登録販売者を独学で勉強するメリット・デメリット
登録販売者試験の合格を独学で目指す場合、メリットもあればデメリットもあります。
自分は独学に向いているのか?という確認も含め、まずは独学のメリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。
登録販売者を独学で勉強するメリット
費用を安く抑えられる
独学のいちばんのメリットは、試験にかかる費用を安く抑えられることでしょう。
独学で勉強を進めていく場合、テキストや問題集は2,000~10,000円程度で購入でき、自力で勉強を始められます。
なお、インターネットや古本屋において、さらに安い価格で中古品のテキストを買うこともできるかと思いますが、法改正などに対応していない可能性があります。
中古書籍の購入はあまりおすすめできません。
自分が使いやすいテキストを選べる
テキストは、一般的には図や表、イラストと色つきが見やすいとされていますが、人によっては文字が箇条書きで詰め込まれて解説されているほうが見やすいという方もいらっしゃるでしょう。
独学の場合は教材が指定されることはないため、自分が勉強しやすいものを選ぶことができます。
好きな場所・時間で勉強できる
独学は好きな場所や時間で勉強できるというのもメリットの1つでしょう。
自宅やカフェで空き時間を使い、自分のペースで勉強ができます。
子育てや家事などで自宅を離れづらいという方は独学を選択するとよいかもしれません。
登録販売者を独学で勉強するデメリット
学習スケジュールの管理を自分でおこなう必要がある
独学は、学習スケジュールをすべて自己管理しなければなりません。
どのようにモチベーションを維持しながら学習を進めていくかも課題となってくるでしょう。
学習スケジュールを立てる場合は、試験日から逆算し、「1ヶ月」「1週間」「今日」と分割した目標設定をおこなうとわかりやすいかもしれません。
法改正による試験内容の変更点を自分で確認する必要がある
登録販売者の試験内容は、法改正により変更される場合があります。
独学では法改正が入るたび、自分で変更点を確認しなければなりません。
なお、登録販売者の試験問題は、厚生労働省が扱う「試験問題作成に関する手引き」から出題されており、法律の改正時期は、3~4月頃となっています。
法改正の有無および変更点を必ず確認しましょう。
わからないことがあっても頼れる人がいない
独学では、わからない内容が出てきた場合も、自分で解決しなければならないというデメリットがあります。
スクールの講座を受講していれば、すぐに先生に質問をして解消できるかもしれない内容も、すべて自分で調べて答えを導き出さなければなりません。
正解を探し当てるまで時間がかかってしまうおそれもあります。
外部の講座はそのような不便がなく、効率的に勉強を進めることが可能です。
独学に面倒や不安を感じる方は、通信講座やスクールの利用が推奨されます。
独学のメリット・デメリットを動画で詳しくチェック!
なお、登録販売者試験講座の講師をつとめる『石川 達也』先生が、登録販売者試験を独学で学習する場合のメリット、デメリットを動画で解説しています。
ぜひこちらもご覧ください!
登録販売者試験の概要を簡単に説明
誰でも受験できる
登録販売者は、2015年4月から受験資格条件が無くなり、学歴や実務経験、年齢や性別に関係なく受験できるようになりました。
しかし、正式な登録販売者として働くためには、店舗管理者の要件を満たす必要があり、規定された実務経験を積むことが条件で、要件が満たない間は研修者(登録販売者見習い)として働くことになります。
なお、実務経験を積むために登録販売者が働く先は、ドラッグストアや薬局などが一般的です。
ちなみに、登録販売者は、第2類・第3類医薬品の一般用医薬品のみ販売することができます(第1類は薬剤師のみ販売可)。
関連記事 登録販売者の実務経験について
試験で出題される内容
登録販売者の試験内容は、主に以下の5つに分類されています。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な医薬品とその作用
- 薬事関連法規・制度
- 医薬品の適正使用と安全対策
実務でお客様から第2類・第3類医薬品の相談を受けた場合、登録販売者は適切なアドバイスをおこなわなければなりません。
そのため、医薬品の基礎知識はもちろん、実務で通用する知識を持ち合わせているかが問われる試験内容となっています。
登録販売者試験に一発合格!経験者の勉強時間と勉強法
ここからは、この記事を執筆しているライター西村が、独学で登録販売者試験に一発合格した方法をすべて公開します!
3ヶ月間毎日勉強!
時間数に換算すると250時間程度
私が登録販売者試験に向けて費やした勉強時間は3ヶ月間になります。
時間数に換算すると、250時間程度です。
試験は、毎年1回各都道府県により日程が決められており、8~12月の間に実施されます。
私が受験したエリアは例年8月に試験が実施されており、余裕をもって勉強するつもりで半年以上前からテキストを購入していました。
しかし、実際のところは仕事の忙しさ等にかまけて勉強が進まず、いよいよ本気を出して勉強していかないと……と思ったのが3ヶ月前からでした。
実際の勉強スケジュールを公開!
私は当時ドラッグストアで勤務しながらの受験だったので、仕事終わりと休日を使った勉強スケジュールを設定しました。
絶対に一発で合格したい気持ちが強かったため、3ヶ月間毎日勉強するというノルマを自分に課し、勉強を進めました。
以下が実際の勉強スケジュールになります。
- 出勤日:終業後の2時間程度
- 休日:5時間以上
仕事をしている人は半年程度前からの勉強がおすすめ!
仕事をしている方は、残業などの影響で勉強時間の確保が難しいことも多いでしょう。
勉強は休日をメインにおこない、平日は通勤時間や休憩時間などスキマ時間を活用するというのが理想的かもしれません。
例えば、休日に4時間、平日は1日30分の勉強をするとしましょう。
試験までの勉強時間を250時間程度確保するのであれば、半年前(6ヶ月前)から勉強を開始するとちょうどよいという計算になります。
忙しい方やゆとりをもって勉強したい方は、半年程度前からの勉強開始をおすすめします!
登録販売者試験に向けた具体的な勉強方法
①テキストを1回通読
まず最初に、試験に出る内容の大まかな把握のために、一度テキストを通読しました。
自分が苦手としそうな分野をチェックしながら読み切ることで、勉強ペース配分に活かせたと思います。
②テキストの要点をすべてノートにまとめる
登録販売者はすべて暗記科目であり、覚える領域の広さから、独学経験者のなかには「書いて覚えるのはやっていられない」「ノートを取らずに勉強しよう」という声を挙げている方もいらっしゃいます。
しかし、私は完全に「書いて覚えるタイプ」のため、意を決してテキストの要点をすべてノートにまとめる方法を取りました。
特に自分が苦手とする分野を中心にノートを取る
ノートを取るなかでも、重点的にまとめたのが苦手とする分野です。
私は、登録販売者試験のなかでもいちばんボリュームがあり覚えることが多い、「第3章 主な医薬品とその作用」の以下の内容を中心にノートにまとめました。
- 薬の副作用
- 医薬品の成分
ノートを取る際に注意した点は、実務で使える知識が多いため、読み返した時にも自分が理解しやすい内容にしたことです。
ただその時覚えるために殴り書きをするのではなく、見やすさも考えてノートを取るとよいかもしれません!
「第2章 人体の働きと医薬品」は図解で覚える!
私が覚えるのにいちばん苦労したのが、「第2章 人体の働きと医薬品」の部分です。
人体の構造と器官の働きを一致させて覚えようと、人体図を描き、そこに器官の働きをすべて書き込んでいく方法を取りました。
③全国の過去問題を複数年分解く
テキストの内容を一通り頭に叩き込んだあとは、ひたすら過去問題を解くことに専念しました。
自分が受験するエリアの過去問だけでなく、全国の過去問数年分を解いて、試験内容の傾向を把握していきました。
過去問題は、都道府県HPなどに過去4~5年分のものが掲載されています。
試験問題をPDFでダウンロードできますので、実際の問題を使い、本番さながらに時間(※)を計測して解いていくとよいでしょう。
(※)登録販売者の試験時間は、前半120分、後半120分の合計240分
登録販売者試験過去問題掲載例 関東広域連合/登録販売者試験 過去問題及び解答
勉強のペース配分
勉強内容のペース配分についてもお伝えしておきたいと思います。
私は3ヶ月間(約250時間)試験勉強をしました。内訳としては以下となります。
①テキストを1回通読 | 2~3日(6時間)程度 |
②テキストの要点をすべてノートにまとめる | 10週間(200時間)程度 |
③全国の過去問題を複数年分解く | 2週間(45時間)程度 |
ポイントとして、試験対策の詰めが過去問題になりますので、複数の過去問を解く時間を必ず確保することをおすすめします。
私はこれで合格!登録販売者の独学おすすめテキスト
私はたった1冊のテキストだけで登録販売者に独学合格しました。
そのテキストについて詳しく紹介したいと思います!
また、より効率よく学べるテキストや、短期間で合格が目指せるテキストについても併せて紹介します。
私はこの1冊で合格!『【完全攻略】医薬品「登録販売者試験」合格テキスト』
編著:藤澤 節子
出版社:中央法規出版
最新の「試験問題の作成に関する手引き」に準拠している登録販売者試験対策用のテキストです。
この書籍を参考に試験が出題されているのか?と思えてしまうほど、登録販売者の試験内容がすべて網羅されているテキストなので、私はこの1冊のみで試験対策をおこないました。
こちらのテキストの特徴は、2色刷りテキストで、重要な言葉や内容は太字やワンポイントアドバイスでまとめられているため、要点がわかりやすいことです。
また、適宜表やイラストが挿入されているなど、シンプルで見やすい内容にもなっています。
参考:Amazon 【完全攻略】医薬品「登録販売者試験」合格テキスト 2022年版
その他オススメ①『らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集』
著者:團野 浩
出版社:ナツメ社
登録販売者に独学で合格された方が、実際によく使っているテキストといわれるのがこちらのテキストです。
テキストのほか練習問題と模擬試験も1冊にまとめられています。
単元の最後にミニテストがあるため、勉強を進めるごとに学習内容を覚えたかの確認ができたり、付属の赤シートを使い、キーワードを隠しながら勉強できたりすることがポイントです。
参考:Amazon らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版
その他オススメ②『7日間でうかる! 登録販売者 テキスト&問題集』
著者:堀 美智子
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
本の題名どおり、登録販売者試験に短期間で合格できるよう、必要な項目だけを効率よく学べる内容のテキストです。
過去問や一問一答、模擬テストも収録されており、問題演習にも適応。
ほか、本書を用いた著者による音声講義も受けられるという特徴があります。
参考:Amazon 7日間でうかる! 登録販売者 テキスト&問題集 2022年度版
登録販売者試験は独学でも合格可能です!
比較的短期間で独学合格できる国家資格に準ずる資格
ライター西村が独学で試験に合格できたとおり、登録販売者の試験は独学でも合格が目指せる資格です。
その理由として、登録販売者は都道府県が管轄する国家資格に準ずる資格ですが、一般的に3~4ヶ月程度の勉強で合格できる資格といわれています。
通常、国家資格などの公的な資格は合格のために多くの勉強時間を割く必要があるものが多いなか、比較的短期間で取得できる資格といえるでしょう。
合格率も比較的高い割合
登録販売者は合格率も比較的高いことが特徴です。
合格率は都道府県ごとに異なりますが、2022年の全国平均は44.4%という結果でした。
そのため、ドラッグストアなど医薬品を取り扱う小売店の従業員はもちろん、主婦の方や会社勤めをされている方など、さまざまな人たちが受験しています。
独学に向いている人はどんな人?
自分で目標を達成するという強い意志のある人
独学に向いている人はまず、自分で目標を達成するという強い意志のある人が挙げられます。
「独学(独りで学ぶ)」の文字通り、勉強は1人で進めなければなりません。
私は、「独学で登録販売者試験に一発合格する」という強い意志を持って、試験勉強に臨みました。
目標達成に向けて準備・勉強し、モチベーションを維持していける自信のある人が向いているといえるでしょう。
1人で自由に勉強したい人
自分のペースでゆっくり自由に勉強したいという人も独学が向いているでしょう。
スクールで学ぶ場合は、勉強内容も学習時間も決められており、スクールでの学習に自分が合わせていかなければなりません。
私はシフト制の仕事をしながらの勉強でしたので、通学制のスクールで学ぶのが難しいという物理的な問題がありました。
また、カフェや図書館でゆっくり勉強するのが好きなこともあり、独学を選択した経緯があります。
何かにとらわれることなく、コツコツと勉強していきたい人は独学向きといえます。
しかし正直なところ、登録販売者試験の独学は大変
私は独学で登録販売者試験に一発合格したものの、やはり、大変だったという印象が強く残りました。
以下に独学で大変だった部分を述べていきます。
勉強の効率が悪い
勉強の効率の悪さがまず反省点として挙げられます。
自分で勉強スケジュールを組み、勉強内容のペース配分を考える必要があったので、想定より学習進捗が遅れると焦ることが多々ありました。
また、書かないと覚えられないという自分の性質により、テキストほぼ丸暗記に近い勉強方法を取りました。
3ヶ月という時間の猶予があったため何とかなりましたが、もう1~2週間遅れて勉強を開始していたなら、合格は難しかっただろうと思います。
仕事との両立が大変
勉強の効率の悪さが影響し、仕事との両立も大変でした。
仕事のシフトによっては、仕事と試験勉強を終えて自宅に帰るのが深夜0時を過ぎることもあり、無理な勉強スケジュールを組んでいたように思います。
また、3ヶ月間は休みなく勉強していたので、正直疲れました。
今受験するなら、登録販売者資格講座を受講したい!
現在展開されている登録販売者資格講座は共通して「効率的な勉強」ができるカリキュラムが組まれています。
私がもう一度登録販売者試験を受けるとしたら、ぜひ、講座を受講したいと思います。
登録販売者試験を受験した当時はシフト制の仕事でしたが、現在は固定時間かつ土日休みの仕事をしているため、今なら通学講座の受講が可能です。
わからないことがあれば講師にすぐ質問できる通学講座は、心強いものがあります。
また、通信講座はe-ラーニング等で動画を見ながら勉強できる講座が多くあります。
テキストだけでなく動画で繰り返し内容を確認できるのは、独学にはない安心感があるでしょう。
自分の空き時間に効率よく勉強できる通信講座は、社会人全般におすすめの学習方法かもしれません。
関連記事 登録販売者のeラーニング講座(通信講座)の比較と講座を選ぶポイントについて
仕事と両立しながら試験対策!登録販売者の通信講座
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監修者プロフィール
埼玉県生まれ。
登録販売者受験対策・薬膳・漢方医学教育の日本統合医療学園にて教務部長を務める。・・・ [続きを読む]