資格ごとの平均給料・年収【2022年最新】
保有する資格ごとに心理カウンセラーの平均給料・年収を紹介します。
保有資格 | 平均給料・年収 |
---|---|
公認心理師 | 年収350万円~450万円 |
臨床心理士 | 年収300~400万円 |
精神保健福祉士 | 常勤:年収300~400万円 非常勤:時給3,000円~5,000円 |
社会福祉士 | 正規職員:年収300万円 非正規職員:年収250万円 |
産業カウンセラー | 年収200万円~400万円 |
公認心理師資格を持つ心理カウンセラーの平均給料・年収
国家資格である公認心理師の平均年収は、常勤の方で350万円~450万円程度という調査結果が出ています。
月給は勤務先によっても異なりますが、平均20~25万円程度の方が多いようです。
令和2年度に厚生労働省の事業としておこなわれた一般社団法人日本公認心理師協会による調査では、公認心理師の2019年度の収入は、年収300万円以上400万円未満の方が約21%と最も多く、続いて多かったのが年収400万円以上500万円未満の方で約18%という結果でした。
月給は、保健医療分野・福祉分野などでは20~25万円の方が多く、主に企業内で心身の健康管理をおこなう産業・労働分野や、裁判所や矯正施設で働く司法・犯罪分野では30~35万円の方が多くなっています。
ただし、公認心理師は誕生してから日が浅い国家資格のため、今後資格の普及によって給料水準は変化していくことが考えられます。
参考までに、求人サイト「求人ボックス 給料ナビ」では、2022年9月に掲載された求人での給料(月給)は、平均34万円程度という結果が出ていました。
公認心理師資格の認知が進み、収入は上昇傾向にあるようです。
公認心理師は医療機関・教育機関・福祉施設・司法関連などが就職先になりますが、勤務先や雇用形態によっても収入は大きく変わってくるでしょう。
出典 厚生労働省 公認心理師の活動状況等に関する調査
出典 一般財団法人 日本心理研修センター
臨床心理士資格を持つ心理カウンセラーの平均給料・年収
日本臨床心理士会の第5回「臨床心理士の動向調査」では、臨床心理士の年収は300万~400万円未満の方が多く、次いで200万~300万円未満となっています。
日本の平均年収から見ると高いとはいえませんが、臨床心理士は多岐にわたる分野で活躍しており、分野や雇用形態によって収入は異なってきます。
雇用形態としては、非常勤で働く方が46.1%で多く、常勤と非常勤を掛け持ちしている方もいるのが現状です。
しかし、臨床心理士はスクールカウンセラーの資格要件になっているなど、心理の専門職として求められることの多い資格です。
臨床心理士は医療・教育・福祉・司法・産業など幅広い職場で活躍しているので、希望する分野での臨床心理士の役割を調べてみるといいでしょう。
求人サイト「求人ボックス」で2022年11月に募集された求人での給料(月給)は、平均で26.3万円となっています。
精神保健福祉士資格を持つ心理カウンセラーの平均給料・年収
平成27年におこなわれた公益財団法人社会福祉振興・試験センターの調査によると、精神保健福祉士の平均年収は347万円でした。
正規職員では350万円前後、非正規職員では250万円前後が平均となるようです。
精神保健福祉士は正規職員での雇用形態が78%以上であり、年齢が高くなるほど年収が高くなる傾向にあることから、長く続けやすい職業であると考えられます。
専門職としての知識・技術を得るために資格取得をする方が多いですが、就職・転職を考えて資格取得をする方もいるようです。
社会福祉士資格を持つ心理カウンセラーの平均給料・年収
厚生労働省の調査によると、社会福祉士の最も多い年収幅は300万~400万円未満でした。
その次に多いのは400万~500万円未満です。全体的にみると400万円未満が 55.1%と半数以上を占めています。
労働者所得の中央値は437万円なので、少し下回る傾向にあるようです。
求人サイト「求人ボックス」で2022年11月に募集された求人での給料(月給)は、平均で24.2万円でした。
しかし、社会福祉士が働く現場では正規職員が約8割を占めており、長く安定して働ける職業と考えられます。
社会福祉士は、人脈やネットワーク・調整力・交渉力を使ってさまざまな活躍ができるため、金銭には変えられないやりがいを感じる方も多いです。
産業カウンセラー資格を持つ心理カウンセラーの平均給料・年収
産業カウンセラーは勤務先、雇用形態に幅があるため年収もばらつきが見られます。
民間企業に正社員として雇用された場合であれば、年収200万円から400万円程度。企業の規模が大きくなれば相応に給料も上がります。
地方公務員であれば、安定した収入と定期的な昇給が確保されるでしょう。
しかし、産業カウンセラーはその役割のみで雇用されるケースは少ないため、産業カウンセラー単体での平均給料を算出するのが難しい資格でもあります。
産業カウンセラーの資格は、民間企業の管理職や人事部に勤める方が、社内のメンタルヘルスケアやキャリア支援の能力を身につけるために取得する場合が多くなっています。
民間企業に雇用されるとしても、他の業務と兼任するパターンがほとんどです。
職務によって年収も大きく異なるため、参考としてみておきましょう。
関連記事 産業カウンセラーの年収・給料
職場別!心理カウンセラーの平均給料・年収
職場 | 平均給料・年収 |
---|---|
病院 | 年収300~400万円 非常勤:時給1,500~2,000円 |
企業 | 年収300~400万円 |
学校 | 常勤:年収300~400万円 非常勤:時給3,000円~5,000円 |
独立開業した場合 | 年収~1,000万円 ※人によって大きく異なる |
病院で働く心理カウンセラーの平均給料・年収
メンタルクリニックや病院の心療内科、精神科で勤務する場合、月給20~30万円程度、平均的な年収は300~400万円といわれています。
1つの病院で常勤として働くカウンセラーもいますが、非常勤で複数の病院をかけもちしながら働くカウンセラーも多く存在します。非常勤で働く場合は、時給1,500~2,000円程度といわれており、勤務時間数によっても大きく異なります。
病院で勤務するには公認心理師、もしくは臨床心理士の資格が必要な場合がほとんどです。
企業で働く心理カウンセラーの平均給料・年収
企業で雇用されてカウンセラーとして働く場合、企業の規模などにもよりますが、平均的な年収は300~400万円といわれています。
一般企業と福祉施設でも年収は大きく違ってきます。
企業で活躍する心理カウンセラーのなかには、週に何回などの雇用契約をして、業務にあたる場合も多いです。
副業で企業カウンセラーをしたり、いくつかかけ持ちで契約したりと、働き方により年収は大きく変わるでしょう。
また、メンタルヘルス領域だけでなく、キャリア開発やキャリアカウンセリングの領域でも心理カウンセラーの需要があります。
学校で働く心理カウンセラーの平均給料・年収
学校で働くカウンセラーの平均年収は300~400万円といわれています。
カウンセラーの配置は年間35週、週あたり8時間以上12時間以内とされており、非常勤でいくつかの学校を掛け持ちして働く方も多いです。
非常勤の場合、時給3,000円~5,000円程度といわれており、取得している資格や経験によっても時給は異なります。
学校で働くカウンセラーは、「スクールカウンセラー」と「スクールカウンセラーに準ずる者」でそれぞれ資格要件が定められています。
臨床心理士や精神科医であるスクールカウンセラーの方が給与は多い傾向です。
独立開業した心理カウンセラーの平均給料・年収
心理カウンセラーとして活躍するために、独立開業をする方も増えています。
フリーランスになることで、やりたい仕事が自由にできるようになり、1,000万円以上の高所得を得られる可能性もあります。
関連記事 心理カウンセラー 職場ごとの仕事内容
心理カウンセラーには仕事がないって本当?
心理カウンセラーには仕事がないのではないかと不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
心理カウンセラーの需要は高まっており、活躍の場は増加傾向にあります。
実際に令和3年度のスクールカウンセラー配置校数は平成24年と比較して1.74倍となっています。
また、平成26年6月の労働安全衛生法改正では、従業員数50人以上の企業に対してストレスチェックの実施を義務付けました。
国がメンタルヘルス改善を進めていることからも、カウンセリングの機会が増加することは明らかでしょう。
これらの結果からも、心理カウンセラーの需要は増しており、「仕事がない」ということはないことがわかります。
関連記事 心理カウンセラーに仕事はない?
参考 厚生労働省 労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)の概要
心理カウンセラーで年収1,000万は可能?
心理カウンセラーが年収1,000万円を稼ぐには、実績を積んでから独立開業をする方法があります。
自分の相談所が軌道に乗り、カウンセラーとして人気が出れば年収1,000万円を稼ぐこともできるでしょう。
ちなみに、日本のカウンセラーの平均年収はあまり高くありませんが、アメリカのカウンセラーの平均年収は約700〜800万円ほどとされており、日本のカウンセラーと比べると高年収です。
アメリカではカウンセリングを日常的に受ける人が多く、些細な悩みでも相談する人が多いようです。
また、日本ではカウンセリングが保険適用外になっているところがほとんどですが、アメリカは保険を使えることが多く、利用しやすい環境であることも平均年収が高い理由といえるでしょう。
心理カウンセラーとして大きく稼ぐのであれば、渡米し開業するという選択肢を視野に入れるとよいでしょう。
給料・年収の高い心理カウンセラーになるには?
心理カウンセラーとしての経験を積むこと!
給料・年収の高い心理カウンセラーになるには、経験を重ねていくことが大切です。
実際に公認心理師の資格保有者を対象とした調査によると、公認心理師の年収は実務経験10年未満の場合、年収300~400万円程度の方が最も多かったのに対し、実務経験10年以上の場合は年収400~500万円程度の方が最も多いという結果が出ています。
実務経験年数が長くなることによって常勤として勤務する方が増えることも、経験年数による年収の差の要因の一つです。
同調査では、実務経験5年未満の場合は常勤として働く方の割合が約45%であることに対し、実務経験30年以上35年未満の方では常勤の割合が約72%に増加しています。
この結果から、まずは非常勤として勤務し、実務経験を積んで常勤の仕事に就くことで収入を向上させていくキャリアプランが有効といえます。
また、経験と実績を積み、本の執筆や講演をおこなうようになれば、高収入が望めるでしょう。
また、以下の方法で年収を上げることもできます。
- 非常勤で働いている場合、常勤での就職を目指す
- スクールカウンセラーの場合は、受け持つ学校を増やす、公立ではなく私立の学校で働く
- 臨床心理士や公認心理師の資格を持っていない方は、資格取得を目指す
- 開業する
一般的に、教育業界は好条件の求人が多い傾向なので、最初の就職先としておすすめです。
実績や経験を積むことで給料アップは見込める!
心理カウンセラーとして実績や経験を積むことで、独立開業で給料・年収のアップが見込めます。
一般的に心理カウンセリングの費用は、1回45~50分くらいで、5,000~1万円あたりが相場といわれています。
1時間のカウンセリングを5,000円として考えた場合、カウンセリングの準備やカルテ作成、電話やメールのやり取り、メルマガの作成時間、光熱費や事務所代などの経費を利益から差し引く必要があります。
また、人を雇う場合は、人件費もかかってくるでしょう。
▼5,000円/時間、1日5名の相談対応をした場合の計算例
25,000円/1日×23日間-経費月10万円=月の利益47万5,000円
月の利益は47万5,000円、年収に換算すると570万円なので、心理カウンセラーの平均年収である約355万円を200万円以上も上回ることができます。
医療行為を行わず個人で事業を始める場合、通常の手続きのみで開業できます。
ただし、臨床心理士や公認心理師の資格を取得しただけで開業しても、クライアント獲得は難しいでしょう。
まずは企業や施設に就職し、実績やコネクションを作ることから始めるのが賢明といえるでしょう。
利益創出のためのマーケティングも大切
独立開業するなら、クライアント獲得のためにホームページ作成などのマーケティング活動も必要です。
得意とする分野をアピールしたり、ブログやメールマガジンなどで情報発信していきます。
店舗(事務所)内の清潔感や、中に入りやすい雰囲気を作ることも重要なポイントです。
心理カウンセラーに向いている人
心理カウンセラーに向いている人として、以下のような特徴が挙げられます。
- 他人に関心が持てる人
- 人の話を根気よく聞ける穏やかな性格の人
- 人の役に立ちたい人
- ほどよい距離感を保てる人
心理カウンセラーは相談者の悩みやストレスについての話を聞き出し、その問題が解決に向かうようじっくりと対話をおこなう仕事です。
そのため、心理カウンセラーには人に関心を持ち、親身になって対応できる方が向いているといえます。
また、相手の苦しみに共感するあまり、自分まで傷ついてしまうとカウンセリングはできません。
そのため、相談者に対して親身になりながらも自分のこととは一線を引いて捉えられる方に向いている仕事といえるでしょう。
また、相手が言葉にしづらいことも話しやすいようにカウンセリングをおこなうためには、コミュニケーション能力が必要になります。
また、より効果的なカウンセリングをおこなうためには心理的な知識・スキルも不可欠でしょう。
性格的な特徴以外にも、こういった能力を身につけておくことでより心理カウンセラーの適性が上がるでしょう。
関連記事 心理カウンセラーに向いている人
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まとめ
心理カウンセラーとしてある程度の給料・年収を得るには、臨床心理士や公認心理師の資格取得だけでは難しいのが現状です。
しかし、心理カウンセラーとしての実績・経験を積んでいけば、徐々に期待通りもしくはそれ以上の年収を得ることも夢ではありません。
これから心理カウンセラーを目指す方は、最初から給料の期待はせず、できることから始めてみるのがよいでしょう。