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スクールカウンセラーに必要な資格は? 難易度別おすすめ資格を紹介

スクールカウンセラーに必要な資格は? 難易度別おすすめ資格を紹介

スクールカウンセラーは、子ども達の悩みに寄り添い、問題解決のために働きかける心理カウンセラーです。学校現場で重要な役割を担っています。今回は、スクールカウンセラーについて、仕事内容や必要な資格などをご紹介します。「子ども達の心のケアをしたい」「人の役に立ちたい」と考えている方で、スクールカウンセラーに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

更新日:2024-11-19(公開日:2023-08-03)

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スクールカウンセラーになるには?

スクールカウンセラーとは、学校現場に配置され、児童や生徒、保護者や教職員の相談に対応する専門家です。いじめの問題や不登校、学習に関する悩みから親子関係など、子ども達のさまざまな悩みに臨床心理に関する専門スキルを活かして支援します。

スクールカウンセラーは心理に関する専門的な知識や技術が求められるため、大学や大学院に進学して、臨床心理士や公認心理師などの心理に関する資格を取得している方が多いです。

各自治体の教育委員会や私立の学校の求人に応募して、採用されるとスクールカウンセラーとして働けます。

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スクールカウンセラーの仕事内容

スクールカウンセラーの主な仕事内容の一部をご紹介します。

カウンセリング

スクールカウンセラーの代表的な業務です。児童・生徒だけでなく、保護者や教職員の相談に応じます。

コンサルテーション

悩みを聞くカウンセリングに対して、コンサルテーションでは物事の見方や関わり方などアドバイスを行います。

カンファレンス

関係者がそれぞれの立場から現状を報告して、課題解決に向け対処法を話し合います。

研修・講話

教職員や保護者、地域に向けて、研修や講話などを行います。

査定、見立て、調査

心理検査を使った査定を行い、診断的観点から見立てや分析を行います。また、ストレスチェックなどの調査を行うこともあります。

予防的対応

症状や問題行動が発現する前に、カウンセリングを行うなど、予防的な対応をします。

危機対応、危機管理

学校で災害や事件などの危機的な状況が発生した際は、スーパーバイザーに支援を要請したり協議したりして対処します。

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スクールカウンセラーの勤務先

全国の学校の他、オンライン上での仕事も

スクールカウンセラーの主な勤務先は、全国の小学校や中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校、大学などの「学校」です。また、教育センターや放課後等デイサービスなどでの仕事もあります。
上記のような施設内で子どもたちや保護者、教職員と面談してカウンセリングを行う他、電話やメール、ビデオ通話などで相談を受けるといった働き方もあります。

複数の学校を掛け持ちするケースが多い

スクールカウンセラーを常駐させている学校は少ないです。ほとんどの場合は「週に1日」「月に1日」などと相談日が決められており、働ける日数は限られています。そのため、いくつかの教育機関を掛け持ちして仕事を行うスクールカウンセラーが多いのです。
また、本業として別の仕事(心理カウンセラー、大学教員、精神科医など)を持ち、副業でスクールカウンセラーをしている方もいます。

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スクールカウンセラーの働き方

スクールカウンセラーに必要なスキル

スクールカウンセラーの仕事には、次のようなスキルが必要になります。

専門的なスキル

悩みを打ち明けにくい児童・生徒達に対して、心を開かせる質問や傾聴を行ったり、専門知識に基づいてアドバイスをしたりすることから、臨床心理学の専門的なスキルが求められます。

チームワーク

スクールカウンセラーの仕事は、カウンセラーと相談者の1対1の関係だけではありません。児童・生徒の相談に対して、担任の教師や学年主任と連携を取ったり、外部の相談機関に依頼をしたりと、チームワークが求められます。

このようなことから、臨床心理学の専門的なスキルを積極的に学習する勉強熱心な方や、さまざまな関係者と協力して物事を進められる方はスクールカウンセラーの仕事に向いていると言えます

スクールカウンセラー以外の子どもに関するカウンセリング

スクールカウンセラーの求人には、臨床心理士や公認心理師などの資格を求められることが多いです。これらの資格は、大学や大学院で必要な科目を履修した上で、試験に合格する必要があり、資格取得までに時間や費用がかかります。そのため、今から資格取得を目指すとなると難しい方もいると思います。

学校現場でスクールカウンセラーとして働く以外にも、子どもの悩みに寄り添う仕事はあるため、いくつか例をご紹介します。

スクールカウンセラーに準ずる者

学校現場では、スクールカウンセラーだけでなく、スクールカウンセラーに準ずる者として、次のような人材を募集していることがあります。学歴や実務経験の条件を達成できる方は、「スクールカウンセラーに準ずる者」として募集している学校を探してみることをおすすめします。

・大学院修士課程を修了して、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を1年以上経験した者。
・大学または短期大学を卒業して、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を5年以上経験した者。
・医師で、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を1年以上経験した者。

民間のカウンセリング機関

心理カウンセラーとして、民間のカウンセリング機関で働く方法があります。学校での問題を得意とするカウンセラーとして専門分野を開拓したり、不登校やいじめなどの問題に特化した機関で働いたり、学校外の立場から子どもや保護者に寄り添います。

学校のサポーター

自治体によっては、スクールカウンセラーとしてではなく、地域のサポーターとして児童・生徒の相談相手や、生活指導の補助を行う者などを募集しています

放課後等デイサービスなどで働く

放課後等デイサービスとは、学校に就学している障害をもった子ども達が、放課後や休みの日に生活能力向上のための訓練や社会との交流を行うための場です。このような学校外の活動の場で働くことも、子ども達や保護者の相談・支援に繋がります。

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スクールカウンセラーの将来性

学校現場では、課題の早期発見や支援のため、スクールカウンセラーの役割が重視されています。

文部科学省の「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、小学校・中学校における不登校の児童・生徒数は244,940人に上ります
参考 令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
また、2016年から2021年にかけて小学校、中学校ともに不登校の児童・生徒数とその割合が増加しています。そして、不登校の児童・生徒の63.7パーセントに当たる156,009人は学校内外の機関で相談や指導などを受けています。

このような状況を受け、文部科学省はスクールカウンセラーの配置充実を進めています。さらに、2021年度からSNSなどを活用した相談体制構築の支援を全国に展開しており、子ども達の相談に対応できる存在は、非常に重要になっています。

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スクールカウンセラーの資格

スクールカウンセラーに資格は必要?

スクールカウンセラーになるために、特定の資格は定められていません。しかし、文部科学省では相談体制の充実を図るため、スクールカウンセラーの設置や活用に必要な経費を補助する制度を設けています。補助金の条件として、対象となるスクールカウンセラーには次のような要件があります。

スクールカウンセラー

・日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士の資格を持っている。
・精神科医である。
・児童や生徒の臨床心理について、高度な専門スキルを持っており、大学の学長や教授などの職に就いている、もしくは就いていた。

スクールカウンセラーに準ずる者

・大学院修士課程を修了して、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を1年以上経験した者。
・大学または短期大学を卒業して、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を5年以上経験した者。
・医師で、心理臨床業務もしくは児童・生徒を対象とした相談業務を1年以上経験した者。

採用の際には、これらの条件に当てはまる者が募集されるため、スクールカウンセラーの多くは、臨床心理士などの資格を持っています。

難易度別おすすめ資格

スクールカウンセラーを目指すには、臨床心理士の資格取得が一般的ですが、時間や費用がかかるため資格取得の難易度は高いです。

比較的に取得が簡単な資格もご紹介しますので、まずは簡単な資格から勉強したいという方や、スクールカウンセラー以外で子どもに関するカウンセリングの仕事をしたいという方は参考にしてみてください。

資格 主な取得方法 学習期間 難易度
メンタル心理カウンセラー 講座修了後、試験に合格する。 約2ヶ月 初心者向け
メンタルケアカウンセラー 講座を修了する。 約3ヶ月 初心者向け
チャイルドカウンセラー 講座修了後、試験に合格する。 約4ヶ月 初心者向け
臨床心理士 大学院を修了後、試験に合格する。 取得単位数による 上級者向け
公認心理師 大学・大学院を修了後、試験に合格する。 取得単位数による 上級者向け
認定心理士 大学で科目を履修する。 取得単位数による 上級者向け

メンタル心理カウンセラー

資格の概要

日本能力開発推進協会が認定する民間資格です。医療や福祉、教育、産業などさまざまな場所で求められるカウンセリングスキルを証明します。

取得方法

資格の取得方法は、認定教育機関などが行う教育訓練で、全てのカリキュラムを修了し、試験に合格することです。試験は在宅で受験でき、得点率70パーセント以上で合格です。尚、講座受講や受験には、学歴や実務経験の制限がなく、誰でも資格取得を目指せます。

学習内容

心理学やカウンセリングの基礎、カウンセラーとしての働き方を学びます。

心理学に関する基礎知識
・心理学の歴史
・社会心理学理論
・発達心理学理論
・学習心理学理論 など
カウンセリングに関する基礎知識
・積極的傾聴
・インテーク面接
・来談者中心療法
・ロジャーズ理論 など
カウンセラーとしての働き方
・話しやすい環境作り
・信頼関係の結びなおし
・開業までの流れ
・カウンセリング料金の決め方 など

カウンセラーとして必要な基礎知識だけでなく、開業の流れや料金設定など、実際に副業として働く際に必要な知識も身につけられます。心理系大学の学習内容から、心理カウンセラーに必要な知識だけがカリキュラムとなっているため、効率よく知識・スキルを身につけられます。

メンタルケアカウンセラー

資格の概要

メンタルケア学術学会、生涯学習開発財団、ヘルスケア産業推進財団の3つの団体が認定する民間資格です。心理学の入門知識やコミュニケーション向上で必要となる基礎能力を証明します。

取得方法

教育指定された講座で全てのカリキュラムを修了し、レポートの提出と修了認定テストで一定の成績を修めることで、資格が取得できます。講座の受講には、学歴や実務経験の制限がないため、誰でも資格取得を目指せます。

学習内容

カウンセリングの基礎知識や心理療法、人体やメンタルヘルスに関する内容を学習します。

チャイルドカウンセラー

資格の概要

日本能力開発推進協会が認定する民間資格です。不登校や学校内での暴力など、さまざまな問題行動に対応するための専門スキルを証明します。

取得方法

認定教育機関などが行う教育訓練で、全てのカリキュラムを修了し、試験に合格することで資格を取得できます。在宅にて試験を受験し、得点率70パーセント以上で合格です。講座の受講や試験の受験には、学歴や実務経験の制限がないため、誰でも資格取得を目指せます。

学習内容

子どもに関するカウンセリングに必要なスキルを学習します。

・チャイルドカウンセリングの役割と理念
・現代社会における子どもの問題行動
・子ども理解のあり方
・家族問題との関わり
・来談者との関わり  など

臨床心理士

資格の概要

日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。心の問題に取り組む専門家であることを証明します。スクールカウンセラーに求められる代表的な資格です。

取得方法

資格試験に合格することで、臨床心理士の資格を取得できます。ただし、試験を受けるためには、次の受験資格のいずれかを満たさなければなりません。
〈主な受験資格〉

・指定大学院や専門職大学院を修了する。
・医師免許取得後、心理臨床経験が2年以上ある。
・外国で、指定大学院と同等以上の教育歴があり、日本で心理臨床経験が2年以上ある。
 など

公認心理師

資格の概要

保健医療や福祉、教育などの分野において、心理学に関する専門的スキルを証明する国家資格です。名称独占資格のため、資格を持っていないと「公認心理師」という名称を名乗れません。

取得方法

資格試験に合格することで、公認心理師の資格を取得できます。ただし、試験を受けるためには、次の受験資格のいずれかを満たさなければなりません。
〈主な受験資格〉

・大学および大学院で必要科目を履修する。
・大学で必要科目を履修した後、特定の施設で実務経験が2年以上ある。
など

認定心理士

資格の概要

日本心理学会が認定する資格です。大学で心理学の基礎知識や技術を修得した者に対して、心理学の専門家に必要なスキルを持っていることを証明します。

取得方法

大学で学んだことを認定する資格のため、試験はありません。大学を卒業した者や卒業見込みの学生などが申請することで取得できます。

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スクールカウンセラーの雇用形態

非常勤職員が多い

スクールカウンセラーとして働く方の大半が、非常勤職員として雇用されています。雇用の契約期間は「4月から翌年3月まで」の1年単位であることが多いです。契約を更新してもらえる可能性もありますが、状況などによっても異なるため絶対とは言い切れません。自治体の教育委員会によって採用されている場合、契約更新ができたとしても、前年とは異なる学校に配置されるケースも考えられます。
また、「契約更新は通算で5年まで」などといった条件が設けられているところもあります。

定時での就業が一般的

スクールカウンセラーの出勤日数は、「1週間に1日」「1週間に4日」「1ヶ月に12日間」など、学校や自治体によってさまざまです。勤務時間も、1日あたり3時間だったり8時間だったりと幅がみられます。
定時での就業が一般的で、休日出勤もあまりありません。ただし学校行事などによっては、休みの日に出勤となる可能性はあるでしょう。
学校で勤務するスクールカウンセラーの場合は、児童・生徒たちが長期休み(夏休みや冬休みなど)に入ると仕事が休みになります。

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スクールカウンセラーの収入

平均年収は約580万円

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)のデータによると、全国のスクールカウンセラーの平均年収はおよそ580万円です。スクールカウンセラーの年収が全国平均を上回る都道府県には、東京都(約650万円)、宮城県(約620万円)、大阪府(約600万円)などが挙げられます。
年齢別の平均年収は、20~24歳で約360万円、30~34歳で約500万円。40~44歳が最も高く、約690万円となっています。

時給は資格や経験によって左右される

スクールカウンセラーは非常勤であることが多いため、給与は時給制(時間単価)や日給制がほとんどです。
給与の額は、所持している資格の有無やその種類、経験年数などによっても大きく左右されます。例えば文部科学省の報告によると、「スクールカウンセラーに準ずる者」の平均時給は3,000円程度、最低額は1,400円程度となっています。一方、臨床心理士や公認心理師の資格を持つ方、精神科医、大学教員などの「スクールカウンセラー」の平均時給は5,000円以上。中には7,000円以上になることもあるようです。

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まとめ

臨床心理士や公認心理師の資格を持っていると、スクールカウンセラーとして働ける可能性はグンと高まります。これらの資格取得が難しいと感じる場合には、子どもを対象とした相談業務などの経験を積み、「スクールカウンセラーに準ずる者」としての就職を目指すという方法もあります。また、心理カウンセラーや学校のサポーターとして、子どもたちの心と向き合うのもよいでしょう。

心理に関する資格の中には、実務経験や学歴が問われないものも多いです。まずは自分が取り組みやすそうな資格から挑戦して、カウンセリングスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

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