書道の段位とは?階級の概要・どのような基準なの?
日本国内では書道の段位・階級に統一の基準はなく流派によって異なる!
階級と言えばボクシングや囲碁・将棋、軍隊などで使用されているケースが思い浮かぶかと思います。
書道においても本人の実力を示すものとして古くから使用されてきました。
しかし、日本国内において明確に統一された階級基準は存在しません。
数百、数千にも及ぶ様々な書道会派が独自で階級を設定し、生徒達に授与しているのが現状です。
ボクシングでも所属する団体、参加する大会によって認定される階級に違いがありますが、書道は対戦競技ではないので比較対象がほとんどありません。
受講している会派の先生たちによって、一定の水準まで実力があることを認定されなければ階級を貰えないでしょう。
このように書道の階級には統一基準が存在しないため、同じ階級であっても実力が異なるケースがほとんどです。
会派によっては認定試験そのものが存在せず、授業に一定期間通い続けるだけで昇級することもあります。
基本的には段位・級位は先生の主観で決まるので、あまり気にせず技術の習得を目指した方が良いでしょう。
ただし、将来的に書道の先生を目指すのであれば段位・級位の取得は重要です。
最高位である師範に認定されるには全ての段位を取得しなければいけません。
師範自体も各会派が独自で認定されるため基準はないようなものですが、書道教室を開く際には大きなアピールポイントになります。
書道の段位・級位、その違いは?
試験合格が必須かどうかの違い!
書道の段位・級位の認定方式は会派によって異なることを説明しましたが、実は級位と段位の間でも違いが存在します。
まず級位ですが、基本的には実力ではなく習熟度を示すものです。
初心者が基礎や作法を学んでいく過程で昇級していきます。
各書道教室が所属する協会に準じて認定試験が開催されることが多く、任意のタイミングというよりは定期的におこなわれるのが一般的です。
教室によっては認定試験のみを受けるコースも存在したりと多様な学習形態があります。
逆に試験方式ではないケースもあり、先生の評価によって昇級が決定される教室もあるようです。
書道の基礎部分の実力を測る意味合いが強いため、飛び級も盛んに行われていたりと基準が比較的緩い点が特徴です。
段位の方はというと、こちらも同様に書道の習熟度を示しています。
会派の教えに沿って、どの段階まで学習が進んでいるかを確認する目安です。
ただし、段位は級位よりも更に高度な技術が要求され、級位をすべて取り終えた方が挑戦する階級になります。
認定方式も級位ほどの緩さは存在せず、試験をほぼ確実に受けなければなりません。
会派によっては試験方式が異なりますが、いずれにせよ高い技術、もしくは長期間の学習が求められるでしょう。
書道の段位・階級はどのようになっているの?
例1:日本習字学会(高校・一般)
具体例として、日本習字学会の段位・階級認定方式を見ていきましょう。
日本習字学会では年齢と道具別に試験を分けており、対象が小学生・中学生と高校・一般が存在します。
ここでは、高校・一般対象の試験概要についてご説明します。
毛筆の部・初段の例は以下の通りです。
・科目数:3
・受験科目名:漢字の部(楷、行、草より2科目選択)、かな
・全科目受験料:4,290円(税込)
・1科目受験料:1,430円(税込)
受験科目には、「楷書」「行書」「草書」「かな」「条幅」「臨書」「レポート」が存在し、段位ごとに指定されたものを受験生が任意で選択します。
最高九段を取得することで師範の称号申請が可能になります。
級位については各教室ごとに認定試験が開催されているようです。
例2:全日本書芸文化院(学生・一般共通)
受験生は一律10級からスタートし、学生は最高で十段、一般の方は最高で師範まで目指せます。
毎月行われる月例課題をクリアすることで昇級・昇段となります。
また、年数回行われる昇段級試験を利用しての昇級・昇段も可能。
試験は段位・級位に応じて3つの部門が存在します。各試験概要を見ていきましょう。
①【師範部(準師範)】
・課題作品:漢字(楷書創作・行書創作・草書臨書・隷書臨書)、かな(短歌創作・俳句創作・臨書)
・受験料:8,000円
②【条幅部(三段以下)】
・課題作品:漢字(楷書創作・行書創作・草書臨書)、かな(短歌創作・臨書)
・受験料:5,000円
③【半紙部(2級以下)】
・課題作品:漢字(楷書創作・行書創作・草書臨書)、かな(短歌創作・臨書)
・受験料:2,000円
受験資格には、作品出品や行事参加の回数なども必要とされます。
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