薬膳インストラクターの基本情報
薬膳インストラクターとは、中医学(中国を中心とする東アジアでおこなわれてきた伝統医学)の知識や薬膳に関する知識などを身に着けたスペシャリストです。資格取得を通して健康や食生活を見つめ直すきっかけになることから近年注目されています。
取得後は飲食・医療・福祉などの業界に従事するケースが多いようです。また美容や健康に活用することもでき、主婦など女性の取得者が比較的多いのが特徴です。
実はこの資格、「日本能力開発推進協会(JADP)」主催のものと「全日本薬膳食医情報協会(ANY)」主催のものの2種類が存在します。名称が同じなので混同してしまいますが、違いをよく理解しておく必要があります。
日本能力開発推進協会(JADP)
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)主催の薬膳インストラクター資格は、中医学の基礎的知識や、薬膳のもたらす効果効能に対する知識を有していることの証明になります。
薬膳レシピの専門的知識および薬膳料理の調理技術が身につき、習得後は飲食業界や医療業界などでの活躍が期待できます。「薬膳や中医学に関する知識を習得したい」「薬膳料理の作り方を覚えたい」「資格取得を通じて健康を見直すきっかけにしたい」と言った人におすすめ。もちろん履歴書に書けるので就職・転職でアピールすることも可能です。
受験資格は、協会指定の認定教育機関が実施する教育訓練の全課程を修了した人。カリキュラム修了後、在宅で受験します(受験料5,600円税込)。70%以上の得点率で合格となり、合否結果は約1カ月で送付されます。
全日本薬膳食医情報協会(ANY)
全日本薬膳食医情報協会(ANY)主催の国際薬膳調理師資格もJADP主催の資格同様、薬膳に関する網羅的な知識を有している証明になります。日本で初めて「国際薬膳調理師」(後述)に向けて「薬膳調理指導員」の認定試験を実施した協会(ANY公式サイトより)として権威があることでも有名です。
北京中医大学日本校が認可する団体であり、薬膳の正しい認識および多くの人の生活に役立てることを目指して1999年より試験を実施してきた実績があります。
当資格を取得するには、協会主催の講座を受講する必要があります。漢方や陰陽五行説などについて学ぶのですが、人によっては習得するのに結構難儀することも。薬膳と中国伝統医学は不可分な関係ゆえ、決して簡単な資格ではありません。
薬膳インストラクターの試験情報
- 試験区分
- 民間資格
- 主催団体
- 一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)
- 受験資格
- 一般財団法人 日本能力開発推進協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者
- 合格率
- -
- 出題内容・形式
- ▽指定通信講座カリキュラム
薬膳の基礎知識/症状別薬膳レシピ/疾患別薬膳レシピ - 日程
- -
- 検定料
- 5,600円(税込)
- 問い合わせ先
- 一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)
http://www.jadp-society.or.jp/
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目12番6号 田丸屋ビル4階 - 補足情報
- 薬膳インストラクターは指定の通信講座を修了し、在宅試験に合格することで取得できる資格です。通信講座にかかる標準的な学習期間は4ヶ月程度となっています。
薬膳インストラクターの上位資格はあるの?
ANY協会主催の「国際薬膳調理師」が上位資格にあたる!
ANY協会が主催する「国際薬膳調理師」は、同協会認定の「薬膳インストラクター」の上位資格です。受験資格は薬膳インストラクター資格の認定を受けていることが前提となります。
尚、中級資格である薬膳インストラクター資格を得るには初級の認定が必要であるため、初級→中級とクリアする必要があります。
こちらの資格を認定するのは「中国中医薬研究促進会」。この機関は中国政府に所属する学術研究団体であり、非常に権威のある資格として、中国国内はもちろん日本でも習得を目指す人が多く存在します。
陰陽五行理論・薬膳学・病因・診断学など幅広い知識が身につく当資格。通常の「調理師」とは資格が異なり、調理師免許保有者がさらなる技術認定の証明として受験するケースが多いようです。
薬膳インストラクター資格の活かし方は?
飲食・医療機関や福祉施設・食品メーカー・料理教室・家庭などで活用できる!
食や健康への関心が高まる昨今、資格取得を通して得た知識は、飲食・医療機関や福祉施設・食品メーカー・料理教室・家庭などで活用することができます。
飲食業界の代表であるレストランでは、顧客のニーズを掴めるメニュー作りが求められます。安い・美味しいと言った要素はもちろん大事ですが、ヘルシーさも外せません。顧客に満足してもらえるメニューを制作する上で、薬膳の知識はとても役立ちます。
次に医療機関や福祉施設。食と健康に特に配慮が求められるこれらの現場では、食膳に関する専門知識を習得した人が重宝されます。どんな食材を使いどんな献立にするかを考えるのは簡単ではありません。栄養バランスの整った食事を提供する上で薬膳知識が活きてきます。
食品メーカーにおいては、消費者の健康志向を意識した商品開発が求められます。糖分や塩分を抑えても「美味しい」と思われるような商品を開発する上で薬膳の知識が役立ちます。
料理教室とりわけ薬膳料理教室は、昨今の健康志向の高まりから受講者が増えています。このトレンドに乗るべく薬膳料理指導の講師として、自宅やカルチャースクールで多くの人を指導することができます。
最後に家庭。自身はもちろん家族の健康は何より大事。食と健康は切っても切り離せない関係ですから、健康的な食生活を意識する人にとって薬膳は魅力的。薬に頼ることなく健康管理する上でとても役立ちます。
薬膳インストラクター資格を取得するには?
指定の通信講座受講が必要!
主催団体ごとに、資格取得するための方法を紹介します。
【JADP主催】薬膳インストラクターの資格取得
通信講座の受講が必要です。キャリカレなどの通信講座を利用すると良いでしょう。テキストでの学習および課題提出(添削問題の提出)を経てすべてのカリキュラムを修了すると受験資格を得られる流れになっています。薬膳の知識、症状別・疾患別の薬膳レシピ、男性・女性・小児薬膳レシピなどの項目を学習していき、ステップごとに課題を提出。添削指導を受けながら知識の定着を図れます。
カリキュラムは最短4カ月で修了できるようになっています。通信講座によっては追加料金なしで学習期間を延長できるため、多忙な人や自分のペースで学習したい人に最適です。
費用の相場は45.000~50,000円。こちらも通信によってはインターネット割引などが適用されるケースがあります。
【ANY主催】薬膳インストラクターおよび国際薬膳調理師の資格取得
当協会で「薬膳本科」を受講する、短期集中講座を受講などが用意されています。以下で細かく紹介します。
①薬膳本科を受講すると、初級から中級まで学習できます。また出席率70%以上で無試験で中級の認定資格を取得でき、大変便利です。
費用は253,000円(税込)。初級から中級まで一貫して学ぶことができ、無試験で認定資格を得られることを考えるとそこまで高額ではないでしょう。
②初級、中級、上級と分かれている短期間集中講座。中級である薬膳インストラクターは「2日間10時間」の受講が必要です。カリキュラム修了後に修了証が発行されますが、資格認定が別途必要なので別試験を受ける必要があります。
費用は中級の場合60,000円。
③初級、中級と分かれており、中級の「理論からレシピ作成まで」を受講。自分の都合に合わせて学習できるので焦らず着実に進めることができます。費用は中級の場合40,000円。
尚、認定試験受験のみの場合は、薬膳インストラクター25,000円、国際薬膳調理師・国際中医薬膳師147,000円とそれぞれ設定されています。
通信講座で漢方・薬膳の資格取得を目指せるおすすめスクール
がくぶん(通信)
ココがポイント!
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東京カルチャーセンター(通信)
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月々3,450円で薬膳の知識を身につけられる
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