土木施工管理技士はこんな仕事
どんな資格・スキル
河川や道路、ダムや橋などの土木工事の現場で工事の安全性と品質を確保するために全体の指揮をとり監督する人のことを土木施工管理技士と言います。
建設業では受注する案件の規模によって土木施工管理技士の1級または2級の資格をもつ人材を各営業所に置くことが法律で義務づけられているため、土木・建設業界においては最も重要な資格と言えます。
資格・スキルの活かし方
土木施工管理技士の主な活躍の場は、河川や道路、ダムや橋などの工事を手がける建設会社です。1級施工管理技士は土木工場全般に関する広く深い知識と技術力をもって現場の指導・監督業務にあたり、2級施工管理技士は特定分野(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)の工事において施工管理業務を行います。
大規模な公共工事などでは、1級土木施工管理技士を現場に常駐させられることが入札の条件になっていることも少なくなく、「この資格を保有している従業員の数=その企業の競争力」と言っても過言ではありません。
資格をとるには?
土木施工管理技士は、工事の現場全体を監督するという大きな責務を負うため、ある程度の実務経験があることが前提となります。受験資格も「指定学科卒業後、×年以上の実務経験者」と厳密に定められているので、受験の際には注意が必要です。
なお2級の学科試験のみ、17歳以上であれば誰でも受験ができるようになりました。
給料・年収分析
土工の平均年収
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、土工の平均年齢は、正社員の場合で48.1歳で、勤続年数が9.3年であることがわかりました。そして給与に関しては、月収は29万2400円となりました。さらに平均年収は376万5400円で、年間ボーナスの平均が、25万6600円です。国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円だったので、土工の年収は、平均的な水準よりも低いことがわかります。この10年間ほどは、300万円~350万円前後を推移していたので、平成27年には、ようやく上昇傾向となりました。正社員の労働者数は8万人を超えていますが、日雇いの非正規労働者が多い仕事です。短期的・一時的な雇用契約であれば、所得は不安定ですが、正社員の場合は、安定した収入を得ることが出来ます。
【正社員】
平均年齢 48.1歳
勤続年数 9.3年
労働時間 170時間/月
残業時間 13時間/月
平均月収 292,400円
賞与 256,600円
平均年収 3,765,400円
労働者数 80,430人
【パート】
平均年齢 58歳
勤続年数 7.2年
実労働日数 14.3日/月
1日の平均労働時間 7.1時間/日
平均時給 1,244円
出典:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
パートで不動産鑑定士として働く
土工としてパート勤務する場合、時給は1244円です。平成28年3月度の時点で、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は977円でした。時給が最も高い首都圏でも1019円なので、公認会計士のパート勤務は、一般的な水準よりも高い時給が得られる仕事です。パート勤務の土工の場合、1日の平均勤務時間が7.1時間で、1か月の平均勤務日数は14.3日です。平均的な勤務日数・時間で働いたとすると、12万6303円の月収になります。ボーナスの5万1600円を含めると、年収は156万7240円になります。土工作業員が、パート勤務をする場合の多くは、工期ごとの契約になります。工期日数が短期間で終わる場合は、所得が不安定になります。そのため、休みが出ないように求人ニーズのある企業を転々とするパート作業員も少なくありません。
昇給について
土工として勤務をする場合、ハードな現場業務が多いため、仕事内容と収入がつり合わないという不満も少なくありません。そこで多くの労働者は、昇給やマネジメント業務を望みます。昇給をする最も確実な方法は、土工としての経験を積んでいくことです。ただし年齢を重ねると、収入が上がっても体力的に厳しくなります。そこで土工作業員として、管理者である現場監督に任される道を目指すと良いでしょう。現場監督で昇給が見込めるケースは、2つあります。まず資格・免許を取得することです。とりわけ「土木施工管理技士」や「建築機械施工技士」は重宝される資格です。資格手当が付きますし、2級よりも1級の上級資格があれば、活躍のフィールドが広がります。また大手のゼネコンに就職をすれば、給与水準が高い企業が多いため昇給が期待出来るでしょう。
試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 土木施工管理技術検定 |
試験日 |
【令和6年度 1級 第二次検定】 【令和6年度 2級 第一次検定(後期)・第二次検定】 |
試験区分 | 国家資格 |
主催団体 | 国土交通省 |
受験資格 | 2級土木施工管理技術検定試験の場合 実務経験が、以下のうち、いずれか1つの条件を満たすこと ・最終学歴が大学の場合:指定学科卒業後1年以上/指定学科以外卒業後1年6ヶ月以上 ・最終学歴が短期大学・高等専門学校の場合:指定学科卒業後2年以上/指定学科以外卒業後3年以上 ・最終学歴が高等学校の場合:指定学科卒業後3年以上/指定学科以外卒業後4年6ヶ月以上 ・最終学歴が上記以外の場合:8年以上 ※指定学科とは、土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学および建築学に関する学科をいう ※2006年より指定学科を専攻した卒業見込みの学生であれば実務経験がない人でも2級の学科試験のみ(種類は土木に限定)受験できるようになりました。 |
合格率 | - |
出題内容・形式 | 2級土木施工管理技術検定試験の場合 出題形式 ・学科:択一式で解答はマークシート方式 ・実地:記述 出題内容 【土木の場合】 学科試験:土木工学等/施工管理法/法規 実地試験:施工管理法 【鋼構造物塗装の場合】 学科試験:土木工学等/鋼構造物塗装施工管理法/法規 実地試験:鋼構造物塗装施工管理法 【薬液注入の場合】 学科試験:土木工学等/薬液注入施工管理/法規 実地試験:薬液注入施工管理法 |
検定料 | 1級 第1次検定:10,500円 第2次検定:10,500円 2級 第1次検定:5,250円 第2次検定:5,250円 第1次検定・第2次検定(同日試験):10,500円 |
問い合わせ先 |
一般財団法人 全国建設研修センター 試験業務局土木試験部土木試験課 http://www.jctc.jp/exam 〒187-8540 東京都小平市喜平町2-1-2 TEL:042-300-6860 |