司法試験について
どんな資格・スキル
司法試験は、判事(裁判官)、検事(検察官)、弁護士の法曹三者になるための資格試験です。2006年から2011年にかけて旧試験から新試験への移行が行われ、試験形式や科目が変わり、新たに受験制限も設けられました。法科大学院修了後、5年以内に3回までの受験が認められますが、不合格となった場合は受験資格を失います。その後の受験については「予備試験」に合格しなければ資格は得られません。
資格の活かし方
司法試験に合格し、司法修習を修了することで、法曹三者になるための資格を得ることができます。弁護士については、弁護士事務所などで勤務弁護士として経験を積み、その後独立というのが一般的です。裁判官や検察官は、人格や司法研修所での成績によって、任命された人のみがその職に就くことができます。また法曹三者への道だけではなく、無試験で税理士・弁理士・社会保険労務士・行政書士として登録することもできます。
気になる将来は?
試験内容の改訂により、合格率は高くなると言われ、法曹三者については就職難になるとの懸念もあるようです。しかし、その資格を取得したことで、職業選択の幅も広がります。新たな社会問題やトラブル、事件が起こりうる現代、それらを解決する術を有した法の専門家はさまざまなところで求められています。マスメディアやジャーナリズム、政治、企業などその知識を活かす場、求めるニーズは後を絶ちません。
給料・年収分析
弁護士の平均年収
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、弁護士の平均年齢は、正社員の場合で35.6歳で、勤続年数が6.6年であることがわかりました。そして給与に関しては、月収は47万5800円となりました。さらに平均年収は1095万3500円で、年間ボーナスの平均が、108万5900円です。国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円だったので、弁護士の年収は、非常に高い水準であることがわかります。弁護士の所得が高いことは一般的なイメージ通りですが、データで事実を確認してみることで、納得することが出来ます。弁護士と同水準の収入が得られる仕事では、医師や大学教授、一部の総合商社・マスコミ関係の社員などが挙げられます。
【正社員】
平均年齢 35.6歳
勤続年数 6.6年
労働時間 177時間/月
残業時間 0時間/月
平均月収 475,800円
賞与 1,085,900円
平均年収 10,953,500円
労働者数 6,040人
【パート】
平均年齢 41.4歳
勤続年数 4.2年
実労働日数 19.3日/月
1日の平均労働時間 4.6時間/日
平均時給 3,928円
出典:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
職場による違い
弁護士は、高所得の仕事であるものの、職場によって収入は違います。勤務先の事業規模別に見ると、10人以上規模の事業所に勤める弁護士の平均年収は、1095万円です。さらに、10人~99人の事業所規模で1107万円、1000人以上の規模だと674万円となります。弁護士の多くは、弁護士事務所で働いていますが、1000人以上の規模の事業所になると、大手企業・グループ法人の法務部に所属する弁護士が多いと推測することが出来ます。ただし、弁護士の多くは独立開業をしています。給与所得者の弁護士は母数としては少ないため、データは1つの目安となります。特に有数の弁護士事務所や、弁護士が少ない地域の弁護士事務所、M&A専門の企業を顧客にした弁護士事務所は、収入が高くなる傾向にあります。
独立開業について
独立開業は、弁護士であれば目指したい道の1つです。最も大きな魅力は収入です。正社員で得る給与よりも何倍もの所得が期待出来るためです。また、独立開業するために、開業資金などコストもあまりかけずに済むことも利点です。ただし、初期費用はかけなくても、3~6ヶ月ほどの運転資金は用意しておきましょう。事務所の家賃や人件費、光熱費、弁護士会費などです。そして、フリーランスの弁護士として、大切なことは、まず客単価の高い収益性のある案件を中心に取り扱うことです。さらに、顧客数を安定的に増やしていくことが出来るかも重要です。現在、弁護士を探す一般的な方法は、インターネット検索です。したがって、インターネットマーケティングも求められます。このような要点を抑えながら、独立開業をして失敗しないための事前準備が必要です。
司法試験講座・スクール比較試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 司法試験 |
試験日 |
【令和7年 司法試験】 |
試験区分 | 国家資格 |
主催団体 | 法務省 |
受験資格 | ・法科大学院課程の修了者 または ・司法試験予備試験の合格者 ※法科大学院課程の修了の日又は司法試験予備試験の合格発表の日後の最初の4月1日から5年の期間内は毎回受験することができます。 また、司法試験を受験した者は、その受験の基礎となった受験資格に対応する受験期間内は、他の受験資格に基づいて司法試験を受けることはできない。 |
合格率 | 20~25%程度 |
出題内容・形式 | 【短答式試験:マークシート】 1.憲法 2.民法 3.刑法 【論文式試験】 1.公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目) 2.民事系科目(民法,商法及び民事訴訟法に関する分野の科目) 3.刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目) 4.選択科目(倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)のうち受験者のあらかじめ選択する1科目)の4科目について行われます(施行規則第1条) |
検定料 | 28,000円 |
問い合わせ先 |
法務省大臣官房人事課 司法試験係 http://www.moj.go.jp/index.html 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1 TEL:03-3580-4111(代表) 問い合わせへの対応9:30~12:00、13:00~18:00 (土曜日、日曜日及び祝日等の休日を除く) |