食育インストラクターとは?
食育インストラクターの資格について
食育インストラクターとは、子どもから大人まで実践できる「食育」を理解し、健康管理や食習慣の専門的な知識・技術を習得するための資格です。
料理評論家で食育の第一人者である服部 幸應氏が理事長を務める、NPO日本食育インストラクター協会が認定している資格となります。
食育インストラクターは、食育の理解・実践のレベルに応じて、ベースとなる「プライマリー」から4~1級の5段階に分かれています。
食育インストラクターは芸能人も取得しています
私たちの生活にとって切っても切れない「食」は、メディアからの情報発信も多く、食育インストラクターの資格を取得し、活躍する芸能人がいます。
食育インストラクター資格を取得した芸能人
食育インストラクターを取得している有名芸能人は以下の方々です。
- 和田 明日香さん(タレント・美容料理研究家、義母は料理愛好家の平野レミ氏)
- 安田 美沙子さん(タレント)
- 菅本 裕子(ゆうこす)さん(実業家・元HKT48メンバー)
- 保田 圭さん(タレント・元モーニング娘。メンバー)
- ギャル曽根さん(タレント・グルメコメンテーター)
いずれの芸能人の方も、多忙なスケジュールを縫って食育インストラクター資格を取得されたようです。
食にまつわる仕事を多くこなしている芸能人の方もいらっしゃることから、食育インストラクターの活躍の場は広いことが伺えます。
食育インストラクターの等級は5段階
等級ごとの資格の取得方法や難易度は?
食育インストラクターの資格は、知識や実践レベルに応じて5段階に分かれています。
等級ごとの学習内容や資格の取得方法を以下に紹介していきましょう。
プライマリー:在宅で受験可能な初心者向け資格
学習内容
通信講座にて食育の3本柱や基礎知識を学び、日常生活に活かせるようになることが目的です。
1.安心・安全・健康の選食能力を養う
2.衣食住の伝承・しつけは共食『家族の団欒』
3.食糧問題やエコロジーなど、地球の食を考える
安心・安全な食材の選び方や食のマナー、食べ物への感謝、エコロジー的視点などが主なカリキュラムです。
プライマリーの取得方法
協会指定の通信教育講座である、がくぶん「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講し、修了することで資格が取得できます。
指導課題を提出し、最終課題において70点以上得点すると合格、資格が授与されます。
難易度
易~普通レベル。
講座および試験は在宅での受験が可能であり、試験の制限時間もありません。
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食育インストラクター4級:食育の基本知識を身につける
学習内容
食育インストラクターの4級は、食育をふまえた家庭料理の基礎技術を習得し、日々の生活に活かせることを証明できる資格となります。
プライマリーは通信講座のみで完結しますが、4級からは調理の実技講習や食育授業の受講などが求められます。
食育インストラクター4級の取得方法
取得方法は2通りあり、協会の養成推進校に通学する、または、協会主催の研修会に参加します。
取得方法 | 要件 |
---|---|
協会の推進校に通学する | ・調理実習を6単位分受講(調理師学校に通う方は調理実習免除) ・食育授業を6単位分受講 ・食育筆記試験の点数が60点以上 |
協会主催の研修会に参加する | ・資格認定研修会を6単位分受講 ・調理実技講習の受講および調理実技筆記試験の点数が80点以上 ・食育筆記試験の点数が60点以上 |
難易度
普通レベル。
筆記試験があるため、知識をしっかりと身につける必要があります。
食育インストラクター3級:現代の食問題をとらえる
学習内容
食育インストラクターの3級は、食育の重要性を理解するとともに調理技術を向上させ、日々の生活で食育を実践できることを証明する資格です。
食材や五大栄養素など栄養学の基礎知識、食習慣、マナー、環境問題など、基礎から時事的分野までが学習範囲となっており網羅的に学習します。
日ごろから食や食育への興味関心を強く持つことで、知識を深めやすくなるでしょう。
食育インストラクター3級の取得方法
取得方法は4通りあり、それぞれ以下の要件を満たす必要があります。
取得方法 | 要件 |
---|---|
プライマリー取得者で推進校に通学する | ・調理実習を20単位分受講 |
4級取得者で推進校に通学する または 4級取得者で全料協(※1)「上級」資格の取得者 |
・調理実習を20単位分受講 ・食育授業を6単位分受講または3級資格認定研修会を6単位分受講 ・食育筆記試験の点数が60点以上 |
プライマリー取得者で推進校に未通学 | ・調理実技筆記試験の点数が80点以上 |
食育関連の国家資格取得者(※2) または協会会員 |
・3級資格認定研修会を6単位分受講 ・食育筆記試験の点数が60点以上 |
(※1)全料協:一般社団法人全国料理学校協会の略称
(※2)食育に関する国家資格 :
管理栄養士、栄養士、専門調理師、調理技能士、調理師、家庭科教諭、医師、歯科医師、看護師、介護福祉士、保育士、保育ママ、歯科衛生士、製菓衛生師、獣医師、薬剤師、 小・中学校教諭、短大・大学の食物科・栄養科等卒業者または卒業見込者、食育に関する国・地方公共団体からの特別業務就業者 など
資格認定研修会はオンライン開催される場合もあるため、詳しくは協会ホームページをご確認ください。
難易度
普通レベル。
食育インストラクタープライマリーや4級をあらかじめ取得している場合は、調理実習の受講が免除になるなど保持資格によって取得条件が異なります。
協会のホームページで確認しておきましょう。
食育インストラクター2級:食の安心安全についての知識がある
学習内容
食育インストラクターの2級は、食育に関する広範な知識の習得と、基礎知識をわかりやすく伝える力が試されます。
研修は1・2級合同で実施され、内容も「食の安心・安全」「食の伝承」のような背景知識から、「食の環境」「食育活動」などの今日的な話題まで多岐にわたります。
食育インストラクター2級の取得方法
取得方法は3通りあり、それぞれ以下の要件を満たす必要があります。
取得方法 | 要件 |
---|---|
3級取得者で推進校に通学する または 食育に関する国家資格の取得者や全料協「准教師(助教員)」以上の取得者 |
・調理実習40単位分受講(国家資格や准教師以上取得者は調理実習免除) ・2級資格認定研修会12単位分受講または協会認定食育授業12単位分受講 ・食育筆記試験の点数が70点以上 |
3級取得者で推進校に未通学 | ・2級資格認定研修を12単位分受講 ・食育筆記試験の点数が70点以上 ・調理実技筆記試験の点数が80点以上 |
プライマリー+食育に関する国家資格取得者 | ・2級資格認定研修会12単位分受講 ・食育筆記試験の点数が70点以上 |
難易度
食育筆記試験合格のボーダーラインが3級よりも上がり、合格には70点以上が必要です。その分難易度が高くなっているといえるでしょう。
また、調理実技筆記試験は80点以上の得点が必要です。
食育インストラクター1級:食育レシピの提案ができる
学習内容
食育インストラクターの等級の中で最上級である1級。
食育全般の幅広い知識と、料理や栄養、健康、衛生などそれぞれの分野における専門知識を身につけており、それらを伝えるための普及活動を自主的に進めることができる証明の資格です。
食育インストラクター1級の取得方法
2級資格取得後1年以上の実務経験者、または栄養教諭(学校における食育教育を推進・指導するために2005年に創設された資格で、食に関する体系的な指導を担う)が対象です。
食育メニューの提案および、食育活動報告書(抱負に関する論文含む)の提出が義務付けられているのが、最上級の資格である特徴といえるでしょう。
報告書に関しては継続的な活動である必要はありませんが、何らかの活動をおこなわないと資格が取得できません。
取得方法 | 要件 |
---|---|
2級取得者 | ・2級取得後1年以上の食育実務経験 ・1級資格認定研修会を12単位分受講 ・食育筆記試験の点数が80点以上 ・活動報告 ・食育レシピの提案 |
栄養教諭 | ・1級資格認定研修会を12単位分受講 ・食育筆記試験の点数が80点以上 ・食育レシピの提案 |
難易度
食育インストラクターの1級を取得するには、食育インストラクター2級、もしくは栄養教諭資格を取得していることが前提です。
そのうえで資格取得研修会への参加や、食育レシピの提案、活動報告などがあり、ほかの等級と比べて、より高難度かつ実践的な内容といえるでしょう。
資格取得にかかる費用と学習期間の目安は?
資格取得費用
食育インストラクター資格の取得費用は以下の通りです。
級 | 受講料 | 受験料 | 申請料 |
---|---|---|---|
プライマリー | 39,000円 | 受験なし | 6,600円 |
4級 | 調理実習、食育授業各6単位分の受講料 | 2,200円 | 6,600円 |
3級 | 10,000円もしくはこれに調理実習20単位分の受講料 | 5,500円~11,500円 ※保持資格により異なる |
6,600円 |
2級※会員 | 13,000円もしくはこれに調理実習40単位分の受講料 | 5,500円~11,500円 ※保持資格により異なる |
8,800円 |
2級※非会員 | 25,000円もしくはこれに調理実習40単位分の受講料 | 5,500円~11,500円 ※保持資格により異なる |
14,300円 |
1級※会員 | 13,000円 | 11,000円 | 16,500円 |
1級※非会員 | 25,000円 | 11,000円 | 27,500円 |
※上記価格はすべて税込みです。
参考 NPO日本食育インストラクター資格取得フローチャート
どのくらいの学習時間が必要?
プライマリーの学習時間
通信講座を受講することで資格取得が可能です。
通信講座の標準学習期間は6ヶ月となり、最短3ヶ月で取得する方もいるそうです。
4級の学習期間
資格取得までの期間は3ヶ月程度が目安となります。
調理実習と食育授業の単位取得が必要となるため、お近くのNPO日本食育インストラクター養成推進校のスケジュールを確認しておきましょう。
3級の学習時間
食育に関する国家資格を保有しているか、プライマリーもしくは4級を取得していることが3級取得の前提条件となります。
比較的3級を取得しやすい、筆記試験不要のルートと学習期間を以下に紹介しましょう。
- プライマリーを取得している方が推進校に通学し、調理実習を修了する方法…調理実習計30時間
2級の学習時間
- 3級取得者
- プライマリー+食育に関する国家資格等取得者
- 全料協「准教師(助教員)」以上取得者
以上いずれかが2級取得の前提条件となります。
3級取得者で推進校に通学する場合は、調理実習だけで計60時間履修する必要があります。さらに計9時間の食育授業または研修会も受講しなくてはなりません。
また、いずれのルートでも筆記試験があるため、余裕を持ったスケジュールが大切でしょう。
1級の学習時間
2級もしくは栄養教諭資格を取得していることが前提条件となります。
2級取得者が1級を目指す場合は、2級取得後より1年以上の食育実務経験が必須となります。
また、栄養教諭資格も短大や4年制大学などの養成校を卒業している必要があるため、元々栄養教諭資格を保持しているといった場合でない限り、1級の取得までには年単位での時間がかかることが想定されます。
食育インストラクターの資格は家庭だけでなく仕事でも役に立つ!
食育インストラクターは自分や家族の食生活など、家庭ではもちろん、幼稚園や保育園、学校、食品メーカー、高齢者施設、病院などでも活かせることができます。
家庭での活かし方
食育インストラクターは、食材を見極めるポイントや家庭でのレシピを学びます。
そのため、学んだその日から実践できるのというのが嬉しいメリットでしょう。
野菜が苦手な子どもへの克服レシピや、食材を使い切る方法、乳幼児や小学生など子どもの年齢に合わせた食事などを具体的に学ぶことができます。
幼稚園や保育園、学校など教育現場での活かし方
栄養バランスのとれた給食を提供するだけでなく、子どもたちに食の楽しさや大切さ、マナーなど食育の基礎を伝えることができます。
子どもの食問題が取り上げられることも多い昨今、食について正しく伝えられる食育インストラクターの存在は重要です。
食品メーカーでの活かし方
食育や糖質オフなどの健康的な食ブームもあり、食育インストラクターで学んだ知識を活かして商品開発をおこなうこともできます。
食育インストラクターは履歴書にも記入できる資格のため、食関係の求人への応募にも有利になる可能性があります。
高齢者施設や医療現場で活かせる
入所者の方や患者さんの献立を立案する際にも、食育インストラクターの資格が役立つでしょう。
塩分や糖分をおさえて、栄養バランスのとれた食事を提供するためには専門知識が必要不可欠です。
食育インストラクターの知識で、健康的な食事を考案することができます。
食育インストラクター「プライマリー」が取れる通信講座
がくぶん【服部幸應の食育インストラクター講座】
服部幸應先生が監修・指導をしている食育インストラクター講座です。
3ヶ月~6ヶ月の学習期間で食育インストラクター「プライマリー」の資格が取得できます。
付属のDVDによる動画講義は、ドラマ仕立てで楽しくわかりやすく、繰り返し学習することが可能です。
ヘルシーな時短レシピや子どもの年齢別食育ポイントなど、普段の生活で役に立つ情報が盛りだくさん。
通信講座なので、時間や場所を選ばず学習が進められるのも大きなポイントでしょう。
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食育インストラクターの試験情報
- 主催団体
- NPO日本食育インストラクター協会
- 試験区分
- 民間資格
- 受験資格
-
■4級
(1)協会推進校の通学講座で調理実習6単位取得、食育授業6単位取得の者
(2)NPO協会主催「食育インストラクター4級資格認定研修会」1日受講(含む実技)した者
■3級
(1)NPO日本食育インストラクター4級取得者
(2)プライマリー取得者(※食育筆記試験免除)
(3)食育に関する国家資格取得者
(4)4級取得者または全料協「上級」取得者で推進校に通学し、調理実習6単位取得、食育授業または3級資格認定研修会にて6単位取得した者
■2級
(1)NPO日本食育インストラクター3級取得者
(2)プライマリー+食育に関する国家資格等取得者
(3)全料協「准教授(助教員)」以上取得者
■1級
(1)NPO日本食育インストラクター2級取得後、1年以上の食育実務経験がある者
(2)栄養教諭
- 合格率
- ―
- 出題内容・形式
-
■4級
・出題範囲:食育調理技術の基礎
・出題内容:調理実技筆記試験(合格点80点)、食育筆記試験(合格点60点)
■3級
・出題内容:調理実技筆記試験(合格点80点)、食育筆記試験(合格点60点)
■2級
・出題内容:調理実技筆記試験(合格点80点)、食育筆記試験(合格点70点)
■1級
・出題内容:食育筆記試験(合格点80点) - 日程
- ―
- 検定料
-
■プライマリー:検定なし
■4級:2,200円
■3級:5,500円~11,500円
■2級:5,500円~11,500円
■1級:11,000円
※いずれも各種受講料や申請料は別途必要。 - 問い合わせ先
-
NPO日本食育インストラクター協会
http://www.npo-shokuiku.com/
東京都新宿区歌舞伎町1丁目24番3号 - 補足情報
-
NPO日本食育インストラクター協会では豊かな食卓づくりを生涯にわたり提唱し、営むとともに正しい食育を指導できる人の養成を目的にしています。食育インストラクターは取得した資格のレベルに応じて、求められる「食育」を推進するレベルも上がっていきます。
活躍の場は人々が「食」に触れる機会があるところすべてが活躍の場となります。勤務先としては、学校や病院、福祉施設はもちろんのこと、食品・製薬関連の企業および研究所や、食べ物を扱うスーパー・デパートなどが候補にあげられます。
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ココがポイント!
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