通関士に英語は必要?
義務教育程度の英語力があれば問題はない
通関士は輸出入に関わる仕事のため、一見高いレベルの英語力が求められそうですよね。
結論から言えば、通関士には義務教育程度の英語力があれば問題ありません。
何故なら、通関士の仕事内容は通関手続きに関わる申請書などの書類をチェックする仕事が中心だからです。
英語の書類をチェックすることもありますが、書類の形式も決まっているため、中学校卒業レベルの英語力と貿易に関わる最低限の英語を理解していれば問題ありません。
実務で使う英語も専門用語の英単語が中心です。なので、読解力が求められるような複雑な英文を読むことはまずないでしょう。
むしろ実務で使う専門用語を覚えたり、通関業法や関税法、外国貿易法などの知識などを優先的に身につけるべきです。
また、海外の担当者と英語でコミュニケーションを取ることはほとんどありません。日本人の担当とのメールや電話でのやり取りが中心なので、英語が苦手で不安な方は安心してください。
上記のように、通関手続きに関わる書類さえ理解できれば業務になく、英語力の有無による仕事への影響はほとんどありません。
試験でも英語力が問われる問題は出題されない
通関士の試験には英語力が問われる問題は出題されません。
そのため、別途英語の勉強をする必要はなく、過去問やテキストを通して対策するだけで十分です。
試験科目は以下の通りです。
試験科目:
(1)通関業法
(2)関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)
(3)通関書類の作成要領その他通関手続の実務
それぞれの試験科目には英語自体は出てきますが、英語力を問われるというよりも、通関手続きに必要な用語を暗記するという意味合いが強いでしょう。
実務に必要な用語は過去問やテキストで学べます。
「通関士を目指す上で英語の勉強を別途する必要はあるのか?」と心配している方はその必要はないので安心してください。
英語ができると通関士の就職は有利?
就職に必須ではない
英語力はあるに越したことはないですが、通関士に就職するために英語は必須ではありません。昇給・昇進にも影響はないですし、面接の時も英語力について指摘されたり求められることはほとんどないでしょう。
「INVOICE」のような貿易取引で必要な書類に英語は記されていますが、書類の項目や記されている用語も決まった内容が多いので、実務に必要な用語や簡単な英語さえ理解できれば業務に支障は出ません。
そのため、高い英語力を持って通関士に就職したとしても、英語を使う場面はほとんどないのです。もし、「通関士になれば英語力を活かせるから就職しよう」と考えている方がいれば、語学力を活かせる別の貿易関係の仕事に就いた方がいいでしょう。
上記のことから、英語力の有無が就職を左右するわけではないので、通関士を目指している方は試験勉強や面接対策に時間を費やした方が合理的です。
ただし、貿易業界でほかの職種に転職する時は、通関士の資格と英語力が有利になる場合もあります。
特に英語を頻繁に使う仕事の場合は、英語力が求められることが多いので、ほかの職種に転職することも考えている方は英語の勉強を視野に入れましょう。
まとめ
業務に必要な専門用語を覚えるなど、最低限の英語は把握する必要はありますが、高度な英語力が求められる仕事ではありません。
海外の担当者と英語で直接コミュニケーションを取ることはなく、仕事内容のほとんどは事務作業のため、業務で利用する書類に記されている英語が理解できれば問題ないです。必要な英語力としては、義務教育で習うレベルの英語力と専門用語を把握していれば実務に影響はないと言えます。
通関士では英語力は求められないですが、ほかの貿易関係の仕事によっては英語力が有利になる場合があります。キャリアアップを考えている方は英語力を身につけて損はないでしょう。