通関士は独学で合格できる?
合格は可能だが、難易度は高い
2010年から2019年までの通関士試験の合格率は約10%というデータが出ています。
試験内容や受験者の分母の違いはあるため同一視することはできませんが、パーセンテージだけで言えば「日商簿記1級」や「税理士」「宅地建物取引主任者」と同程度とういことになります。
また通関士の試験内容は、貿易に関する法律知識や業務に関する理解が要求されます。
過去に法律学部に通っていた方や法律関係の資格勉強をしていた方であれば、法律に対して抵抗感は少ないかと思います。通関に関するお仕事を行っている方であれば、業務に関する基礎知識が備わっていることでしょう。
ですが、全くのゼロから学習を開始する場合、「貿易に関する法律」と「貿易に関する業務」両方の理解が必要になるため、理解に時間が掛かる可能性があります。
法律系の知識や実務経験がない方が通関士試験を受けるのであれば、通信講座を利用して勉強することをおすすめします。
通関士試験に必要な勉強時間
目安は約350時間
通関士試験に合格するのに必要な勉強時間は約350時間と言われています。1日3時間勉強する場合であれば116時間、約3か月~4か月程度に相当します。
ですが、この勉強時間もあくまで目安の時間であり、前項で挙げた「貿易に関する法律」と「貿易に関する業務」の理解度、また勉強が得意かどうかでも変わってきます。
350時間という時間はあくまで、上述の要素を満たしている場合であり、場合によってはもっと時間を要する可能性があります。
通関士の勉強法
(1)綿密な学習計画を立てる
まず受験を決めたら受験日を確認し、日数を逆算したうえで学習計画を立てる必要があります。
通関士の試験は、「関税法」「通関業法」「通関実務」の3科目で構成されていますが、全ての科目で60%以上の正答率を出さなければ合格となりません。
そのため、すべての科目である程度知識の習得が必要になります。
ですので、一部の科目についてなにも学習することが出来ずに試験を迎えることがないように計画的に学習を進める必要があるかもしれません。
(2)インプットだけでなくアウトプットもしっかり行う
膨大な知識をまず覚えることから始める方が多いと思いますが、ただ覚えるだけでは実際の試験の際に得点することが難しい場合があります。
出題範囲が多いためインプットしなければならない量もかなりの量になります。
もちろんインプットした知識で回答できる問題もありますが、実際に試験問題を解き、覚えた知識をアウトプットすることも重要になってくるのではないでしょうか。
アウトプットに取り組むことで知識も定着しやすくなり、試験の問題文を読むこと自体に慣れることができます。
(3)通信講座での学習もおすすめ
もしご自身が「独学は苦手」というように感じていらっしゃるのであれば、通信講座での学習を検討してみても良いかもしれません。
通信講座の場合は、通関士試験に必要な法律知識や業務内容を体系的に指導してもらえることができるため、どこから勉強すれば良いのかが分からないというような方でも安心して勉強に取り組めます。
質問対応などの手厚いサポートもあるため、独学の時よりも疑問を解決しやすくモチベーションの維持にも繋がるでしょう。
まとめ
通関士は合格率10%でかつ、関税法・通関業法・通関実務の3つを60点以上取れるよう平均的に勉強しなければなりません。
また学習時間についても、勉強が得意な方や法律に関する理解のある方、通関業務の実務経験があるなど、素養がある方で約350時間の勉強時間が必要になります。
決して簡単な資格でないからこそ、試験期間からしっかり逆算して勉強を行い、キチンと過去問をこなして学習したことをアウトプットできるように訓練する必要があります。
もし、独学での勉強が難しそうと感じるのであれば、通信講座で効率的に学習するという方法もあります。
自分に合った勉強法を見つけることができれば合格可能性は上がるでしょう。