食育資格の種類一覧
食育には国家資格など公的な資格はありません。
民間の団体がそれぞれに資格を設定しており、カリキュラムや試験内容もさまざまです。
代表的な資格を以下に紹介します。
食育インストラクター |
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NPO日本食育インストラクター協会が認定する民間資格。食育の理解や実践のレベルによってプライマリー・4級・3級・2級・1級の5段階で資格を認定。プライマリーは指定の通信教育講座を修了することで取得可能。食育の第一人者・服部幸應氏が監修・指導。 |
フード・インストラクター |
NPO法人みんなの食育 が認定する民間資格。食べ物を選ぶ力、食材の栄養と機能、調理方法、味覚形成、食べ物の生育に関する知識、流通や品質表示、安全表示などを学習。 |
食育アドバイザー |
一般財団法人 日本能力開発推進協会が認定する民間資格。正しい食の基礎知識を持つ食育のスペシャリストを育成し、食を通したコミュニケーション能力の程度を審査。指定の通信講座の受講と在宅試験で資格を取得可能。 |
食生活アドバイザー® |
一般社団法人 FLAネットワーク協会が認定する民間資格。食生活を総合的にとらえ、健康な生活を送るために的確な指導やアドバイスをするスペシャリストを認定する。検定試験は、3級・2級の種別があり、食生活に関する知識を幅広く出題。 |
乳幼児食指導士(幼児食アドバイザー) |
東京カルチャーセンターが実施する民間資格。乳児・幼児の食事づくりにおける基礎や実践、生活リズムについて、発育ステップごとの対応などを学ぶ。 |
食育スペシャリスト |
NPO法人みんなの食育 が認定する民間資格。飲食業界で役立つメニュープランニングを重視した内容で、プレゼンテーション演習なども実践。通学での学習が必要。 |
食育栄養インストラクター |
一般社団法人 全国栄養士養成施設協会が認定する民間資格。食育の指導者養成のために作られた資格。養成施設にて資格認定に必要な授業科目を受講し、試験に合格することで資格を取得できる。 |
食育コミュニケーター |
日本食育コミュニケーション協会が実施する講座の修了後に認定証を授与される。食品スーパー、食品メーカーなどの企業で活躍できる知識・スキルを学習。 |
食育指導士® |
NPO法人日本食育協会®が認定する民間資格。食と健康に関する正しい知識をもって、その意義を普及できる人材を認定。 |
食育デザイナー |
日本食文化環境研究所が認定する民間資格。食育概論、食と心の関係、農業の現状とこれからの展望、メタボリック撃退の栄養学などを学習。 |
食学士・準食学士 |
IFCA国際食学協会が認定する民間資格。食学士の資格取得には準食学士の資格が必要。準食学士の資格を取得するには、認定校などで食学A級、美容食学A級、マクロビオティックA級のいずれかに合格し、専門課程を修了したのち認定試験を受験する必要がある。 |
介護食アドバイザー(JADP) |
一般財団法人 日本能力開発推進協会が認定する民間資格。高齢者の食について専門的な知識を学び、介護食レシピを実践する技術が身についていることを認定。 |
介護食アドバイザー(東京カルチャーセンター) |
東京カルチャーセンターが実施する民間資格。介護施設、医療関係だけではなく、家庭で活用できる知識やスキルを学習。指定の通信講座を受講し、全課題に合格することで資格を取得できる。 |
フードコーディネーター2・3級 |
NPO法人日本フードコーディネーター協会が認定する民間資格。文化、科学、デザインとアート、経済と経営の4分野を学習し、食産業やフードビジネスにおける実践的な知識を身につける。3級は入門レベル、2級はフードコーディネーターのアシスタントレベル。 |
ヘルシー&ビューティー フードアドバイザー |
NPO法人 職業技能専門教育研究機構認定 フードマネジメント協会が認定する民間資格。身体と食と運動に関する基礎知識が身についていることを証明する資格。家族や実生活で活用できる3級、ビジネスに活かせる2級に分かれている。 |
ナチュラルフード・コーディネーター |
日本創芸学院が認定する民間資格。有機野菜や無添加食材を使った調理法を学習。指定の通信講座を受講し、提出課題に合格することで資格を取得できる。 |
食学調味料アドバイザー |
IFCA国際食学協会の講座を受講することで資格を取得できる。調味料の製造方法や働き方、選び方を学習。修了レポート提出後、食学調味料アドバイザーの修了書が授与される。 |
細胞美食アドバイザー |
泉メディカルハーブアカデミーが認定する民間資格。指定講座では細胞美容など、栄養バランスやデトックスなどについて学習。実習では美容食の調理もある。 |
食育実践プランナー |
一般社団法人日本味育協会が認定する民間資格。食に関することや、味覚の役割、おいしさについての正しい知識を学習。指定の通信講座を修了し、在宅試験に合格することで資格を取得できる。 |
食育の人気資格
食育インストラクター
食育インストラクターとは、NPO日本食育インストラクター協会が認定する民間資格です。
食への正しい知識や食の安全、食のマナー、食糧問題、環境問題など、幅広いテーマで食育に関する知識を身に付けることができます。
食育基本法の制定にも関わった食育の第一人者、服部幸應氏が監修・指導しています。
初心者~プロレベルまでカバー
資格は、プライマリー、4級、3級、2級、1級の5段階に分かれており、食育を基礎から学んで日々の生活に活かしたい初心者の方から、食育を広く推進し、社会で活躍できる食育の指導者を目指すレベルまで幅広くカバーしています。
資格取得の方法(プライマリー)
食育インストラクターの入門レベルとなるプライマリーは、がくぶん総合教育センターの通信講座「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講し、課題を提出することで取得できます。
最後の課題が修了認定試験となっており、在宅受験にて70点以上の成績で合格となります。
資格取得の方法(4級~1級)
4級は推進校への通学あるいは研修会の参加といった条件を満たし、筆記試験をクリアすることで資格を取得できます。
4級以降は食育に関する筆記試験のほか、調理実習や調理実技筆記試験などが実施され、インストラクターとして食育を伝えるためのスキルが身についているかを審査されます。
3級、2級、1級は管理栄養士や栄養士、調理師などの国家資格を持つ方も受験するレベルです。
最上級である1級は食育に関する活動報告や食育レシピ提案も審査に含まれており、食育インストラクターとしての実践力が問われます。
- 認定団体
- NPO日本食育インストラクター協会
- 受験資格
- ■プライマリー:指定の通信講座を受講した者
■4級~1級:推進校への通学あるいは研修の参加など - 認定講座
- 服部幸應の食育インストラクター養成講座
- 試験内容
- 食への正しい知識や食の安全、食のマナー、食糧問題、環境問題など、幅広いテーマでの「食育」に関する知識
- 受験料
- ■プライマリー:なし(※通信講座の受講料に含まれる)
■4級~1級:資格取得ルートによりかかる費用が異なる(推進校への通学、研修会の参加など) - 試験日
- 春季、秋季(年二回)
- 試験会場
- プライマリー:在宅受験
参考 食育インストラクター資格の活かし方や級別の取得方法はこちら
取得を目指せるスクールホームページはこちら:
がくぶん
フードインストラクター
フードインストラクターとは、NPO法人みんなの食育が認定する民間資格です。
「野菜編」「畜産編」「穀類編」「魚編」「くだもの編」の5つの食材別に深く掘り下げて学びます。
フードインストラクターの資格取得を通して、自分の健康維持につながるのはもちろん、食の楽しさや食の大切さを家族や身の回りの人に伝えることができます。
お子様がいらっしゃる方など、ご家族の健康を考える方におすすめの資格です。
また、身近な方の健康にとどまらず、さまざまな講演・講座や子どもたちのいるイベントなどに食育講師として参加したり、商品開発やレシピの開発への食育の考えを取り入れたりなど、活躍の場を広げることもできます。
資格取得の方法
指定の通信講座にて「野菜編」「畜産編」「穀類編」「魚編」「くだもの編」それぞれで4回の実践課題レポートを提出。
すべての課題レポートで合格点を取ることができれば、それぞれ資格を取得できます。
- 認定団体
- NPO法人 みんなの食育
- 受験資格
- -
- 試験内容
- 試験なし(※指定の通信講座にて実践課題レポートを提出)
- 受験料
- -
- 試験日
- -
- 試験会場
- -
取得を目指せるスクールホームページはこちら:
ヒューマンアカデミー / 通信講座
食育アドバイザー
食育アドバイザーとは、一般財団法人 日本能力開発推進協会が認定する民間資格です。
食育の基本である栄養学の知識や安全な食材の見分け方に加えて、家族や周りの方へ食の大切さを伝え、正しい食生活を指導するための力を身につけることができます。
初心者の方でも食育の基本から生活に活かせる実践力までを身につけることができるので、初めて食育に興味を持ったという方や、家庭で食育を実践したいと考えている方におすすめの資格です。
資格取得の方法
資格を取得するには、キャリアカレッジジャパンの通信講座「食育アドバイザー資格取得講座」の受講が必要です。
カリキュラム修了後、試験を在宅で受験し、得点率70%以上で合格となります。
テキストを見ながら受験できるので暗記の必要はありません。
- 認定団体
- 一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)
- 受験資格
- 指定の通信講座を受講した者
- 認定講座
- 食育アドバイザー資格取得講座
- 試験内容
- 食育に関する基礎知識など
- 受験料
- 5,600円(税込)
- 試験日
- 随時
- 試験会場
- 在宅
乳幼児食指導士(幼児食アドバイザー)
乳幼児食指導士とは、株式会社日本フローラルアートが認定する民間資格です。
以前は幼児食アドバイザーとして知られていましたが、2018年7月に資格名が変更となり、現在の乳幼児食指導士となりました。
乳児期・幼児期の食事について学習
乳児期から幼児期にかけての食事について、離乳食は市販品なども出回っているのに比べ、幼児期の食事に関する情報は少なく戸惑う方も多いでしょう。
乳幼児食指導士では資格取得を通して、食事を楽しんで食べてもらうための工夫、よく噛んで食べられるメニューなど乳児・幼児の食事づくりに活かせる知識や、生活のリズムのあり方、病気への対応などを学べます。
子育て中の方や離乳食後の幼児期の食事メニューに悩んでいる方、出産予定の方におすすめの資格です。
資格取得の方法
資格の取得には東京カルチャーセンターが主催する通信講座「乳幼児食指導士養成講座」の受講が必要です。
受講期間内にすべての課題に合格することで、在宅で資格取得が可能です。
- 認定団体
- 一般財団法人 FLAネットワーク協会
- 受験資格
- 指定の通信講座を受講した者
- 認定講座
- 乳幼児食指導士養成講座
- 試験内容
- 生理学、栄養学、幼児食の作り方、成長段階ごとのあるべき生活リズム、体と心の成長・発達ステップや病気への対応など
- 受験料
- なし(※通信講座の受講料に含まれる)
※希望者には有料で「修了証(認定証つき)」を発行 - 試験日
- 随時
- 試験会場
- 在宅
取得を目指せるスクールホームページはこちら:
東京カルチャーセンター
食育スペシャリスト
食育スペシャリストとは、NPO法人みんなの食育が認定する民間資格。
就職に直結するメニュープランニングを重視した内容が特徴です。
飲食業界で活かせるメニュー提案力、企画力、プレゼンテーション能力を習得するため、食材の個性を活かしたレシピの作成や市場調査といった実践的な課題レポートや、企画書の作成、プレゼンテーションの演習に取り組みます。
資格取得の方法
資格を取得するには、ヒューマンアカデミーが開講する「食育スペシャリスト講座」を受講する必要があります。
通学講座なので、お近くの教室で開講があるかを確認しましょう。
課題レポートや認定試験をクリアすることで資格を取得できます。
- 認定団体
- NPO法人 みんなの食育
- 受験資格
- 指定の講座を受講した者
- 試験内容
- 食を取り巻く社会の動き、メタボリックシンドロームと食育、おとなの食育(アンチエイジング、高齢化社会における食と健康のあり方など)、こどもの食育(正しい箸の使い方、後片付け、食事方の教え方など)、メニュープランニング、食育情報の収集と発信、食育プレゼンテーション
- 受験料
- なし(※講座の受講料に含まれる)
- 試験日
- 教室により異なる
- 試験会場
- ヒューマンアカデミーの各開講教室
食育栄養インストラクター
食育栄養インストラクターとは、一般社団法人 全国栄養士養成施設協会が認定する民間資格です。
地域社会や職場などの食育推進に貢献できる栄養士・管理栄養士の輩出を目的としています。
全国栄養士養成専門学校協議会の指定する養成施設に在学する学生と卒業生が対象となっており、資格を取得するには養成施設で必要な科目を受講のうえ、栄養士実力認定試験に合格する必要があります。
合格後に必要な申請をおこなうことで、卒業を要件として食育栄養インストラクター認定証を取得できます。
- 認定団体
- 一般社団法人 全国栄養士養成施設協会
- 受験資格
- 全国栄養士養成専門学校協議会の指定する養成施設に在学する学生あるいは卒業生であること
- 試験内容
- 社会生活と健康、人体の構造と機能、食品と衛生、栄養と健康、栄養の指導、給食の運営
- 受験料
- 栄養士実力認定試験の受験費用:4,000円
- 試験日
- 年1回(12月上旬)
- 試験会場
- 全国栄養士養成専門学校協議会の指定する養成施設
参考 食育栄養インストラクターの試験情報や資格の活かし方はこちら
食育とはどのような資格?
食育とは
食育の柱は、大きく分けて3つあります。
- 食選力を育むこと
- 食の文化を伝承すること
- グローバルな視点で食をとらえること
1つめは食選力を育むこと。
どのようなものを食べれば安全か、危険か、健康になるかを選別する能力を身につけることです。
2つめは、食の文化やマナーを伝えること。
食卓での団らんやコミュニケーションを通して、食事の作法や一般常識、食文化や伝統を学んでいきます。
3つめは、グローバルな視点で食をとらえること。
世界の食糧事情や環境問題、自国の食料自給率などを考える視点を持つことです。
食育の資格を取るには?
食育の資格を取得するには、通学講座、通信講座、独学のいずれかで学び、提出課題あるいは試験の合格などにより資格を取得する、という流れが一般的です。
難易度は資格によりそれぞれ異なりますが、通信講座・通学講座など講座の受講が前提となっている資格はおおむね合格率が高く、初心者でも挑戦しやすくなっています。
独学で食育を勉強するための書籍も多くありますが、資格によっては指定講座の受講が必要になる場合もあるので注意が必要です。
また、独学の場合は食育の実践についてフィードバックを受ける機会がほとんどありません。
初心者から資格取得を目指すのであれば、通信講座あるいは通学講座の受講で必要な知識を体系的に学んで資格を取得するのがスムーズでしょう。
どうしていま食育が必要なの?
健康で豊かな暮らしを実現するため
近年、食を取り巻く環境が大きく変わってきています。
現代はいつでも簡単に食べ物を手に入れられるようになり、飽食の時代とも呼ばれるようになりました。
しかし、その一方で、食に対する情報の氾濫から偏食になったり、過度なダイエットにより健康を害するケースも増えています。
さらに、栄養バランスの崩れによる生活習慣病の予防が大きな課題となるなど、多くの問題を抱えている時代ともいえるのです。
食べることは生きること。
心身ともに健康で豊かな暮らしを実現するために、今こそ食育が必要とされています。
ライフステージに合った食習慣
離乳期が過ぎれば、子どもも大人も高齢者も、みな同じものを食べています。
年齢や健康状態によって異なることもありますが、基本的にはライフステージで食べるものが変わるわけではありません。
変わるのは、食べる量、バランス、食べ方などです。
例えば、妊娠期・授乳期には、赤ちゃんと母体の健康のために、飲酒や喫煙を避け、カルシウム、鉄、ビタミン、葉酸をしっかり取る必要があります。
ライフステージに合った食習慣は、体と心を健やかに保つ大事な要素なのです。
食育を実践しよう!
普段、一体何を、どの位食べているでしょうか?
まずは、自分の今の食生活がどのようなものか知ることが重要です。
はじめに、一日に食べた物を書き出してみます。
そして、それを主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つにグループ分けしてみましょう。
食事バランスガイド
食事を見直すには農林水産省と厚生労働省が決定・公開している食事バランスガイドが参考になります。
摂取目安の数値と比較することで、自分の食事に何が足りず、何が多すぎるのか知ることができます。
このバランスガイドはコマをイメージしており、食事のバランスが悪くなるとコマが倒れてしまうこと、そして運動によって回転すること=正しい食事と適度な運動で安定するという意味を表しています。
栄養や調理の知識がない人でも、簡単に食事のバランスの取り方がわかるようになっているのが特徴です。
食育を実践するうえで一番大切なことは、食べることに興味を持つことです。
このような毎日のちょっとした積み重ねが、食を学ぶ楽しさを知るきっかけとなるでしょう。
参考 農林水産省「食事バランスガイド」について
参考 厚生労働省「食事バランスガイド」について
食育資格の取得メリット
食育資格を取得するメリットは数多くあります。
ここでは7つのメリットを紹介していきます。
安心安全な食選びの基準がわかる
各食材に記載されている表示の意味、新鮮な食材を選ぶ方法、食材の旬、食品添加物の種類や用途・安全性など、食材を選ぶためのさまざまな基準を学ぶことができます。
状況に応じた食材の取捨選択が可能となり、安心して食べられるものを食卓に並べられるようになります。
子どもに正しい食事マナーを教えられる
食育を学ぶことで、お箸の持ち方、食器の並べ方、食事の際の正しいふるまいなどの知識が身につきます。
自分が正しいマナーを習得することで、子どもにもそれを伝えることができるようになります。
食事の作法だけではなく、食べ物に対する感謝の心をどう育んでいくかについても学べます。
献立のレパートリーが増える
栄養バランスが取れ、食材のおいしさを活かしたさまざまなレシピを習得できます。
いつも似たようなものになりがちな食事のレパートリーを広げることができ、家族の栄養管理にも自信を持てるようになります。
また、食材ごとの最適な保存方法や使いきりレシピを学ぶことで、食品ロスを減らし、無駄な食費も抑えられます。
豊かな食生活が実践できる
食育の知識があると、毎日食べている料理がどれだけ多くの人の苦労のうえにできているかを実感できます。
この実感がベースにあると、より豊かな食生活を実践するためのモチベーションも高まります。
食材ひとつとっても、どこで生産されたものか、どのような栄養分を取れるのかなどに気を配れるようになります。
また、料理が食べる人にどのような影響を与えるのかを考えることにもつながるでしょう。
食と健康に関する将来の悩みを軽減
食生活と健康は密接に関連しています。
年齢を重ねるにしたがって、食事が体調に影響することを実感する人は多いでしょう。
また、家族に病気の方がいる場合など、何を食べさせてよいのか悩むこともあるでしょう。
正確な食の知識があれば、健康を維持するために何をどのような調理法で食べるとよいのかがわかるようになってきます。
栄養バランスのよい介護食を作ることができる
高齢者の心理や咀嚼力の低下といった身体的特徴の知識に加えて、野菜・肉・魚などさまざまな食材をつかった介護食を学べば高齢の方や要介護の方のための食事作りに役立ちます。
おいしく食べやすい、栄養のある介護食は高齢者の方の健康維持にもつながります。
健康管理力がアップして仕事にもプラスに
朝食を抜いたり、仕事が忙しくて外食ばかりという人も多い現代のビジネスパーソン。
しかし、体は毎日の食事からつくられているもの。
若い頃はそのような食生活で問題なく過ごせていても、年齢を重ねるにしたがって健康に問題が出たり、時には仕事に影響をきたしたりということも起こりえます。
正しい知識をもって栄養バランスを考えたり、食事や生活のリズムを整えたりすることは健康管理に大いに役立ち、仕事にもプラスにつながります。
活躍の場
フードビジネスで活用する
食育を学べば、学校、病院、福祉施設での献立や食事作りに役立ちます・
ほかにも、食品関連の企業・研究所、レストラン・カフェなどの飲食店、食べ物を扱うスーパー・デパートなども活躍の場になるでしょう。
2005年6月に食育基本法が制定され、今や国家プロジェクトとして推進されている食育。
食育に関する確かな知識を持った人材は、今後ますます求められるようになるでしょう。
食育の知識を活用する例を以下に挙げていきます。
お客様にあわせた商品をおすすめできる!
安全な食品の選び方や、野菜果物や魚の旬、食材のおいしさを引き出すレシピ、栄養バランスのとれた献立など、食に関するさまざまな知識を身につけることで、スーパーやデパートなどでお客様の要望にあわせて食材をすすめられるようになります。
他店と差別化したメニューを考案できる!
ナチュラル志向の方が増えているなかで、外食でもなるべくバランスのよい食事を心がけたい、といった声もよく聞かれます。
食育を学んで、食材の栄養素とその働きや食べ合わせ、目的にあわせたレシピ(肌をきれいにしたいなど)を活かしたメニューを提供できれば、他店との差別化が図れるでしょう。
料理教室で健康志向を取り入れることができる!
家族のため、自分のために栄養バランスのとれた食事をつくりたいと考えている方が増えています。
食育の知識を活かしてヘルシーな和食、野菜をたくさんとれる洋食、マクロビをとりいれたレシピなどを料理教室のメニューとして出せば、健康志向の方に対するアピールにつながるでしょう。
小中学校・病院・介護の現場
成長過程の子どもが通う保育園、幼稚園、小中学校や、健康管理に配慮が必要な病院、介護の現場では特に食育の実践が必要とされています。
役立つ資格
これらの現場で役立つ資格としては、食育についての幅広い知識を学べる食育インストラクター、食育アドバイザーの資格や、高齢者の心と体について学び、あるべき食の姿を追究する介護食アドバイザーなどの資格があります。
家庭
食育の知識は、仕事の場だけではなく家庭でも活かすことができます。
子どもや家族のために食育を実践したい方はもちろん、自分の健康管理のために役立てたい一人暮らしの方にもおすすめです。
豊かな食生活を実現
食べることは、単に必要な栄養分を摂取したり、食欲を満たすためだけのものではありません。
その人の健康を考えて準備された食事や、愛情をこめてつくられた料理は、精神的な支えにもなってくれるものです。
食育の資格取得を通して、食のもつ意味を多面的に考え、本当に豊かな食生活を実現できるようになれば、その人自身や家族全員の生活の質が上がり、日々を充実して過ごすことや幸福感にもつながっていくでしょう。
働きながら食育資格を取得できる?
取得可能!仕事との両立には通信講座がおすすめ!
資格の勉強に集中したいと思っても、仕事をしていると自由に勉強のスケジュールを組むのはむずかしいものです。
教室に通いたくても、近くに教室がなかったり、日程が合わなかったりということもあるでしょう。
通信講座のメリット
働きながら食育資格を取得したいと考えている人には、通信講座がおすすめです。
自分のペースで勉強を進められますし、受講期間内にレポートや課題を提出できれば、いつ勉強しても問題ありません。
受講期間も余裕をもって長めに設定されているところが多いので安心です。
実際に女優・タレントの安田美沙子さんは、忙しい芸能界での仕事を続けながら食育アドバイザーの資格取得のために勉強されていたそうです(2014年)。
テキストさえあればどこでも勉強できるので、移動の多い仕事をしている人にも心強いのではないでしょうか。
職場からサポートしてもらえることも
職場によっては食育の資格取得をサポートしているところもあります。
例えば、保育園や、家事代行サービス、食品プロモーションなど食育の知識が直接プラスになる仕事では、食育関連の資格について下記のようなサポート・メリットを受けられる場合があります。
- 資格取得者に資格手当を支給
- 資格取得のための受講料を補助
- 採用において資格取得者を優遇
職場が資格取得を推進している場合、勉強時間確保のための早退や有給消化について同僚や上司の理解も得やすいのではないでしょうか。
受講を始める前にスケジュールなどを相談しておくとよいでしょう。
食育資格を目指せるおすすめ通信講座
がくぶん
ココがポイント!
食育の第一人者・服部幸應氏が監修!食育インストラクターの資格が取得可能◎
心身を健康にする食生活を学べます。
スクールホームページ:
>> がくぶん
ヒューマンアカデミー / 通信講座
ココがポイント!
丁寧な添削指導で修了すると「フード・インストラクター」の認定証を得られます。
スクールホームページ:
>> ヒューマンアカデミー / 通信講座
東京カルチャーセンター
ココがポイント!
離乳期、幼児期の子どもたちの成長において、食は大変重要な要素になります。その期間の食事に特化した知識を学べます。
スクールホームページ:
>> 東京カルチャーセンター
まとめ
食育の資格や、食育を学ぶメリットなどをご紹介してきました。
食育を学んで毎日の食事を見直すことは、健康の維持はもちろん、充実した生活にもつながっていきます。
また、食品関連の仕事をしている方、子どもに関わる仕事をしている方など、食育の知識が直接仕事に役立つ方もいるでしょう。
自分に合った資格を
食育関連の資格は数多く存在します。
どの資格が自分に合っているか、資料請求のうえ比較検討するのがおすすめです。
初心者から資格取得しやすいものが多いので、興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。