着付け師を目指せる専門学校5選!
(1)織田きもの専門学校:和装専門課程きもの科【東京都】
まず、最初に紹介するのは、東京都にある「織田きもの専門学校」です。
織田きもの専門学校には、きものに関するさまざまなことを学べる専門課程である『和装専門課程きもの科』が設けられています。
きもののデザインやスタイル画から、染色、日本刺繍などからきものを仕立てる技術はもちろん、着付けやヘアメイク、PC基礎、きものビジネス論など多岐にわたり学ぶことができるようです。
つまり、きもの作りにおけるすべてのプロセスを学べるだけでなく、販売から人に着てもらう時まで必要となる知識や技術も習得できるとされています。
織田きもの専門学校の『和装専門課程きもの科』の学習内容は下記のようになっています。
● きもの科(2年制)
≪1年次≫
被服構成や着付けをはじめとする基礎を学ぶことができます。
そのほかにも、スタイル画や材料学、日本刺繍、カラー、意匠学、ヘアメイクなど、きものに関する基礎知識と技術をトータルに学べるようです。
≪2年次≫
1年次の基礎をふまえて、早さと美しさ、そして正確にきものを仕立てるための高度な技術を習得していく過程です。被服選択は2つのコースに分かれており、さらに専門的なノウハウを学べる課程です。また、着付けや染色などの技術もスキルアップしていけるとされています。
※ この『きもの科』を卒業後、ワンランク上の学習ができる『きもの専攻科』への進学が可能だそうです。
● きもの専攻科(1年制)
≪3年次≫
きもの業界で働きたい人がワンランク上を目指す人のためのクラスとなっています。
学校独自のカリキュラムが設けられており、より高度な技術と知識を身につけるだけでなく、実践的な応用力を養えるコースとなっているようです。
また、織田きもの専門学校では、授業の範囲でフォローを受けながら下記の資格が取得できるとされています。
これらは、就職活動の際のエントリーシートや履歴書に記載できる資格です。
・和裁検定 3・4級
・和裁技術検定 初級・中級・上級
・きもの文化検定 3・4・5級
・着付け認定 1~3級
【学費】2年総額:2,148,300円
(※学習用具購入費は含まれていません。)
【所在地】〒164-0001 東京都中野区中野5-32-8
※上記に記載している学費は参考価格です。年度などにより価格が変更となる可能性があります。
(2)学校法人 松徳学園 東京ファッション専門学校:きものファッション科テクニカルコース【東京都】
次に紹介するのは、こちらも東京都にある「学校法人 松徳学園 東京ファッション専門学校」です。
東京ファッション専門学校は、東京・銀座の百貨店である「松屋」が、1913年(大正2年)に創設した専門学校で、100年以上の伝統を持っています。
この学校は認可を得た「厚生労働大臣和裁技能検定・職業訓練指導員指定校」にもなっており、「和裁技能士」および「職業訓練指導員」の受験に適合していると認められたカリキュラムを採用しているようです。
また、和裁技能士受験に必要な実務経験が修学年数で免除されることも特徴です。
今回取り上げる『きものファッション科テクニカルコース』では、20名の定員が設けられており、2年間で初歩の実技指導から高度な技術と理論の習得を目指し、検定試験を目指すカリキュラムとなっているようです。
初歩の実技は基礎である運針から始め、肌襦袢、浴衣と進むことで、和裁技術の基礎をしっかりと習得、2年間で「きもの」を縫う技術だけでなく、柄・模様合わせができるまで学ぶ指導内容とされています。
さらに、着付けを学び、実技だけでなく、きものの歴史や染め、文様、産地の知識などを身につけて、和服全般にわたる専門性を高めます。
学習時間は年間1,170時間で、「きもの着付け課程修了証」が2年次卒業者に授与されます。
この専門学校で取得できるとされている資格および受験資格は下記のとおりです。
≪資格≫
・服飾専門士の呼称の授与:文部科学省認定
・服飾学校教員3級資格:(社)東京都服飾学校協会認定
・きもの着付け課程修了証:2年次卒業者に授与
≪受験資格≫
・和裁技能士検定3級:厚生労働大臣認定
・和装検定3級:東京商工会議所認定
卒業後の進路としては、このようなものが多いようです。
〇和装士
きものを手縫いやミシンで仕上げる和裁の専門家です。
〇きものアドバイザー
販売の第一線で顧客のニーズに応える仕事です。きもの全般に渡って顧客が満足するようにアドバイスを行い、販売に結び付けます。
〇ブライダルコンサルタント
結婚式で着る衣装全般(和装・洋装)だけでなく、ヘアメイクやスタイリング、メイクまでをトータルにアドバイスし演出する仕事です。
【学費】2年総額:1,510,000円
(※別途教材費など)
【所在地】〒104-0044 東京都中央区明石町2-1
※上記に記載している学費は参考価格です。年度などにより価格が変更となる可能性があります。
(3)東洋きもの専門学校:きもの科【大阪府】
次に紹介するのは、大阪府にある「東洋きもの専門学校」です。
東洋きもの専門学校は、単に「着付けだけを学ぶ」、「和裁だけを学ぶ」という形ではなく、きもののデザインやコーディネートはもちろん、ヘアスタイリングやメイクアップなどのきものにまつわることを幅広く総合的に学ぶことができる、きものの専門学校です。
50年以上の歴史があるこの学校は、さまざまなつながりを持っており、在学中でも商品の共同開発に参加したり、インターンシップとして企業で働いたりと、さまざまな経験が可能とされています。
この学校には、「自分できものを作りたい」、「ブライダル業界で働きたい」、「着付け講師になりたい」、「和の文化を広めたい」など、さまざまな声に応えて多様な学び方ができる「4分野のプログラム」が用意されています。このプログラムで斬新な発想力、新たな融合文化を創造できる能力を身につけ、それぞれの個性を開花させることを目指しているそうです。
2年制のきもの科では、『きもの総合コース』と『きものエクセレントコース』の二つのコースが用意されています。
● きもの総合コース
高校卒業者を対象とし、縫製の技術や着付けを中心に学ぶことで、きものスペシャリストの育成を目指すとされています。
● きものエクセレントコース
大学・短大・専門学校卒業者を対象とするコースです。
ハイレベルな専門知識と技術の取得を目指すとされています。
東洋きもの専門学校では、専門性の高い業界で活躍できる人材を育成するため、積極的な資格取得を推奨しています。
取得目標資格は下記のとおりです。
・きもの総合コース:専門士の称号、和裁技術検定、色彩検定、きもの着付、きもの文化検定
・きものエクセレントコース:専門士の称号、国家技能検定和裁技能士3級受験資格、和裁技術検定、色彩検定、きもの着付、きもの着付け教員認定着付准講師、きものコンサルタント、きもの文化検定
毎年90%以上の就職率を誇る東洋きもの専門学校の卒業生は、きもの業界だけでなくブライダル関係やフォトスタジオ、また、舞台や映画などのエンターテインメントビジネスなど、知識と技術を生かして幅広い分野の職業で活躍しているようです。
【学費】初年度納入金合計
・きもの総合コース:800,000円
・エクセレントコース:740,000円
(※別途、年間教育活動費など)
【所在地】〒535-0021 大阪府大阪市旭区清水1-1-6
※上記に記載している学費は参考価格です。年度などにより価格が変更となる可能性があります。
(4)奈良きもの芸術専門学校:きものトータル学科【奈良県】
次は、奈良県にある「奈良きもの芸術専門学校」についてご紹介します。
奈良きもの芸術専門学校の『きものトータル学科』は、ブライダル企業やきもの企業で活躍することができる「きものトータルプロ」を養成することを目的としたコースです。
2年制のこのコースは運針から始める和裁実習はもちろん、きもの学や染色学、服装史、着付けからきもの販売やディスプレイなどのきもの専門科目を学べる内容になっているようです。
その他にも、マーケティング、ビジネスマナー、販売士学、コンピュータ、簿記などのビジネス関連科目、さらに茶道や華道など多彩なカリキュラムが用意されているようです。
きもの業界への深い知識を修得できるだけではなく、幅広いビジネススキルを身につけることもできるようです。
2年間の学習で「着付け〔普通科〕・〔本科〕」が取得可能となっています。
ビジネス関連資格では、秘書技能検定や販売士、簿記などの取得も目指せるカリキュラムとなっているようです。
カリキュラムは下記のように設定されています。
≪1年次≫
・ベーシックコース
運針から学習を始め、肌襦袢や浴衣、長襦袢と段階を追って、和裁の基礎を学べます。
また、実際にきものを着る人の体型にあった寸法を割り出すことにより、着やすいきものの仕立て方の修得を目指します。
同時に、茶道や華道、着付け、販売士、コンピュータ実習、簿記なども幅広く学習できます。
≪2年次≫
・アドバンスコース
ベーシックコースで学んだことの復習をするとともに、袷きもの、袷羽織、振袖などの講義と実習が行われます。さらに、きもの関連企業などの企業研修も実施されます。
きもの業界でプロとして働く将来を目指して、活発な就職活動を開始できます。
2年間の課程を修了すると、卒業時全員が「専門士」の称号を取得できるとされています。
修了後、希望者はさらに高度な技術と知識を学べる「和裁テクニカル学科3年次」への編入も可能だそうです。
【学費】2年総額:1,620,000円
【所在地】〒630-8226 奈良県奈良市小西町33
※上記に記載している学費は参考価格です。年度などにより価格が変更となる可能性があります。
(5)専門学校 山形V.カレッジ:ファッション・プロモート科【山形県】
今回、最後に紹介するのは、山形県にある「専門学校 山形V.カレッジ」です。
山形V.カレッジは、日本の文化であるきものについて総合的に学ぶことができる山形県内唯一の専門学校です。
この学校の『ファッション・プロモート科』は、和服の基本である運針縫いからスタートして本格的なきものづくりの基礎を学び、さらに新素材のきものの提案と、高度なテクニックを身につけていく内容とされています。
それだけではなく、新しい海外縫製やハイテク時代を迎えていることを踏まえ、CAD、ディスプレイ、マーケティング、色彩など、さまざまな面から総合的に学び、基本的なデザイン画の他、コンピュータによるデザイン構成、その後のプレゼンテーションまで高度な専門技術の学習をすることで、デザインや販売、プロモーションなど服飾業界で広く活躍できる人材の育成を目標としているそうです。
和裁士や着付け師、きもののアドバイザーやコンサルタントはもちろんのこと、パタンナーや販売員、ファッションアドバイザーなども目指すことができるカリキュラムが用意されています。
主な履修科目は、和服構成と制服(基礎・応用)の他、着付け、茶道、服装史、被服学、クラフト、ビジネスマナー、マーケティング、被服学、Photoshopなどで、和裁技術検定、技能検定和裁、着付け検定、カラーコーディネーター検定が取得可能とされています。
【学費】2年総額:2,050,000円
(※別途、教科書・教材費・検定受験料等などは実費)
【所在地】〒990-0834 山形県山形市清住町一丁目4-41
※上記に記載している学費は参考価格です。年度などにより価格が変更となる可能性があります。
着付け資格を目指せるおすすめスクール
長沼静きもの学院(通学/全国)
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一般財団法人 民族衣裳文化普及協会(通学/全国)
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着付け技能スクール メイクボックス(通学/大阪)
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まとめ
ここまで、着付け師を目指せる各地の専門学校を紹介してきました。
どの学校も、きものを作るための技術やそれに関する知識を基礎からしっかりと学び、将来きものに関するプロフェッショナルとして活躍するための高度な技術や知識を身につけることを目的としていることがおわかりいただけたのではないかと思います。
また、茶道や華道というきものと縁の深い学びの場を提供しているという学校もありました。
さらに伝統的な「きもの」という文化を取り扱う学校でありながら、新しい素材や製法などで作るきものを提案したり、コンピュータを用いることで色彩やプレゼンテーションに関する技能を習得したりと、多彩なカリキュラムを用いているところもあるようです。
このように学校ごとに取得できる資格や特徴が異なりますので、学校をお選びの際は着付け師の勉強をするとともに一緒に学びたいことや、取得を検討されている資格も合わせて総体的に検討されてみてはいかがでしょうか。