独学で中小企業診断士を目指すことはできるの?
中小企業診断士は独学でも目指せるが、多くの勉強時間と効率のよい勉強法が必要!
まず、独学で中小企業診断士を目指すことができるのかどうかについて、結論から言えば、独学でも合格を目指すことは可能です。
しかし、そのためには十分な勉強時間を確保することと、きちんとしたスケジュールを立て効率的な勉強法で学ぶこと、それに合ったテキストの選択をすることが必要となります。
中小企業診断士の試験は、1次試験の科目数が7つと多く、暗記すれば点数が取れるものと、理解しなければ点数が取れないものがあります。
「全科目合計で6割以上、かつ、4割未満の点数の科目がないこと」が合格の条件とされるため、得意科目で苦手科目の得点を補うことはできますが、1科目でも4割を下回ると不合格となるため、全科目において最低基準を割り込まないためのしっかりとした学習が必要です。
さらに2次試験では「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例」が出題され、解答文字数が指定された記述式での回答となる上、1次試験で学んだ知識をしっかりと活用できないと答えられないように問題が作られています。
それに合格すると、筆記試験科目問題からランダムで出題される口述式の試験に進むことができます。
こうした試験形態からも分かるように、中小企業診断士はテキストを暗記するだけで合格できる試験ではありません。
そして、1次試験で学んだことが2次試験にも繋がるため、先を見据えながら勉強することが必要な試験です。
そのため、独学で合格を目指すためには、十分な勉強時間を確保した上でスケジュールを立て、適切な教材を選び、効果的な勉強法で学ぶ必要があるのです。
独学で中小企業診断士を目指す場合の勉強時間の目安はどのくらい?
中小企業診断士を独学で目指すには、1,000~1,500時間の勉強時間が必要といわれている!
では、独学で中小企業診断士を目指す場合の勉強時間はどのくらい必要なのでしょうか。
独学での合格者の体験を参考にすると、平均1,000~1,500時間ほどの勉強時間が必要になるようです。
中小企業診断士の難易度は、同程度の勉強時間が必要とされる社会保険労務士や行政書士とよく比較されますが、社会保険労務士や行政書士が暗記量を求められる試験であることに対し、中小企業診断士は知識だけでなく、ビジネスのスキルと思考力までも求められる試験となっています。
1次試験での受験科目は、「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」、「経済学・経済政策」、「経営情報システム」、「経営法務」、「中小企業経営・中小企業政策」の7科目で、経営学全般の知識が求められます。
さらに2次試験では、それを知識として知っているだけでなく、実務として使えるところまで昇華する必要があります。
1次試験を全科目合格した後、2次試験を受験することができる有効期間は合格年度を含み2年間です。
しかし、ストレートで合格を狙おうと思うのなら、最初から2次試験の勉強も最初からスケジュールに入れておく必要があります。
なぜなら、1次試験合格発表からわずか7週間後に2次試験が行われるため、合格発表を待ってからではとても間に合わないからです。
通学講座や通信講座で学ぶ場合とは異なり、独学ではテキストを選ぶことも、学習スケジュールを立てることも、それを確実に実行することもすべて一人でやらなければなりません。
しかし、独学であれば学習する上で場所を選ばず学べたり、すき間時間を利用できたりと、さまざまな自由が利くという利点があります。
たとえ思い通りに勉強できない日があったとしても、それを補える予備日をあらかじめ設定し、途中で挫折しないような学習スケジュールを組んで、最後まで学習をやり抜くモチベーションを維持しましょう。
中小企業診断士を独学で目指す人必見!効率的な勉強法とは?
過去問の対策とテキストで知識をつけていく!
ここまでお話ししたように、独学で中小企業診断士を目指すには、最初から2次試験までを見据えて、7科目を効率よく身につけるための学習スケジュールを立てることが必要です。
そして、その学習スケジュールを立てるためには、ある程度の勉強法を先に考えておく必要もあります。
では、効率的な勉強法とはどのようなものでしょうか。
先ほども少し触れましたが、中小企業診断士の試験はテキストを丸暗記するだけでは合格は不可能です。
もちろん、最初は基本的な知識を身につけるためにテキストを読むことから始めます。
テキストも色々な種類のものが多数販売されています。
特に、初めて中小企業診断士の勉強をする方、試験に役立つ職歴などのない初学者の方は、易しい内容のテキストから始め、理解が深まるにしたがって難しいテキストへと難易度を上げていくと最初からつまずかずに済みます。
それを複数回読み込むことで基礎的な知識を身につけましょう。
さらに、ある程度の知識がついたら積極的に過去問にも手をつけましょう。
実際に過去に出題された問題に触れることで、出題傾向やどのような考え方をすべきなのかが分かるようになりますし、自分の弱点が明確になります。
7科目もの試験ですので、どうしても得意な科目・苦手な科目は出てきます。
それをできないままにしないためにも過去問をしっかりと解き、知識だけでなく考え方も身につけて、使えるところまで実力の底上げをしましょう。
また、過去問を繰り返し解くことで、実際の試験での時間配分感覚が分かるようになり、実試験で時間が足りない、実際にはまだ時間があるのに気持ちばかりが焦るという状況を回避することができます。
これが緊張をやわらげることにもつながりますので、テキストと過去問を中心にしっかりと身につく学習をすることが必要です。