認定心理士ってどんな仕事をするの?
認定心理士は、大学で心理学関連の単位を一定数修めたことを証明する資格の名称であり、認定心理士という職業があるわけではありません。
認定心理士の資格のみでは公認心理師や臨床心理士ほどの専門性は認められず、認定心理士の資格だけで心理関係の仕事に就くのは難しいといえるでしょう。
しかし、認定心理士の資格取得のために身につけた心理の知識・スキルは様々な仕事に役立ちます。
このページでは、認定心理士の資格・スキルが仕事にどう活用できるか、職種別にご紹介します。
看護師×認定心理士
患者さん・ご家族の方に精神的ケアに
看護師の方は患者さんやご家族と接する機会も多く、何かと頼られることが多いものです。認定心理士は看護師の方にも人気の資格であり、取得することでより自信をもって患者さんやご家族の方の精神的ケアに当たることができます。
中には、認定心理士の資格の取得により病院スタッフへのカウンセリングを新たに担当するようになったりと、仕事の幅が広がった例もあるようです。
介護の仕事×認定心理士
介護サービス利用者とのコミュニケーションに
介護サービス・介護施設を利用する方の身の回りのお世話、サポートはもちろん、時には良き話し相手になることも介護にたずさわる方の大事な仕事の一つ。認定心理士の知識とスキルは、利用者の方とのコミュニケーションや心理的ケアにも役立ちます。
一部の施設では、認定心理士の資格をお持ちの方に資格手当を支給しているところもあります。
保育士・学校の先生×認定心理士
子どもとの関わり方や保護者へのアドバイスに
保育士や学校の先生のお仕事にも認定心理士の資格が活かせます。
子どもと接する上で教育心理学や児童心理学、発達心理学の知識が活きてくるのはもちろん、子育てに悩む保護者への面談やアドバイスにも身につけた専門知識が役立ちます。
保育士・学校教員としての経験と認定心理士の資格を活かして、子育て支援など福祉系の職種に転向するケースもあるようです。
児童発達支援・放課後等デイサービス×認定心理士
行動や情緒に特性のある子どものサポートに
発達障害などの困難を抱える子どもをサポートする児童発達支援・放課後等デイサービスなどの仕事にも、認定心理士の資格取得者が求められています。こうした仕事には子どもへの理解が不可欠。心理学の知識を身につけ、適切な支援ができる人材が必要とされています。
求人サイトで「認定心理士」と検索した際に児童発達支援関連の仕事が検索結果に出てくることは多く、ニーズは高いといえるでしょう。その大部分が未経験者OKの求人となっており、子どもの発達支援に興味のある方、ほかに特別な資格を持っていないけれど心理学の知識を活かして仕事をしたいとお考えの方には適した選択肢といえます。
会社員×認定心理士
社員のメンタルケアに
一般企業にお勤めの方にも、認定心理士の資格は役立ちます。
特に管理職の方、人事部の方、部下の指導・育成を担う方など、社員のメンタルケアや職場環境に気を配る立場にある方が認定心理士の資格を取得するケースがあります。認定心理士で勉強したことを活かして産業カウンセラーの道を目指す方もいるようです。
そのほかにも、人と接する機会の多い営業職の方、消費者心理を考えるマーケティング担当の方など、心理学の基礎知識はあらゆる場面で役に立ちます。
まとめ
前述のとおり認定心理士という職業はなく、この資格だけで就職・転職が格段に有利になるということはありません。
しかし、心理学の知識を身につけた人材は福祉や医療、教育の分野から一般の企業にいたるまで様々な現場で必要とされており、認定心理士としての知識・スキルは仕事やキャリアアップの上で幅広く役立ちます。認定心理士の資格を取得しておけば心理学の基礎知識を身につけていることを客観的に証明でき、信頼感にもつながります。
心理の専門職を志す場合は、認定心理士の資格取得で学んだ内容を足掛かりに公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーなどの資格を目指してステップアップしていく道もあります。