建築設備士とは?資格を取得するには?
建築設備士とは
建築設備士とは、空調・換気や、水道・排水管などの給水・排水設備の衛生、電気など、建築設備全般について専門的な知識・技能を持つことを証明する国家資格です。資格を取得し、一般社団法人
建築設備技術者協会に登録手続きを行うことで建築設備士として認定されます。
建築設備士の資格を取得するには、学歴や実務経験などの受験資格を満たした上で国家試験に合格する必要があります。
受験資格について
建築設備士の国家試験を受験するには、まず受験資格を満たす必要があります。
受験資格については、「学歴+実務経験」「他資格+実務経験」「実務経験のみ」のルートが用意されています。いずれのルートでも建築設備に関する実務経験が必要ですが、条件によって必要になる年数が異なります。
学歴+実務経験
建築、機械、電気、またはこれらと同等と認められる類似の課程を修了している方については、下記の実務経験年数を満たすことで受験資格を取得することができます。
一般の大学・短大・高校など
学歴 | 実務経験 |
---|---|
大学(新制大学、旧制大学)を卒業 | 2年以上 |
短期大学、高等専門学校、旧専門学校を卒業 | 4年以上 |
高等学校、旧中等学校を卒業 | 6年以上 |
専修学校(専門課程)
学歴 | 実務経験 |
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専修学校(専門課程)にて、修了年限4年以上、かつ、120単位以上を修了 | 2年以上 |
専修学校(専門課程)にて、修了年限2年以上、かつ、60単位以上を修了 | 4年以上 |
上記以外の専修学校(専門課程)を修了 | 6年以上 |
職業能力開発大学校、職業訓練大学校、職業能力開発促進センターなど
学歴 | 実務経験 |
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職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校(総合課程、応用課程、長期課程)を卒業 | 2年以上 |
職業訓練大学校(長期指導員訓練過程または長期課程)を卒業 | |
職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校または職業能力開発短期大学校(特定専門課程または専門課程)を卒業 | 4年以上 |
職業訓練短期大学校(特別高等訓練過程、専門訓練過程または専門課程) を卒業 | |
高校卒業後、職業能力開発校、職業能力開発促進センターまたは障害者職業能力開発校(普通課程)を卒業 | 6年以上 |
高校卒業後、職業訓練施設(職業訓練短期大学校を除く) (高等訓練過程、普通訓練過程または普通課程)を卒業 |
※学歴+実務経験ルートの場合、学校等の卒業後・修了後の実務経験年数が適用されます
他資格+実務経験
一級建築士 | 2年以上 |
一級電気工事施工管理技士 | |
一級管工事施工管理技士 | |
空気調和・衛生工学会設備士 | |
第1種、第2種、第3種電気主任技術者 |
※他資格+実務経験ルートの場合、資格取得の前後を問わず通算の実務経験年数が適用されます
実務経験のみ
建築設備に関する実務の経験のみ | 9年以上 |
試験について
試験科目
- 第一次試験[学科]
- 建築一般知識、建築法規及び建築設備
- 第二次試験[設計製図]
- 建築設備基本計画及び建築設備基本設計製図
第一次試験はすべて五枝択一のマークシート方式です。建築一般知識30問、建築法規20問、建築設備50問で構成されています。第二次試験については商業施設、ホテルなどの設計課題の提示があり、課題に沿った建築設備計画や製図について出題されます。
合格率
合格率は第一次試験が25~30%程度、第二次試験が50~55%程度、第一次~第二次試験を通した合格率は20%弱となっています。
前述のとおり受験資格があるため、試験を受けるのは建築設備に関する教育を受けた方や実務経験のある方ばかりですが、その中でも試験に通るのは5人に1人程度。難易度の高い試験と言えます。
建築設備士のメリット
4年以上の実務経験で、一級建築士の受験資格に
建築設備士の資格を取得すれば、実務経験なしで二級建築士の受験資格が認められます。また、建築設備士として4年以上の実務経験を積むことで一級建築士の受験資格が認められるようになります。
設備設計一級建築士の資格取得で科目免除に
一級建築士として、設備設計について5年以上の業務経験のある方が、所定の講習と修了考査を経て取得できる『設備設計一級建築士』資格。建築設備士の資格取得者については、「建築設備に関する科目」の講義と修了考査が免除されます。