成のみならず、官公署へ提出する手続きも行っています。
3.相談業務
相続や様々な相談を請け負い、助言を行っています。
行政書士は独占業務資格ですので、行政手続きは行政書士資格がないとできません。
しかし、行政書士は独占業務だけに留まらず、中小企業診断士と同様にコンサルティング業務を行ったり、予防法務を担当することも多々あります。
中小企業診断士と行政書士の試験内容の違い
中小企業診断士試験=経営・法務に関する試験/試験全体の合格率は4%程度 行政書士=民法、行政法など法令に関する試験/合格率は10~15%
まず中小企業診断士と行政書士、それぞれの試験で出題される科目を見てみましょう。
▼中小企業診断士
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策
▼行政書士
・民法
・商法
・憲法
・行政法
・基礎法学
試験科目数自体はさほど違いはないものの、出題範囲の広さでは中小企業診断士の方が上です。実際に平成29年度の合格率を比較してみると、行政書士が15.7%であるのに対し、中小企業診断士はわずか4.2%程でした。
実は、中小企業診断士資格には一次試験、二次試験、口述試験が設けられており、ストレートで一発合格するのは容易ではありません。
試験の数が多いことから単純に難易度を計ることはできませんが、出題範囲の例をとってみても中小企業診断士が難関資格であることは間違いないでしょう。
中小企業診断士の一次試験だけを見てみると、2017年は21.7%の合格率、2016年は17.7%の合格率が出ていますので、準備さえしておけば誰でも合格を狙える数字です。
1年間で一発合格を狙うのではなく、段階を踏んで無理なく受験をする方法もあります。
まずは、筆記のみ一発勝負の行政書士から狙うことも良いかもしれません。
まとめ
当ページでは、中小企業診断士と行政書士の資格の違いについて紹介してきました。
中小企業診断士は、中小企業のコンサルティングを行うことを行政書士は官公庁へ提出する書類を作成するというように対象となる対象が異なることや、中小企業診断士と行政書士の試験内容や合格率の違いについても解説をいたしました。
また、いずれの資格も合格率が低く難易度が高い試験であることもわかりました。
行政書士の資格を既にお持ちの方や今後行政書士の資格取得を目指されている方で、中小企業診断士の資格取得についてもご検討されておりましたら、ぜひ当ページの内容を参考にしていただけますと幸いです。
▼行政書士の資格の詳細については、下記リンクよりご確認いただけます。