ペン字・ボールペン字・筆ペン資格ガイド
資格・スキルの活かし方
冠婚葬祭、年賀状の宛名書きに
日常生活には、手書きの文字が人の目に映る機会が数多くあります。とくに冠婚葬祭では、文字のバランスが悪いと相手に失礼にもなりかねません。誰に見られても恥ずかしくない美しい文字で、相手に気持ちを伝えましょう。
履歴書、ビジネス文書などに
きれいな文字が書けると、ビジネスの上でも良い印象を与えることができます。就職の際に提出する履歴書でも、手書きで求められるケースが多いのが実情です。文字を学んで、アピールポイントを増やしましょう。
学べること・学び方
毛筆で、漢字の楷書・ 行書・草書・隷書・篆書などのさまざまな字体や、かな文字が美しく書けるようになります。誰もが簡単に始められ、初心者でもたいてい入門から1、2年で、初段の受験資格を得ます。作品を展覧会に出品したり、コンクールに応募して入選をめざします。実用的には芳名帳の記帳など毛筆を使う場面で役に立ちます。また、お手本に漢詩を使うことも多く、学んでいるうちに自然と漢字や中国文化に強くなります。
はじめるにあたって
準備する道具は、太筆・細筆・墨・硯・下敷(毛氈)・文鎮・半紙などです。教室指定のものを買う場合もありますが、数千円でだいたい揃えることができます。月謝は各教室によってまちまちですが、3000円~5000円程度のところが多いようです。またテキスト代が別途必要な場合もあります。服装は墨を使うので汚れても良いものを。入門は随時。カルチャースクールでは年に3~4回の募集です。
こんな人がハマっています
お稽古事の定番として、小学生からお年寄りまで、男女を問わず幅広い年齢層の人が書道を学んでいます。実用面では、結婚式のご祝儀袋や芳名帳の記帳、年賀状や季節のごあいさつなど、現在でも筆で字を書く機会は多く、美しい文字を書きたいという理由から習い始める人が多いようです。また芸術としての書道に魅入られた人も多く、書道展に応募したり、個展を開いて作品を発表しています。
どんな資格
書道塾や公立・私立学校などで書道教師として働きます。あるいは企業などで、お得意様などへの宛名書きに書道の能力を活かします。独立する場合、活動場所は自宅で書道塾を開いたり、またはカルチャーセンターなどで講座を担当します。書道塾を開くには、各会派の資格を取ることが必要です。書家として活動する場合、特別な資格は必要ありませんが、公募展で賞をとったりする
活躍の場
公立・私立学校の教師資格をもっている人には、募集は少ないですが、書道教科の教師の仕事があります。デパートや企業などの宛名書きなどによって報酬を得る「筆耕」のアルバイトは、とくに年末年始に募集が多いようです。また書道関係の編集や、デザイナーとして書の能力を活かす道もあるでしょう。独立する場合、自宅などに書道教室を開きます。あるいはアートの分野で「書家」として活動し、自らの書を作品として世に送りだします。
必要な知識とスキル
書道塾の教師として活動するには、各書道会派の制定する書道教師の資格を取らなければなりません。楷書・行書・草書・かな文字などを、正しく美しく書く能力が求められるのはもちろん、分かりやすく教えるインストラクション技術も必要です。「筆耕」の場合は細筆でバランスよく、ある程度のスピードで文字を書けるようにします。「書家」は一種のアーティストですから、作品の芸術性のみならず、パフォーマーとしての魅力がものをいう場合があります。
試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 硬筆書写技能検定 |
試験日 |
【令和5年度 第1回試験】 【令和5年度 第2回試験】 【令和5年度 第3回試験】 |
試験区分 | 民間資格 |
主催団体 | 一般財団法人 日本書写技能検定協会 |
受験資格 | 学歴・年齢・性別その他の制限はありません。 |
合格率 | 5級:94.9% 4級:88.2% 3級:63.7% 2級:46.7% 準1級:20.2% 1級:10.7% ※2016年度 |
出題内容・形式 | 【6級】40分 硬筆書写のもっとも初歩的技術及び知識をもって書くことができる。 ・実技:漢字のことばを書く、ひらがなのことばを書く、かたかなのことばを書く、漢字かな交じりのことばを書く 【5級】60分 硬筆書写の初歩的な技術及び知識をもって書くことができる。 ・実技:漢字仮名交じりの言葉5~6字を書く、縦書き、横書き、掲示文(縦書き10字前後を2行で書く) ・理論:小学校5年生までの教育漢字の楷書・平仮名・片仮名の筆順 【4級】60分 硬筆書写の基礎的技術及び知識をもって書くことができる。 ・実技:速書き、漢字仮名交じりの言葉5~6字を書く、縦書き、横書き、掲示文(縦書き10字前後を2行で書く) ・理論:教育漢字(学習漢字)の楷書・ひらがな・かたかなの筆順、教育漢字の書き取り 【3級】70分 硬筆書写一般の技術及び知識をもって書くことができる。 実技:速書き、漢字10字を書く(楷書・行書)、縦書き、横書き、はがきのあて名、掲示文(横書き) 理論:漢字の部分の名称、常用漢字の楷書の筆順、草書を文中で読む、漢字の字体 【準2級】90分 硬筆書写のやや専門的な技術及び知識をもって書くことができる。 実技:速書き、漢字10字を書く(楷書・行書)、縦書き、横書き、はがきの本文、掲示文 理論:常用漢字の楷書と行書の筆順、草書を熟語で読む、文字の歴史、漢字の部分の名称、漢字の字体 【2級】90分 硬筆書写の専門的技術及び知識をもって書くことができる。 実技:速書き、漢字10字を書く(楷書・行書)、縦書き、横書き、はがきの本文、掲示文(横書き) 理論:常用漢字の楷書と行書の筆順、旧字体と書写体を常用漢字に直す(各5字)、草書を熟語で読む、文字の歴史、漢字の部分の名称、漢字の字体 【準1級】90分 硬筆書写のより専門的な技術及び知識をもって書くことができる。 実技:速書き、漢字8字を書く(楷行草三体)、縦書き、横書き、自由作品(和歌、漢詩などより一つ選択)、掲示文(縦書き) 理論:旧字体と書写体を常用漢字に直す(各5字)、草書5字と古筆を読む、書道用語・書道史(正誤式)、書道史(作者と作品合わせ)漢字の字体 【1級】90分 硬筆書写の高度な専門技術及び知識をもって書くことができる。 実技:速書き、漢字10字を書く(楷書草三体)、縦書き、横書き、自由作品(和歌、漢詩などより一つ選択)、掲示文(縦書き) 理論:常用漢字を旧字体と書写体に直す(各5字)、草書(一字ずつ)と古典(主として古筆)を読む、漢字の添削(一字ずつ)、書道史(作者と作品合わせ)、漢字の字体、歴史的仮名遣い ※3級、準2級、2級の理論問題はマークシートになります。 |
検定料 | 6級:900円(税込) 5級:1,200円(税込) 4級:1,500円(税込) 3級:2,500円(税込) 準2級:3,000円(税込) 2級:3,500円(税込) 準1級:5,000円(税込) 1級:6,500円(税込) |
問い合わせ先 |
一般財団法人 日本書写技能検定協会 http://www.nihon-shosha.or.jp/pen/ 〒170-0005 東京都豊島区南大塚3-41-3 TEL:03-3988-3581 FAX:03-3988-3528 |