キャリアコンサルタント試験の難易度
他の国家資格と比べると難易度は低めで取得しやすい!
国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率は、学科試験・実技試験共に50〜60%を推移しています。他の国家資格と比べると合格率が高く、比較的難易度は低い資格であるといえるでしょう。ちなみに、キャリアコンサルタントの偏差値は52程度に位置づけられています。
初めて勉強する方やキャリア相談の実務経験がない方でも、厚生労働大臣認定の養成講座を修了することでキャリアコンサルタント試験の受験資格を取得し、しっかり学習すれば十分合格が可能です。
キャリアコンサルタント試験の合格率
2024年最新の合格率
最新のキャリアコンサルタント試験の合格率は、学科試験66%、実技試験62.2%でした。学科/実技の同時合格率は50.7%です(第26回試験|令和6年7月実施)。
直近5回の合格率と比較すると、第26回試験は同時合格率が平均※より下回る試験になりました。
※直近5回の平均合格率:55%
また、例年受験生の約50~60%の方が合格しており、国家資格の中では取得しやすい資格といえます。
第26回キャリアコンサルタント試験 合格率
受験者数 | 合格数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
学科試験 | 5,002 人 | 3,274 人 | 65.5% |
実技試験 | 4,741 人 | 2,948 人 | 62.2% |
同時受験 | 3,720 人 | 1,886 人 | 50.7% |
参考 合格発表|キャリアコンサルティング協議会
参考 試験結果|日本キャリア開発協会
試験団体ごとの最新合格率
厚生労働大臣の認可を受けて資格認定試験を行っている2つの団体の学科・実技同時受験者の最新試験の合格率をそれぞれ紹介します。
キャリアコンサルティング協議会(CCC)は受験者2,696名に対し、日本キャリア開発協会(JCDA)の試験では、受験者は1,024名、合格者は580名、合格率は56.6%でした。
さらに詳しく 試験実施団体ごとの合格率
キャリアコンサルタント試験 合格率の推移
キャリアコンサルタント資格は学科試験と実技試験をそれぞれ合格する必要があります。
学科試験、実技試験を同時に受験した場合(同時受験)の合格率は、おおむね40%~60%で推移しています。
第1回から第26回までのデータを見ると、最低値が20.5%(第4回)、最高値が60.7%(第23回)であり、大きな幅があることが分かります。
学科試験の合格率は60%前後で推移しています。最低は21.30%(第4回)、最高が83.6%(第23回)で、同時受験と同様に大きな幅があります。
実技試験の合格率はおよそ65%前後で推移しています。最低は第21回の57.70%、最高は第11回の74.70%となっており、こちらも幅がありますが、学科試験と比べると比較的安定しています。
さらに詳しく 合格率の平均
合格率の推移
試験 | 学科 | 実技 | 同時受験 |
---|---|---|---|
第1回 | 77.80% | 60.00% | 47.60% |
第2回 | 75.70% | 64.40% | 55.60% |
第3回 | 64.30% | 63.20% | 49.30% |
第4回 | 21.30% | 68.90% | 20.50% |
第5回 | 50.30% | 68.10% | 43.10% |
第6回 | 50.30% | 68.10% | 43.10% |
第7回 | 54.30% | 72.70% | 51.20% |
第8回 | 63.30% | 69.50% | 54.30% |
第9回 | 30.50% | 67.80% | 30.10% |
第10回 | 64.20% | 70.10% | 54.80% |
第11回 | 62.60% | 74.70% | 57.40% |
第12回 | 75.50% | 65.50% | 58.50% |
第13回 | 71.10% | 61.30% | 54.00% | 第14回 | 67.20% | 65.90% | 55.30% |
第15回 | 75.00% | 63.00% | 55.30% |
第16回 | 64.60% | 61.20% | 50.00% |
第17回 | 56.80% | 58.10% | 43.30% |
第18回 | 81.10% | 63.50% | 60.10% |
第19回 | 61.60% | 61.10% | 48.60% |
第20回 | 77.90% | 60.20% | 54.90% |
第21回 | 61.70% | 57.70% | 46.90% |
第22回 | 82.20% | 64.60% | 59.30% |
第23回 | 83.60% | 63.00% | 60.70% |
第24回 | 52.60% | 65.40% | 45.40% |
第25回 | 63.70% | 66.50% | 51.70% |
第26回 | 65.5% | 62.2% | 50.7% |
キャリアコンサルタント試験 合格率の平均
第1回~第26回のキャリアコンサルタント試験の合格率の平均は学科試験62.81%、実技試験64.86%、学科/実技同時受験の場合は49.7%となっています。
例年、合格率は50~60%を推移しており、受験生の約50%以上の方が合格しています。
合格率の平均 | |
---|---|
学科試験 | 62.81% |
実技試験 | 64.86% |
同時受験 | 49.7% |
このことからも、キャリアコンサルタント試験の難易度は低く、比較的簡単に取得できる国家資格となっています。
国家資格の中では取得しやすい資格といえるでしょう。
キャリアコンサルタント試験と他の国家資格の合格率を比較
キャリアコンサルタントと、他の国家資格の合格率はどれくらい違いがあるのかを紹介します。
資格名 | 合格率(2024年) |
---|---|
保健師 | 95.7% |
精神保健福祉士 | 70.4% |
キャリアコンサルタント | 51.7% |
宅地建物取引士 | 17.2% |
行政書士 | 13.98% |
社会保険労務士 | 6.4% |
国家資格によって、受験資格や出題内容も異なるため一概にはいえませんが、合格率だけをみるとキャリアコンサルタントは国家資格の中では、合格率は比較的高めといえるでしょう。
キャリアコンサルタント試験の年代別試験結果
年代別の試験結果は以下になります。
試験 | 年代 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
学科試験 | 30歳未満 | 456人 | 309人 | 67.8% |
30~39歳 | 1121人 | 805人 | 71.8% | |
40~49歳 | 1396人 | 943人 | 67.6% | |
50~59歳 | 1546人 | 959人 | 62.0% | |
60~69歳 | 466人 | 250人 | 53.6% | |
70歳以上 | 17人 | 8人 | 47.1% | |
実技試験 | 30歳未満 | 470人 | 287人 | 61.1% |
30~39歳 | 1073人 | 710人 | 66.2% | |
40~49歳 | 1304人 | 824人 | 63.2% | |
50~59歳 | 1431人 | 884人 | 61.8% | |
60~69歳 | 447人 | 235人 | 52.6% | |
70歳以上 | 16人 | 8人 | 50% |
学科試験と実技試験の結果から、年代によって試験の合格率に差があることがわかります。
30〜39歳は両試験において最も高い合格率を示しています。
一方で、50歳以上になると合格率が低下している為、学習方法や試験対策を養成校と相談し工夫していく必要がございます。
キャリアコンサルタント試験実施団体ごとの合格率
【第17回~26回】キャリアコンサルタント試験の合格率
国家資格キャリアコンサルタント試験は『キャリアコンサルティング協議会(CCC)』『日本キャリア開発協会(JCDA)』2つの団体(登録試験機関)が実施しています。
合格率は若干の違いがあるものの、大きな開きはありません。それぞれの団体で評価軸が異なるので、理解した上で試験団体を選択することが重要です。
通常は異なる団体が実施する試験であれば、それぞれで異なる資格が認定されます。
しかし、キャリア・コンサルティングについては厚生労働省が標準化を進めており、CCCまたはJCDAの試験に合格すれば国家資格としてのキャリアコンサルタント技能士(標準レベル)が認められます。
CCCとJCDAが実施する試験はともに学科試験と実技試験から構成されています。学科試験は共通の問題を用いていますが、実技試験の試験内容には若干の差があります。
両団体が実施する試験の合格率は以下の通りです。
キャリアコンサルティング協議会(CCC)の合格率
キャリアコンサルティング協議会(CCC)の同時合格率の平均は52.6%です。
学科のみだと平均70.8%、実技のみは62.3%です。実技・学科ともに同時に合格できるのは、約2人に1人の割合となります。
(第18回~第26回の結果を基に試算)
学科 | 実技 | 同時合格 | |
---|---|---|---|
第26回 | 67.4% | 58.6% | 48.4% |
第25回 | 65.2% | 67.8% | 52.7% |
第24回 | 53.0% | 65.8% | 45.2% |
第23回 | 85.0% | 63.3% | 61.2% |
第22回 | 82.2% | 65.3% | 59.3% |
第21回 | 63.0% | 54.9% | 43.9% |
第20回 | 78.2% | 57.5% | 51.0% |
第19回 | 60.8% | 59.7% | 46.1% |
第18回 | 82.6% | 68.0% | 64.0% |
日本キャリア開発協会(JCDA)の合格率
日本キャリア開発協会(JCDA)の同時合格率の平均は54.5%です。
学科のみの平均は68.3%、実技のみだと平均63.6%となります。学科・実技ともに同時合格される方は、約2人に1人の割合といえます。
(第18回~第26回の結果を基に試算)
学科 | 実技 | 同時合格 | |
---|---|---|---|
第26回 | 60.8% | 71.6% | 56.6% |
第25回 | 65.2% | 67.8% | 52.7% |
第24回 | 51.6% | 64.5% | 45.8% |
第23回 | 81.2% | 62.5% | 59.8% |
第22回 | 82.3% | 63.0% | 59.3% |
第21回 | 59.7% | 62.9% | 52.2% |
第20回 | 77.4% | 64.4% | 60.7% |
第19回 | 63.0% | 63.3% | 52.5% |
第18回 | 79.0% | 57.0% | 54.6% |
上記の表からも確認できるように、どちらかが常に難しく、どちらかが常に合格しやすいということはありません。
受験者はどちらか一方の試験を選択して受験しますので、それぞれの試験は受験する人が異なります。
合格率の差は「受験者の違い」であり、両試験に決定的な難易度の差があるとは言えません。
試験の合格ライン
学科試験
学科試験は100点満点中、70点以上で合格です。
2024年7月に実施された第26回試験での実施団体別の平均点は以下のような結果でした。
実施団体 | 学科試験の平均点 |
---|---|
キャリアコンサルティング協議会(CCC) | 72.7点 |
日本キャリア開発協会(JCDA) | 71.6点 |
合格率はどちらも平均70%前後と、10人に7〜8人は合格できていることがわかります。
さらに詳しく 学科試験の内容と採点基準
実技試験
実技試験は150点満点中90点以上が合格になります。
2024年7月に実施された第26回試験での実技試験の平均点は、以下のような結果です。
実施団体 | 実技試験の平均点 |
---|---|
キャリアコンサルティング協議会(CCC) | 90.2点 |
日本キャリア開発協会(JCDA) | 94.6点 |
実技試験には論述と面接(ロールプレイ)が含まれる
実技試験には論述と面接(ロールプレイ)が含まれますので、すでにキャリアコンサルティングの実務経験がある受験者は、実技は比較的高得点です。
しかし、学科試験はきちんと勉強して、過去問対策をしなければ簡単には合格できないことがわかります。
キャリアコンサルタントの資格を取得するためには養成講座でしっかり学ぶことが必要です。
※実務経験者は、養成講座を受講しなくても試験を受けることが可能ですが、多くの方が養成講座を修了して取得しています。
キャリアコンサルタント資格試験は、学科・実技のどちらかに落ちたとしても次回の試験で、再チャレンジができます。
尚、学科試験の合格率が低いのがこの資格の特徴のようです。
さらに詳しく 実技試験の内容と採点基準
試験実施団体ごとの試験内容、採点基準の違い
学科試験の内容と採点基準
CCCもJCDAも学科試験の難易度は同一です。なぜならそれは同じ試験問題を用いて、同一日・同一条件で行うためです。また、合格基準も共通です。
試験形式
1問2点の問題(四肢択一のマークシート)が合計50問出題され、100点満点中70点以上得点すれば合格です。
試験範囲
試験の出題範囲は5つの分野から構成されています。
- キャリアコンサルティングの社会的意義
(社会経済動向の変化やコンサルティングの意義など) - キャリアコンサルティングの理論
(キャリア開発やコンサルティングの基礎理論など) - 職業能力開発促進法・その他関係法令
(労働市場、学校教育制度、メンタルヘルスなどに関する知識を含む) - キャリアコンサルティングの実務
(相談の基本的フローを遂行できるかどうか) - キャリアコンサルタントの倫理と行動
各年度の問題を見ると5つの分野のいずれかに出題が偏ることもありますが、概ねまんべんなく5分野から出題されます。
どの分野から出題されても正確に答えられるよう、偏りなく学習することが合格への近道と言えるでしょう。
実技試験の内容と採点基準
CCC・JCDAともに実技試験は「論述試験」と「面接試験」から構成されています。
論述試験
CCCの論述試験は「事例記録を読み、設問に解答する」、JCDAの論述試験は「逐語記録を読み、設問に解答する」と微妙に試験要項の表現は異なります。
しかし、どちらも相談記録を読み設問に解答するという意味で同じ形式の試験です。
試験時間はともに「50分」ですが、与えられる事例(記録)の数に差があります。CCCは1事例であるのに対し、JCDAは1事例もしくは2事例が与えられます。
面接試験
面接試験は受験者がキャリアコンサルタント役を演じ、試験官が演じる相談者の模擬的な相談をコンサルティングする15分間の「ロールプレイ」と、実演したキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える5分間の「口頭試問」で構成されています。
この構成はCCCとJCDAの両試験に共通しています。
実技試験の合格基準が「150点満点中90点」であること、論述試験と面接試験の4つの評価軸(採点する際の視点)において最低4割以上の点数を得なければならないことも両試験に共通しています。
関連記事:
キャリアコンサルタント実技試験の内容
違いがあるのは実技試験の「評価軸」
差があるのは実技試験の「評価軸」です。CCCの評価軸は「態度」「展開」「自己評価」であるのに対し、JCDAの評価軸は「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」です。
「態度」と「傾聴」、「展開」と「具体的展開」は同一の評価軸ですので、CCCは「自己評価」に、JCDAは「主訴・問題の把握」に独自性があります。
別の言葉で言い換えれば、コンサルティングの最終局面で相談者が自らのキャリアについて客観的に評価できるよう導けるかどうかをCCCの試験が重視しているのに対して、JCDAは相談開始時点でコンサルタントが本質的問題を把握できるかどうかを重視しています。
こうした面接試験における評価軸の違いを把握した上で、ロールプレイや口頭試問に臨むことが合格を目指す上で重要だといえるでしょう。
キャリアコンサルタント合格までの勉強時間・学習スケジュール
キャリアコンサルタント試験に必要な勉強時間
キャリアコンサルタント資格取得のための勉強時間は、養成講座での学習が150時間、学科試験への対策が100~200時間程度です。
併せて3ヶ月~6ヶ月程度の期間で勉強が必要になる方が多いでしょう。
国家資格キャリアコンサルタントを取得するための主な勉強は、主に厚生労働大臣認可の「キャリアコンサルタント養成講座」のカリキュラムをしっかりこなすことです。
3ヶ月の通信講座、10日間のスクーリングをあわせて150時間の講習を受けなければなりません。スクーリングは土日などの週末にまとめて受けることもできるため、現役のビジネスパーソンも多く講習を受けています。
※1クラスの人数の上限が20名と決められているため、振替授業を希望しても振替ができない場合もあります。(出席率は養成講座修了要件に関係してきます)
実技(論述・面接)は、しっかりキャリアコンサルタント養成講座に参加していれば合格できるようになるでしょう。しかし学科試験は、自分で努力して勉強をしなければなりません。学科試験の勉強時間の目安は100~200時間です。
養成講座の通信学習で知識が身についていれば、より短い勉強時間で対策が可能になるでしょう。
特に試験の直前には過去問を解く時間を取ることをおすすめします。
5回~6回と過去問を繰り返し解いていくと、自分の苦手分野がわかりますので、試験直前には繰り返し間違いやすいポイントを復習するようにしましょう。
また、学科試験の傾向を踏まえた模擬試験を受けると実力を確認することができます。
模試や直前対策を実施しているキャリアコンサルタント養成校もありますので、不安な方はそういったスクールで受講すると良いでしょう。
受験までの期間
国家資格キャリアコンサルタントの取得を目指す場合、最低でも3ヶ月は勉強の時間を確保しましょう。
余裕をもって受験したい場合、学科試験の対策を考えると、6ヶ月程度の期間を見積もると万全の準備ができるでしょう。
週中は自宅で通信講座を使って2~3時間は学科を勉強し、土・日などの週末はスクーリング(1日8時間)で実技を習得します。
学習スケジュール
キャリアコンサルタントの国家資格試験は年に3回行われます。※試験月は変動します。
仕事の繁忙期などを外して、自分が資格試験を受けたい月を決め逆算をして、4~5ヶ月前から「キャリアコンサルタント養成講座」に申し込むとよいでしょう。
もし、夏の時期(7月~8月)に行われる試験を受けたいとすれば、2月~3月に講習を受け始めて学科をコツコツ勉強し、5月~6月にスクーリングで一気に実技対策を仕上げるように予定を組むことができます。
一度、講習を受けてしまうと受験資格が付与されるので、もし仮に決めた月に試験を受けられなくても、1年のなかで都合のよい月に受けることができるのは助かりますね。
最短で国家資格キャリアコンサルタントに合格するには?
国家資格キャリアコンサルタント試験に最短で合格するには「キャリアコンサルタント養成講座」をしっかり受講することです。現在では、20近い養成講座実施機関が厚生労働大臣の認可を受けて講座を開催しています。
キャリアコンサルタント資格は、今後さらに講習時間が増えていくことが計画されています。注目する人が増えるにつれて、難易度も上がっていくことでしょう。早いうちに、キャリアコンサルタントを取得するためにチャレンジを始めたいですね!
キャリアコンサルタント資格は独学で取得できる?
実務経験が3年未満の場合は養成講座の受講が必須
実務経験がない方の場合は、独学のみでの資格取得はできません。
なぜならば、キャリアコンサルタントの国家試験には以下のいずれかを満たしていることが受験資格になっているからです。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程(養成講座)を修了している方
- 労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発および向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験がある方
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した方
- 上記と同等の能力をお持ちの方
そのため、実務経験が3年に満たない場合は、受験前に指定の養成講座修了が必要になります。
実際にJCDAでの第20回キャリアコンサルタント試験では、約9割の受験者が養成講座の修了者でした。
関連記事:
キャリアコンサルタント試験は独学でも合格可能?受験資格や対策は
キャリアコンサルタント試験を独学で受ける時の勉強時間
キャリアコンサルタント受験資格を満たしている場合は、独学での学習も可能です。
独学する際の勉強時間は、実務経験の量や職種によって異なりますが、厚生労働省が定める養成講習は150時間です。
独学をする場合は、150時間を目安にするとよいでしょう。
実務経験がある場合も実技試験には対策が必要
実務経験があり、受験資格を満たしている場合は、養成講座を受講しなくても問題ありません。
学科試験の対策テキストは市販されていますので、独学での対策も可能でしょう。
しかし、実技試験ではロールプレイ試験が出題されます。豊富な実務経験がある方でも、どんな形式で出題されるか知らない状態で対策をおこなうのは難しいのではないでしょうか。
JCDAの第21回キャリアコンサルタント試験における実技試験の結果を参照すると、養成講座を修了した方の合格率が約61.4%だったのに対し、実務経験を受験資格とした方の合格率は約44.7%と、大きな差がありました。
養成講座で対策をおこなえたか否かが、合格率に影響している可能性が考えられます。
養成講座を受講できるスクールでは、試験対策や実技試験の模擬テストを実施している場合もあります。
実務経験を受験資格として資格取得を検討している方も、スクールなどで対策をおこなうと合格への近道となるでしょう。
出典 JCDA(日本キャリア開発協会) 第21回キャリアコンサルタント試験 試験結果
試験対策講座の月額費用をスクール毎に比較
キャリアコンサルタント講座は受講料が20万円以上する講座が多いので、一括での支払いは躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらでは分割支払い可能な講座の最大分割での月額お支払い費用をまとめましたので参考にしてください。
スクール名 | 月額費用 | 講座URL |
---|---|---|
LEC東京リーガルマインド |
初回: 12,720円 2回目以降: 9,800円 36回払い |
講座詳細 |
日本マンパワー |
初回: 8,368円 2回目以降: 7,700円 60回払い |
講座詳細 |
地域連携プラットフォーム |
45,000円 6回払い |
講座詳細 |
CMCA(日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会) |
初回: 152,000円 2回目以降: 100,000円 3回払い |
講座詳細 |
日本産業カウンセラー協会 |
月々: 14,625円 最終回: 14,633円 24回払い |
講座詳細 |
リカレント キャリアデザインスクール |
初回: 15,500円 2回目以降: 15,500円 36回払い |
講座詳細 |
教育訓練給付金制度の利用で受講料の最大7割が戻ってくる
キャリアコンサルタントの養成講座は、国によるスキルアップの助成金「教育訓練給付金制度」のひとつである「専門実践教育訓練給付金」の対象となっている場合がほとんどです。
今回月額費用を比較した6校も、すべて専門実践教育訓練給付金の対象となっています。(2022年12月現在)
専門実践教育訓練給付金の対象講座は、条件を満たしていれば受講料のうち最大70%の給付金を国から受け取ることができます。
例えば30万円のキャリアコンサルタント養成講座を受講した場合、最大21万円の給付を受けることができます。つまり、実質9万円程度の費用で受講することが可能になるのです。
受給するには、雇用保険の被保険者期間などの条件を満たし、申請手続きをおこなう必要があります。
受講をご検討の方はこちらの制度も積極的に利用することをおすすめします。
関連記事 専門実践教育訓練給付金について詳しく
資料請求(無料) 教育訓練給付金制度対象のキャリアコンサルタント講座
キャリアコンサルタントとはどんな資格?
キャリアコンサルタントとは、就職や転職など相談者のキャリアに関係した助言(アドバイス)を行う専門職の名称であり、その業務を行うために取得が必要な国家資格です。
また、キャリアコンサルタントは名称独占資格となっており、資格を持っていない人が「キャリアコンサルタント」や紛らわしい名称を名乗ることはできません。
とはいえ、単に仕事を紹介するだけではありません。就職相談をきっかけとして、本人の仕事への意欲や課題を導き出し、 相談者の適性や経験を棚卸して、本人も気がついていない才能を開花させることもやりがいのある業務のひとつです。
昨今、学校や職場の人間関係は希薄になり、就職という人生の一大イベントに関して気軽に相談できる関係は消えつつあります。
キャリアコンサルタントとして、相談者に寄り添い将来への展望を一緒に考えて助言(アドバイス)を行う専門職は、 時代に特に求められている資格と言えるでしょう。
参考 厚生労働省 キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント
人の人生に深く関わり影響を与える
キャリアコンサルタントは、相談者が経験する人生の節目に立ち会い、就労を支援する仕事のため、援助される人の人生に深く関わり影響を与えます。
終身雇用制度が崩壊している時代のなかで、転職を繰り返す人は少なくありません。 自分の人生と仕事について考える人が多くなっているため「信頼できるアドバイザー」として、相談者の悩みに真に寄り添える人材が求められています。
キャリアコンサルタント資格を活かせる場
キャリアコンサルタント資格を活かせるのは、主に就職を斡旋する場所です。公的な職業紹介施設であるハローワークやジョブカフェ、職業訓練校などに勤務する人がいます。
また、新卒者の就職支援のために大学・大学院・専門学校などの教育施設に勤めるキャリアコンサルタントも少なくありません。 他に企業内カウンセラーとして活躍している方もいます。
関連記事:
キャリアコンサルタントの仕事内容
働き方と収入
派遣やパートタイマーとしてキャリアコンサルタントを行っている人も多く、年収はそれほど高くありません。ハローワークなどの相談員の仕事も非常勤が多いため、月収で15万~25万となります。
また、企業内で働くキャリアコンサルタントの場合は、その企業からの給与をもらうため、平均的なサラリーマンと同等の年収であると考えられます。
2018年に発表された独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査では「年収200万~400万円未満」と答えたキャリアコンサルタントがもっとも多かったようです。これは、民間の給与所得と大きく変わりません。
就職先別の参考年収
就職先 | 年収 |
---|---|
転職エージェント企業(正社員) | 440万円~1000万円以上 |
学校のキャリアコンサルタント(フル勤務) | 370万円~560万円 |
キャリアコンサルタント講師(フル勤務) | 340万円~430万円 |
フリーランスのキャリアコンサルタント | 250万円~380万円 |
関連記事:
キャリアコンサルタントの年収
独立できるの?
キャリアコンサルタントの資格のみで独立するのは簡単ではありません。独立している方は、同時に社労士などの他の資格を持ち営業していることが多いようです。
そのため、キャリアコンサルタントとして独立を目指す場合、単に収入をあげたいとか、自分自身のキャリアアップのみを考える人には向かないかもしれません。
就職相談を通じて、相談者の人生を手助けする仕事にやりがいを見いだし、ライフワークとして追求したい仕事として選びたい方に特におすすめの資格と言えそうです。
出典 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
キャリアコンサルタント資格を取得するメリット
キャリア相談や人材育成で活かせる知識・スキルが身につく
「キャリアコンサルタントの資格は役に立たない」という評判を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、キャリアコンサルタントは、キャリア相談や人材育成に携わっている方や、これから人材業界で活躍したいと考えている方には大いに役立つ資格です。
キャリアコンサルタントは業務独占資格ではないため、資格を持つ人しかできない業務はありません。また、取得すれば就職活動が必ず有利になるわけでもありません。
そのため、「キャリアコンサルタントは役に立たない資格」と感じる方もいるようです。
しかし、資格を取得する過程で学べるキャリアやカウンセリングにかかわる理論や、相談者を適切に支援するためのアプローチ方法、労働市場にかかわる知見は、キャリア相談を受ける際や企業での人材育成を考える際に直接活かすことができます。
もちろん実務経験を重ねることも大切です。しかし、基礎知識があるとないとでは、長く活躍していく中で大きな差が出てくるのではないでしょうか。
キャリアコンサルタントは人材業界でのキャリアを築きたいと考えている方に大きなメリットがある資格といえます。
今後も需要の高まるキャリア支援で活用できる
年々高まるキャリア支援の需要に応えられることが、キャリアコンサルタント資格を取得する大きなメリットといえます。
一つの会社に定年まで勤め上げる終身雇用制度は過去のものとなり、今や転職は当たり前のものになりました。
政府も国内の生産性を向上させるため、人材の流動化を推し進めています。
また、リモートワークや副業、パラレルワークなど、働き方も多様化が進んでいます。
労働者は様々な選択肢を持てるようになり、転職市場は今後も賑わいをみせることでしょう。
転職が盛んになるぶん、自身のキャリアプランや自分に合った会社探しで悩む労働者も増加します。
そんな労働者の転職をよりよい方向へ支援できるキャリアコンサルタントの需要も、転職市場の盛り上がりと共に高まっていくでしょう。
今後も活躍の場が増えていくキャリア支援の仕事で活躍しやすくなることが、キャリアコンサルタント資格取得の魅力です。
資格取得者が感じたメリット
キャリアコンサルタント資格を持っていることで社内や業界内で評価されると感じ、取得を考えました。
キャリアコンサルタント資格を取得するために学んだことは、実際に求職者と面談する際に役立つと感じることが多いです。
面談した方も親身になって話を聞いてくれるなど、資格取得者であることを評価していただけることもありました。
キャリアコンサルタント資格保有者の求人数と年収アップの可能性
キャリアコンサルタントの資格は、求人市場において非常に重要な要素となります。なぜなら、多くの企業がキャリアコンサルタントの資格を持つ候補者を積極的に採用しているからです。
求人市場での強み
キャリアコンサルタントの資格を持つことで、求人情報にアクセスする際の選択肢が広がります。キャリアコンサルタントの求人は、一般的に需要が高く、安定した職場環境やキャリアの成長が見込めることが多いです。さらに、キャリアコンサルタントの資格保有者は、人材紹介会社や人材派遣会社、大手企業など、さまざまな雇用主から求人案件が届く可能性が高まります。
年収アップのチャンス
キャリアコンサルタントの資格を持つことで、年収アップの機会が増えます。キャリアコンサルタントの求人は、高い専門性が求められるため、資格保有者には給与面での優遇措置がある場合があります。また、経験やスキルに応じてキャリアのステップアップや昇給が期待できることもあります。
キャリアコンサルタントの資格を持つことは、求人の幅を広げ、年収アップの可能性を高める重要な一歩です。求人情報をチェックする際には、キャリアコンサルタントの資格を持つことで得られるメリットを活かして、自身のキャリアの成長を見据えることが大切です。
関連記事 キャリアコンサルタントの年収・給料はどれくらい?年収アップ方法についても解説
キャリアコンサルタントが向いている人
人の役に立ちたいと考え、相手に寄り添える人
人に興味を持ち、人の役に立ちたいと考えている方であれば天職のような仕事になるでしょう。
また、どちらかといえば順風満帆の社会人生活を送ってきた人よりも、就職や転職の挫折や失敗を経験している人や、悩みを抱えつつ乗り越えてきた経験を持つ人が向いている仕事でもあります。
相談者は、就職という「壁」の前で自信をなくし、混乱しています。リストラを経験した人など、相談者の立場はさまざまですが、 いずれも「キャリアコンサルタントに分かってもらえた」という感覚を持っていただくことが大切です。
そのような感覚を持っていただくためにも、話される悩みにしっかり寄り添い、キャリアコンサルタントとして相談者の信頼を得られるかがポイントになります。
キャリアコンサルタントに求められること
キャリアコンサルタントの主な業務は、就職相談で相談者と一対一で面談を行うことです。そのため、この資格を志す人には、 心理職のカウンセラーと同様の資質が求められます。実際、産業カウンセラーやメンタルヘルスカウンセラー資格などを併せ持っているキャリアコンサルタントも少なくありません。
また、キャリアコンサルタントの国家資格は受験に合格し登録された後も5年ごとに更新があります。 そのため、新たな分野の知識を学び、絶えず自分の知識やスキルを進歩向上させようとする人が特に求められています。
資格取得を目指す前に確認しておきたいこと
国家資格キャリアコンサルタントの試験費用
国家資格キャリアコンサルタントは国家資格のなかでは、初期の試験費用が安く済むのが特徴です。
学科試験は8,900円で、実技試験(論述・面接)は29,900円です。
試験は、厚生労働省に認定されている特定非営利活動法人である「キャリアコンサルティング協議会(CCC)」および「JCDA(日本キャリア開発協会)」が実施しています。
国家資格キャリアコンサルタントの試験に合格すると、厚生労働省に有資格者としての登録を行う必要があります。手数料8,000円、および登録免許税9,000円がかかります。キャリアコンサルタント名簿に登録してはじめて「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。
資格は5年ごとに更新が必要
しかし、費用はこれだけではありません。キャリアコンサルタントは5年ごとに更新が必要な資格です。相談者の就職相談に応じるためには、最新の労働法に通じており、知識や技術をブラッシュアップしていかなければならないからです。
更新のためには、厚生労働大臣指定のキャリアコンサルタント更新講習(知識講習8時間・技能講習30時間)を受けることが義務づけられています。この費用は1単位あたり1万円~10万円です。そのため、キャリアコンサルタントの資格を維持するためには、5年ごとに最低でも30万円~50万円の費用がかかることは、あらかじめ知っておくとよいかもしれません。
しかし、この更新講習には免除条件があります。更新日(5年以内)に、キャリアコンサルタントの上位資格(国家資格)である「キャリアコンサルティング技能士」に合格すれば、更新講習は受けなくてもよいことになっています。
監修者プロフィール
2015年(平成27年)日本キャリア開発協会CDA、キャリアコンサルタント技能士2級を取得
同年、合同会社オフィスエスステップを設立
現在は大手金融機関・通信会社の新人研修や管理職研修に携わりながら、大学生向けの合同説明会講師やカウンセリング、高校生の進路ガイダンス(進学・就職講演、面接指導など)を行う。
また専門学校にてキャリアデザイン授業、個人向けに個別カウンセリング・登壇講師養成講座も開講。
【保有資格】
国家資格キャリアコンサルタント、日本キャリア開発協会CDA、女性労働協会認定講師、HA(ヒューマンアセスメント)アセッサー、ファイナンシャルプランナー2級、栄養睡眠改善アドバイザー、ランニングアドバイザ―