児童英語教師になる方法とは
未資格者でも児童英語教師になれる!?
児童英語教師になるための必須資格は特にありません。前提として、子供と英語が好きであることが大切です。一方で、求められる知識とスキルももちろんあります。それは、子供に英語を教えるということです。単に子供に英語を教えれば良いということではなく、わかりやすさや飽きさせずに楽しみながら英語をしっかりと教える「テクニック」と「コミュニケーション能力」がポイントです。さらに、表面上の読み書きだけでなく、英語圏の国の歴史や文化、風習、政治、環境などの現状も知った上で、言葉だけではない指導を行うことも必要でしょう。 そのため、指導者としての英語力をしっかりと身につけておくのはもちろん、常に世界各国についての情報をキャッチするグローバルな視野を持つこと、子どもたちのために一生懸命になれる人という点もとても重要です。
児童英語教師としての活躍場所
児童英語教師として働くには、まず民間の英語スクールで働くという方法があります。この方法だと、収入が安定しており、悩んだ時に仲間や上司に相談できるという利点があるでしょう。雇用形態はパートもフルタイムもあります。 次に、英会話教室を開くという方法があります。英会話教室にはフランチャイズのものと独自で開くものがあります。フランチャイズは、教材やカリキュラムがあらかじめ用意されており、その内容は研修で学ぶことができます。より自由度の高いカリキュラムを求めるなら、独自の教室を開くという方法もあります。また、小学校で小学校英語指導者として活動する道もあります。求人情報をチェックして応募資格をクリアしているか、探してみてはいかがでしょうか。
児童英語教師の採用事情
児童英語教師になる上で特に必須資格はありませんが、求人募集先によって「TOEIC750点以上」や「英検2級以上」、「海外留学経験者」などの応募資格が設けられています。そのため、英語に関する検定や資格、経験などはあった方が有利であることは確かです。雇用形態はパート・アルバイト、もしくは契約の求人募集が多いので、安定した収入を得ることはなかなか難しいかもしれません。
児童英語教師資格の種類
児童英語教師として活躍する上で、役立つ資格・検定について紹介します。資格取得を目指したい方やキャリアアップをお考えの方は参考にしてみてください。
●英語検定
日本英語検定が主催する小学生から社会人まで幅広く受験可能な検定試験です。英語力を示す指標としてもメジャーで、海外留学時の語学力証明資格としても認定されています。
※1級~5級まであり。(1・2級にはそれぞれ、準1・2級もあり)
●TOEICテスト
英語でのコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストです。合否ではなく10点から990点までのスコアによる評価が特徴。ビジネスシーンでの自己PRとしても有効な評価基準になっています。
●児童英語インストラクター資格
小学校英語教師、児童英語教師としてのスキルを持っていることを証明できる資格です。児童英語教師として活躍したい方は取得しておきたい資格の一つではないでしょうか。
(日本能力開発推進協会 主催)
●小学校英語指導者資格
小学校英語指導者認定協議会(略称:J-SHINE)が認定を行う資格の一つです。J-SHINE の認定団体が主催する「指導者養成講座」を修了し、推薦を受ける必要があります。
※小学校の教員免許や、保育士の資格を取得しておけば、小学校や保育所で英語を教えることができます。地域によっては、小学校で教える場合に教員免許がなくても英語を教えられる制度もあるようです。
働きながら資格取得できる?
働きながら資格取得できる?
「小学校英語指導者資格」をとるには、J-SHINEが認定する団体で指導者養成講座を受ける必要がありますが、通信講座を選べば働きながら勉強が可能です。社会人として別の仕事をしながらの他、家事や育児をしながら勉強している人もいます。講座を開いている団体は数多くあり、J-SHINEの公式ホームページで確認することができます。通信講座だと6ヶ月ほどの受講期間が必要ですが、通学コースだと2ヶ月の受講で資格がとれるものもあります。まとまった時間がとれる人は通学コースを考えてもよいでしょう。
また、「児童英語インストラクター資格」という資格もあり、こちらはキャリアカレッジジャパンの通信講座「児童英語インストラクター資格取得講座」を受けた後に、在宅で試験を受けて合格すると取得できます。働きながら挑戦できる資格だと言えるでしょう。これらの資格の他、TOEICや実用英語技能検定(英検)を受けることは英語の実力の証明にもつながります。求人にもTOEICのスコアや英検の級を目安にしているものが数多くありますので、調べてみるのがおすすめです。こちらも社会人として働きながら、また家事や育児をしながら挑戦している人が多い試験です。
おすすめの勉強方法
「小学校英語指導者資格」の認定講座を受けるルートだと、複数回行われる確認テストなどで、ある一定の点数以上をとる必要がある講座もあります。毎回の授業をきちんと受けていくことによって、確認テストなどで点数がとれるようになるだけでなく、子供に英語を教える技能が身につくでしょう。通学講座の場合は毎回授業に出席することが重要になるので、通いやすい場所にあるかどうかは資格取得にとって大事なことです。通信講座の場合、自宅にいながら勉強ができますが、自分で勉強時間を捻出しなくてはなりません。通勤前の朝の時間を使うのか、それとも昼休みを使うのか、また帰宅後の夜の時間を使うのかはその人によって違うでしょう。大事なことは、30分でも時間がとれれば勉強時間にあてることです。30分でも3回とれれば1時間半の勉強時間を確保できたことになります。
また、児童英語教師の求人にはTOEICのスコアや英検の合格級が応募の目安として書かれていることが多いので、J-SHINEの資格以外にもこうした試験を受けておくのがおすすめです。英語の勉強は、少しずつでも毎日することがコツだと言われています。毎日2分でもいいので英語の文章を音読することはとても効果的です。その時の教材は、何冊も用意することはなく、1冊を繰り返しやることで実力がつくとも言われています。
児童英語教師になる最短ルートは?
J-SHINE認定の小学校英語指導者資格の場合
児童英語教師に資格は必要ありませんが、資格を持つことで幅広い求人に応募することが可能になります。児童英語教師の資格として、有名なものに「小学校英語指導者資格」があります。この資格は、小学校の英語教師になるためにはかなり有利になるものです。この資格をとるためには、特定非営利活動法人(NPO)小学校英語指導者認定協議会
(J-SHINE)が認定している団体の指導者養成講座を受けて、その団体に「小学校英語指導者」の推薦を受ける必要があります。
その他、50時間以上の指導実務経験があること、また英語で授業を行えることという条件があります。50時間以上の実務経験がない場合は、「準認定指導者」になります。「準認定指導者」は、実務経験を積むことで、正資格の「小学校英語指導者」になることができます。指導者養成講座を受けられる団体は、J-SHINEのホームページで調べることができます。中には通信コースもありますので、働きながら、また家事や育児をしながらでも児童英語教師を目指すことができます。通学コースで最短2ヶ月、通信コースでは最短6ヶ月で資格取得が目指せます。通学コースでは自分の住んでいる地域で講座が開講されているか注意しなくてはなりませんが、通信コースの場合、どこに住んでいても講座が受けられます。
J-SHINE以外の資格の場合
J-SHINEが認定する「小学校英語指導者資格」以外にも、児童英語教師の資格はあります。
例えば、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)認定の「児童英語インストラクター資格」がそれです。この場合、協会が指定しているキャリアカレッジジャパンの「児童英語インストラクター資格取得講座」を受けた後に試験を受けることで資格がとれます。この講座は通信講座で、試験は在宅で受けられます。受講費用は55,000円で、最短4ヶ月で講座を受けることができます。児童英語指導の基礎知識・語彙力トレーニング・パラフレーズ力のトレーニング・状況設定トレーニングといったカリキュラムで構成されています。
そのほか、児童英語教師に役立つ資格として「TOEICテスト」や「実用英語技能検定」があります。TOEICは、世界共通の英語の試験で、990点までのスコアで能力を判断するものです。実用英語技能検定は、通称「英検」と呼ばれているもので、7つの級いずれかの合格・不合格で英語力を判定するものです。2級の合格率は、2015年の第1回検定で26.9%でした。TOEICも英検も、求人によって必要とされている能力は違います。TOEIC●点以上、英検●級以上優遇、といったような条件が求人に付けられていることが多いのです。
英語能力を判断するためにも、これらの試験は受けておくのがおすすめです。これらの試験の攻略を目指す講座も数多くありますので、利用することを考えてもよいでしょう
児童英語教師の仕事内容
どんな仕事?
児童英語教師は、絵や音楽など、子供の心をつかむものを通して子供に英語を教えます。子供は、英語の教室について「楽しい」と感じることによって英語に親しんでいきます。英語を学ぶ楽しさを教えるのが児童英語教師の仕事だと言えるでしょう。 子供に教えるのですから、飽きないように分かりやすく教える方法を知っている必要があります。英語をはじめるのに適した年齢は諸説ありますが、英語はその子の年齢によって、また個性によって教え方を変える必要があります。 教え方も、マンツーマンで教える方法や大勢の子供達を相手に教える方法など様々です。英語が好きで子供が好き、そんな人にはとても楽しめる仕事です。
児童英語教師の役割
小学校の高学年で英語が必修化されるなど、英語を学ぶことの必要性がクローズアップされてきています。子供の時から英語を学び英語に親しんでおくことの重要性を保護者達も感じ始めています。そんな中、児童英語教師には、子供が持っている能力を存分に発揮できるよう働きかけることが求められています。また、グローバル化が押し寄せる昨今、児童英語教師には、子供達に英語圏の生活文化などを教える役割もあるでしょう。異文化への理解を促すことにより、国際化社会でうまく生きていけるような能力が養われます。英語でコミュニケーションをとることができる日本人になれるよう、児童英語教師は子供に働きかける役割があります。
児童英語教師のやりがい
児童英語教師は、教えている子供達が英語に触れることを楽しんでくれている時にやりがいを感じます。英語の時間をいつも楽しみにしているという子供がいると、児童英語教師として頑張ろうという気持ちが更に強くなるでしょう。英語をもっと勉強したい、英語にもっと触れたいという子供の意欲に触れた時もまた、やりがいを感じる瞬間です。 英語に親しむことによって、その子の未来に選択肢が増えるということも考えられます。時がたってみないと本当の効果は分からないかもしれません。しかし、子供にとっては英語に楽しんで親しんだ日々は必ず心に残っていることでしょう。また、児童英語教師の仕事は、自分が今まで積み重ねて学んできたことを活かせる仕事でもあります。
児童英語教師に向いている人
英語が好き
英語が好きだということは、児童英語教師にとって必須の能力です。教師が持つ英語の能力が高いと、子供に自信を持って英語を教えることができます。英語力の目安は諸説ありますが、高ければ高いほどよいでしょう。児童英語教師は、子供にとって初めて英語を教えてくれる人となる場合も多いです。発音や英語の使い方など、子供達は児童英語教師から様々なことを学びます。そういう意味では、責任感がある人にも向いているでしょう。子供達は日々成長していきますので、自分自身でも日々英語を学んでいく意欲が必要です。英語力は日々使うことでブラッシュアップできます。また、英語を学ぶ必要性を子供達に分かってもらうためにも、英語圏の文化や生活習慣に対して関心を持ち、子供達に伝えられることも大事です。
子供が好き
子供は常に楽しいことを求めています。そんな子供達と接することを楽しめる人は児童英語教師に向いています。 ゲームなどを通して英語を教えることもありますので、子供が楽しめるにはどんなやり方がよいのかと考えられる、創造性がある人にも向いています。子供と同じ視点で英語を楽しめるということは重要です。 子供が英語を好きになれば、将来的にも英語の勉強を続けていける可能性は高くなります。そのためにも、英語を楽しいものとして認識してもらうことは大事です。また、子供の接し方などに子育て経験を活かせる仕事でもあるので、児童英語教師の仕事は主婦が目指しやすい仕事だと言えます。
教えることが好き
子供にはそれぞれ個性がありますので、それぞれの子供のことをよく見て教えることが大事です。「教える」には、子供の身になることが大事です。子供のペースに合わせてどんな教え方が効果的かを考える必要があります。また、子供が持っている潜在的な能力を引き出すにはどうしたらよいかといったことを考えながら教えることを楽しめる人にも向いています。自宅で英語に触れられる英語教材は巷にたくさんありますが、やはり直接子供に働きかけて教えてくれる児童英語教師への期待は厚いものがあります。教えることに情熱を傾けられる人なら、その期待に充分こたえることが可能でしょう。
コミュニケーション能力・体力がある
子供に英語を教える時には、子供と密なコミュニケーションをとる必要があります。子供を相手にしていると、日々ハプニングが起こります。そんな場合でも柔軟に、また忍耐強く子供と関わっていけるという能力もとても大事でしょう。 保護者とも適切にコミュニケーションをとれるという能力も以外に必要です。また、子供を相手にするのは、体力があると良いでしょう。子供は大人に比べて好奇心が旺盛で元気だからです。児童英語教師には、いつまでしかできないといった年齢制限はありません。また、家庭と両立しながら働いている児童英語教師も大勢います。 英語が好き、子供が好き、教えることが好きという人はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 小学校英語指導者資格 |
試験日 |
【認定試験】 |
試験区分 | 民間資格 |
主催団体 | 特定非営利活動法人 (NPO) 小学校英語指導者認定協議会 |
受験資格 | J-SHINEの認定を受けた登録団体が主催する「指導者養成講座」修了し、その団体から推薦を受けなければなりません。 また、研修講座の受講修了のほか、次の2点の基準を満たしている必要があります。 1.指導時間50時間以上の実施経験があること。 2.英語力の目安として、英語で授業が行えること。 |
合格率 | 筆記試験などによって資格認定を行うのではなく、小学校英語指導者資格認定コースの修了者に対して付与される資格です。 |
出題内容・形式 | 試験は、筆記試験と実技試験で構成されています。それぞれ独立した試験で、同時期に受験することも、時期を分けて受験することも可能です。いずれか一方に合格してから 3 年以内にもう一方を合格し、合否判定会議に通った方がトレーナー資格を取得できます (一方に合格すれば、その権利は 3 年間有効です)。資格の有効期間は 4 年間です。資格取得後はJ-SHINEトレーナーとして資格更新します。 |
検定料 | 指導者認定審査料(初回のみ):6,000円(税込) |
問い合わせ先 |
特定非営利活動法人 (NPO) 小学校英語指導者認定協議会 http://www.j-shine.org/ 〒105-0003 東京港区西新橋1-20-10 西新橋エクセルビル4F TEL:03-6686-9284 |