心理カウンセラーになるためには資格が必須?
資格がなくても心理カウンセラーになれる
心理カウンセラーになるために必ず必要な資格はありません。カウンセリングを行う上で必須の技能や知識さえ習得していれば、何の資格を持たなくても「私は心理カウンセラーです」と名乗ることは可能です。
しかし実際には、ほとんどの心理カウンセラーが何かしらの心理系の資格を取得した上でカウンセリングを行っています。
資格を取得しておく2つのメリット
心理系の資格を取得しておいた方が「応募できる仕事の範囲が広がる」など、就職や転職時に有利になる可能性があります。心理カウンセラーの求人の中には、何らかの資格の所有者であることを応募条件としているものが少なくないためです。
また資格は、心理カウンセラーとして一定のスキルや知識を身につけていることの証明です。所有している資格を示すことでクライアントからの信頼感が高まり、安心して相談してもらいやすくなるというメリットもあります。
関連記事 心理カウンセラーになるには?役立つ資格や仕事内容を紹介
心理カウンセラー資格の難易度
公認心理師試験の難易度は?
公認心理師の合格基準は、得点率60%以上です。
230満点で138点が合格ラインなので、難易度はそれほど高くないといえます。
勉強時間としては、毎日2〜3時間程度を目安にするとよいでしょう。
メンタル心理カウンセラーの難易度は?
受講標準期間が2ヶ月と短いので、忙しい社会人や主婦の方でも受講しやすい講座です。
受講期間の短さと在宅受験ができることから、難易度は低いといえるでしょう。
メンタルケアカウンセラー®の難易度は?
メンタルケア学術学会が指定する講座を受講して、添削課題に取り組み、修了試験に合格すると資格が取得できます。
受講条件がないので、初学者にも挑戦しやすく、難易度の低い資格に入ると考えられます。
「メンタルケア学術学会」「一般財団法人生涯学習開発財団」「一般財団法人ヘルスケア産業推進財団」の3つの団体より認定が受けられるのも魅力の1つです。
メンタルケア心理士®の難易度は?
文部科学省後援こころ検定®2級対応のメンタルケア心理士講座を受講し、こころ検定®2級合格後、資格登録申請をするとメンタル心理士と認定されます。
こころ検定®2級は四肢択一式 40問の試験で合格ラインは正答70%とややハードルが高いですが、受験条件がなく誰でもチャレンジできるので、難易度としては中程度となります。
履歴書の資格欄やジョブ・カードにも記載できる資格です。
心理カウンセラー資格合格率
メンタルケア心理士の合格率は?
メンタルケア心理士は、心理学を学んだことがない方を対象とした資格です。
在宅試験の合格率は約40%程度と低めなので、勉強をまったくしていないと合格は難しいです。
通信講座などで勉強しておけば合格できるラインといえます。
合格率はやや低いですが、その分しっかりした知識が身に付きます。
通信課程の講座を受講すると受験資格が満たせます。
メンタル心理カウンセラーの合格率は?
日本能力開発推進協会(JADP)指定の認定教育機関の講座を修了したあと、在宅で受験できます。
試験の合格ラインは正答率70%とやや高く感じるかもしれませんが、100問中ですので、課題や振り返りをしっかりおこなうことで合格に近づけるでしょう。
認定心理士の合格率は?
認定心理士は「公益社団法人日本心理学会」が認定する民間資格で、心理学の基礎資格です。
4年制大学で、一定数の心理学の単位を習得すれば資格申請できます。
大学で学ぶ必要はありますが資格試験はなく、日本心理学会へ資格申請をして、審査に通ると資格取得できます。
ここ数年の審査数に対する認定率(合格率)は93%~97%と高いです。
また、必要な単位の習得が可能な通信制大学も多いので、社会人や主婦の方も無理なくチャレンジできそうです。
スクーリング(通学)の必要がない、または少ないスクーリングで単位が取得できる通信制大学が多く、上級レベルの資格のなかでは取得しやすい資格といえます。
臨床心理士の合格率は?
臨床心理士は「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」が認定する民間資格です。
受験するには、指定大学院または専門職大学院を修了するか、同等以上の教育歴や臨床経験を認められる必要があります。
そのため、心理資格のなかでは難関として知られています。
一次試験の筆記試験は、マークシートによる多肢選択方式試験100題と、1,001字以上1,200字以内の論文記述試験があり、一次試験の成績が一定水準を満たした方には二次試験の口述面接試験がおこなわれます。
ここ数年の合格率は60%~65%を推移しています。
受験資格のハードルが高いので上級レベルとお伝えしましたが、学習スケジュールを立てて効率よく学習時間を確保したり、通信制大学院でも学べるので、社会人や主婦の方も十分目指せる資格だと思います。
臨床心理士の資格取得後は、医療機関や教育機関で働く方も多いので、この領域での就職を考えているならチャレンジしたい資格です。
公認心理師の合格率は?
公認心理師は、2017年に施行された公認心理師法に基づいてできた比較的新しい国家資格です。
社会的信頼性が高く「私は心理師です」と名乗れる名称独占資格です。
受験するには、4年制大学・大学院での指定科目の履修が必要です。
2022年までは「心理職に就いており、5年以上の実務経験がある方は、現任者講習会を受講すれば受験資格が得られる」という経過措置が取られていました。
公認心理師は国家資格であるうえに、職業領域が医療・福祉・教育・産業と多岐にわたるので、需要はとても高いです。
合格率は、第1回は79.6%、第2回は46.4%、第3回は53.4%と幅広いです。今後も合格率の変動はあると予想されますが、受験資格である指定科目の履修にも時間が必要です。
そのため、公認心理師を目指す方は早めに勉強を始め、資格取得に向けて準備を整えることをおすすめします。
心理カウンセラー資格別 難易度一覧
心理カウンセラー資格の難易度を一覧でご紹介!
資格名 | 主な受験条件 | 学習期間 | 難易度 |
---|---|---|---|
メンタル心理カウンセラー | 指定講座の修了 | 2ヵ月 | 初級 |
メンタルケアカウンセラー® | 資格試験なし | 3ヵ月 | 初級 |
メンタルケア心理士® | こころ検定®2級合格 | 4ヵ月 | 中級 |
認定心理士 | 資格試験なし | ※取得単位数による | 上級 |
臨床心理士 | 指定大学院修了 | ※取得単位数による | 上級 |
公認心理師 | 大学・大学院で 指定科目履修 | ※取得単位数による | 上級 |
働きながら心理カウンセラーの資格を目指せる?
通信講座や通信制大学を選べば、社会人の方でも働きながら心理カウンセラーの資格取得が目指せます。
通学講座でも自分のスケジュールに合わせて受講できるスクールは多いので、自身の環境に合わせて検討してみてください。
働きながら取りやすい資格を一覧でご紹介!
資格名 | 学習方法 | ポイント | 難易度 |
---|---|---|---|
メンタル心理カウンセラー | 通信 | 受講期間2ヶ月、自宅受験が可能 | 初級 |
メンタルケアカウンセラー® | 通信 | 資格試験なし | 初級 |
メンタルケア心理士® | 通信 | 試験日の選択可能 (地域により日曜受験可) | 中級 |
メンタルトレーニング検定3級 | 通学 | 1dayで修了できる講座あり | 初級 |
CLA認定心理ヒプノティスト | 通学 | 土日授業あり | 中級 |
認定心理士 | 通学/通信 | 通信制大学で学べる 通信制大学の認定心理士対応講座 | 上級 |
心理カウンセラー資格の難易度に関するよくある疑問
心理カウンセラーになるのに何年かかる?
心理学が学べる専門学校や民間スクールは、2年制が多いです。
在学中にカウンセリング系の民間資格が取得できる場合もあります。
また、これらの学校は心理学だけでなく、福祉系の就職に役立つ資格も習得できることが多いです。
臨床心理士と公認心理師はどっちが難しい?
2021年の第4回公認心理師試験の合格率は58.6%%です。臨床心理士試験の合格率は約60%なので、同等あるいは公認心理師の方が難易度が高いと考えられます。
出典 厚生労働省
心理カウンセラーの資格を取得するメリットは?
心理カウンセラーの育成講座では、コミュニケーションの仕方が学べるので、人間関係をうまく築くためのコツがわかり、人と関わるストレスが減ります。
話の聴き方のトレーニングでは、共感、質問、話しやすい関わり方など、日常でも使えるスキルが多いです。
カウンセリングスクールには、人の役に立ちたいと考える人が集まる傾向が強く、ワークでは、自分自身を肯定してもらえる関わりが受けられるので、「自分に自信がない」と感じている人にも大きなメリットがあるでしょう。
心理カウンセラーの資格を取得する方法は?
学習方法と資格取得の方法は、大きく分けて通学と通信講座の2パターンがあります。
専門知識を習得するためには、体系的に学べる大学や大学院への通学がおすすめです。
しかし、子育て中や社会人の人にとって、通学は厳しい選択となります。
主婦や社会人の人におすすめなのが、空いた時間に自宅で学べる通信講座です。
通信講座は、カウンセラーに必要な知識が身に付き、学習サポートも充実しています。
家事や育児、仕事をしながら心理カウンセラーの資格取得を目指せます。
資格取得に年齢制限はあるの?
心理カウンセラーの資格取得に際して、年齢の上限はありません。心理カウンセラーは豊富な人生経験が役に立つ職業です。「やってみたい」と思ったら、何歳であっても資格にチャレンジすることができます。
一方、資格によっては年齢に下限が設けられているケースはあるため注意が必要です。例えば、働く人のメンタルや職場環境などをサポートする「産業カウンセラー」。こちらの資格は、受験に必要な講座の受講に「成人年齢に達していること」という条件が設けられています。
心理カウンセラーの資格は「意味ない」って本当?
ネット上では、「心理カウンセラーの資格を取ることに意味はない」といった意見も見られますが、それは正確ではありません。資格を持っていることで次のようなメリットが期待できます。
・転職や昇進などの際に有利になることがある。
・クライエントの信頼感につながるので、心を開いて相談してもらいやすくなる。
・心理カウンセラーとして仕事をしていく中で、自分の心が疲れたときにもバランスが保ちやすくなる。
以上の理由から、心理カウンセラー資格の勉強や取得は「しておいて損はない」と言えます。
関連記事 心理カウンセラー資格は取っても意味がないと言われる理由を解説!
心理カウンセラーの資格を活かせる職場
病院・学校・福祉施設などさまざま
心理カウンセラーの資格を活かして働ける場所は多岐に渡ります。具体的には病院や学校、福祉施設、企業などが挙げられます。
雇用形態も、正社員・パート・派遣など職場によってさまざま。自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことができます。そのため、結婚や出産などで生活に変化があっても仕事を続けやすいでしょう。
さらに、自分でカウンセリングルームを開いたり、電話やオンライン上でカウンセリングを行ったりと、副業や独立開業を目指すことも可能です。
関連記事 心理カウンセラーの需要と就職事情を解説!
まとめ
心理系資格はたくさんの種類があり、難易度や勉強方法はさまざまです。
難易度により、確保しなければならない学習時間数は違います。
まずは自身の生活環境でどのくらいの学習時間の確保ができるか考えてみるのもよいでしょう。
スクールや大学に、在校生や卒業生の学習時間を質問してみるのも参考になりそうです。
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