試験にも役立つ!心理資格クイズ5問【最上級編】
【第1問】
心理療法の創始者・開発者として、正しくないものはどれか。
①フォクト
②スキナー
③パールズ
④フロイト
【解答】②スキナー
【解説】スキナーは学習心理学・行動分析学を専門としており、オペラント行動の研究が有名です。フロイトは精神分析療法、パールズはゲシュタルト療法、フォクトは自律訓練法の創始者・開発者です。
【第2問】
心理検査に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1つだけ選び、答えなさい。
①認知症の重症度や症状を測定・評価するための心理検査は存在しない。
②CMI 健康調査票は医療保険の対象外である。
③SDS、CES-D、BDI-IIはいずれも、うつ病の重症度や症状について測定・評価するための質問紙である。
④ロールシャッハ・テストは作業検査法である。
【解答】③
【解説】ロールシャッハ・テストは投影法検査に分類されます。CMI 健康調査票は医療保険の対象です。認知症の測定・評価の心理検査として、HDS-R があります。
【第3問】
面接技法に関する次の【 】に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものを 1 つだけ選び、答えなさい。対面式のカウンセリングのことを【 ア 】とよぶ場合があり、いくつかの種類に分類できる。あらかじめ決め られた手順に沿って、決められた質問項目によって実施する【 イ 】、認知行動療法などの一部の心理療法が 該当する【 ウ 】、来談者中心療法の傾聴が該当する【 エ 】がある。
①(ア)面接 (イ)構造化面接 (ウ)非構造化面接 (エ)半構造化面接
②(ア)面接 (イ)非構造化面接 (ウ)非構造化面接 (エ)半構造化面接
③(ア)検査 (イ)構造化面接 (ウ)半構造化面接 (エ)非構造化面接
④(ア)面接 (イ)構造化面接 (ウ)半構造化面接 (エ)非構造化面接
【解答】④
【解説】面接はどこまで決め事・手順に沿って実施するのかによって、その構造が変化します。
【第4問】
心理カウンセリングにおける心理カウンセラーとクライアントのやり取りを読んだ上で、設問に対する解答 として正しい組み合わせを選び、答えなさい。なお、Co はカウンセラー、Cl はクライアントの発言内容とする。
Co.1:本日はどうされましたか。
Cl.1:いつも、ストレスを感じていて、リラックスできないんです。イライラすることが多くて、とても困っています。
Co.2:なるほど。ストレスを感じてリラックスできず、イライラしてとても困っているわけですね。
Cl.2:はい。そうです。
Co.3:もう少しストレスやイライラについて具体的にお聞かせいただけますか?
Cl.3:そうですね。仕事の対人関係でイライラすることがあります。ただ、それは仕事をしている上で、ある程度、仕方がないことだとも 思っています。なので、リラックスできれば、とりあえずはいいのかなと・・・。
Co.4:なるほど。イライラの原因は仕事の対人関係だと思われるんですね。 ただ、今はその対人関係の問題よりも、リラックスすることを優先したいわけですね。
Cl.4:そうなんです。何かリラックスできる方法はないでしょうか?
Co.5: 【 】
Cl.5:なるほど。これは誰にでもできるものなんでしょうか?
Co.6:はい。練習をすればどなたでもリラックスできるようになるかと思います。 【 】
Cl.6:わかりました。ちなみに、どのくらい練習すればできるようになるでしょうか?
Co.7:そうですね。あくまで平均ですが 【 】
(1)Co2 における心理カウンセラーの発言に含まれる技法として、正しいものはどれか選べ。
①受容・再陳述(繰り返し)・感情の反射
②受容・感情の反射・感情の明確化
③再陳述(繰り返し)・感情の明確化
④感情の反射・感情の明確化
【解答】①
(2)Co5 において心理カウンセラーが提案しているリラクゼーション技法として、最も適切なものはどれか選べ。
①ホット・シート
②想像エクスポージャー
③自律訓練法
④自由連想法
【解答】③
(3)Co6 の空欄において、提案したリラクゼーション技法について、心理カウンセラーが必ず説明しなければ ならないこととして、正しいものはどれか選べ。
①対面ではなく、非対面のオンライン上でも実施可能であること
②心臓疾患・糖尿病・低血糖・妄想などの症状がある場合は実施できないこと
③専用の医療機器を使用しなければならないこと
④医療保険の対象となること
【解答】②
(4)Co7 において、心理カウンセラーが述べる練習期間(習得期間)として、正しいものはどれか選べ。
①2〜3年程度
②2〜3週間程度
③2〜3日程度
④2〜3ヶ月程度
【解答】④
【解説】リラクゼーション技法として代表的な自律訓練法があり、心理カウンセラーがしっかりと習得していれば、有効な手法として実施できます。ただし、訓練という名の通り、練習しなければいけないので、平均的な 習得に要する期間を伝える必要があります。また、自律訓練法には禁忌事項があるので、必ず説明した上で、場 合によっては実施できないことを伝えましょう。
【最上級者向け】おすすめの心理資格は?
公認心理師
公認心理師は2015年に法律が成立し、2017年に施行された新しい資格です。
この資格は日本初の心理職における初の国家資格で、各方面から大きな期待を寄せられています。
近年、心の問題は複雑化する中、専門的な支援を提供できる国家資格の必要性が高まってきました。
公認心理師は、社会的ニーズに応えるべく誕生した資格で、心理学の知識と技術を用いて、心の悩みを抱える人々をサポートします。
資格の創設により、より多くの人が迅速で適切な心理的サポートを受けられるようになると期待されています。
公認心理師の資格を取るには公認心理師資格取得を目指す方は、主に3つのルートがあります。
また、臨床心理士の資格を持つ方や取得を目指して学んでいる方には特別措置も設けられています。
- 受験資格
- ①4年制大学で指定科目を履修後、大学院で指定科目を履修
②4年制大学で指定科目を履修後、指定の施設で2年以上の実務経験
③上記の①②と同等以上の能力や知識を有する者
④2017年9月15日より前に大学院で特定の科目を履修
⑤2017年9月15日より前に大学院へ入学後、2017年9月15日以後に指定科目を履修
⑥2017年9月15日より前に指定科目を履修(もしくは履修中)、2017年9月15日以後に大学院で指定科目を履修
⑦2017年9月15日より前に指定科目を履修(もしくは履修中)、認定施設で2年以上の実務経験
臨床心理士
臨床心理士は、心の悩みを抱える人をサポートするための高度な知識とスキルを持つ人材を認定する資格です。
日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、学校や医療機関、企業など幅広く需要があります。
臨床心理士の主な仕事は、心の問題を抱えている相談者へのカウンセリングです。
面接や評価を通して相談者の状況を把握し、適切な心理療法を用いて多角的な視点により心のケアを行います。
また、他の専門職との連携によって、相談者を取り巻く環境にも働きかけます。
心理学的な調査や研究活動も重要な仕事です。
臨床心理士の資格を取るには
臨床心理士の資格認定試験を受験するためには、日本臨床心理士資格認定協会が定めた受験資格基準のうち、いずれかに該当する必要があります。
さらに、その該当事項を証明できる資料の提出も、受験の条件になっています。
- 受験資格
- ①指定大学院(1種)修了した者
②指定大学院(2種)修了後1年以上の心理臨床経験を有する者
③学校教育法に基づく大学院の臨床心理学または関連分野の専門職課程を修了した者
④海外の同等以上の認定された大学院を修了後国内で2年以上の心理臨床経験を有する者
⑤医師免許取得者で2年以上の心理臨床経験を有する者
日本臨床心理士資格認定協会が公表している指定大学院・専門職大学院一覧
児童心理司
児童心理司は、児童相談所などで働く職員に、必要な専門知識を認定する資格です。
主な役割は、子どもや保護者の心理状態を診断することです。
児童福祉司や精神科医と協力して、子どもに合わせたサポート方法を見出します。
この役割を遂行するためには、深い心理学の知識が不可欠です。
また、家庭内虐待や非行の問題などに対応するために、教育や社会問題など、幅広い分野の知識も求められます。
児童心理司の資格を取るには
児童心理司は公務員であり、特に地方公務員上級試験に合格する必要があります。
さらに、児童福祉法に定められた任用資格要件(職務に求められている資格や条件のこと)を満たさなければなりません。
以下の条件を満たし、公務員試験に合格した後、児童相談所への配属を経て初めて児童心理司になれるのです。
- 受験資格
- ①教育学・心理学・社会学いずれかの学部を卒業後厚生労働省指定の施設で1年以上の実務経験
②その他の学部の卒業であれば都道府県知事が定める養成機関を卒業
心理カウンセラーの収入について
心理カウンセラーの年収
厚生労働省の職業情報サイトjobtag|カウンセラー(医療福祉分野)によると、平均年収は459.3万円です。
国税庁が出している令和4年分民間給与実態統計調査と比較すると、日本人の平均年収458万円をわずかに上回っていることがわかります。
しかし年収は保有する資格や雇用形態(常勤・非常勤)、経験年数などによって異なります。
そのため、この数字はあくまでも目安として参考にしてください。
スキルアップが収入を上げるポイント
心理カウンセラーとして収入を上げようとするには、単なる知識だけでは足りません。
相談者一人ひとりの複雑な悩みに対応するためには、心理学の専門知識だけではなく、実践を通したスキルを磨くことが不可欠です。
心理カウンセラーは資格がなくても働ける場合もありますが、専門スキルを磨くと他のカウンセラーとの差別化になり、自身の評価を上げる鍵になります。
専門性を高める方法の1つが難関資格の取得です。
たとえば国家資格の公認心理師や歴史ある民間資格の臨床心理士は、大学や大学院の受験資格が必要となるため、取得が容易ではありません。
しかし、これらの資格は社会的信頼度も高く、収入につながる可能性もあります。
また、自身の希望する分野に合わせて、精神保健福祉士や産業カウンセラーなど、複数の関連資格を取得することも効果的です。
まとめ
今回は、心理カウンセラーに関する知識を深めるクイズと、おすすめの心理資格や収入向上の方法について解説しました。
クイズ形式の学習は知識を深めるためにも効果的ですので、ぜひ活用してください。
心理カウンセラーとしてさらなるスキルアップを考えているのであれば、公認心理師や臨床心理士などの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。