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日本語教師の就職事情を解説!就職できない?新卒で働く場合の働き方、採用試験

日本語教師の就職事情を解説!就職できない?新卒で働く場合の働き方、採用試験

2019年から外国人労働者の受け入れ条件が緩和され、日本語教師の需要は増加しています。

当記事では、日本語教師の就職事情や活躍の場、新卒で働く場合の働き方などを紹介します。
就職活動や採用試験・面接内容についても触れていますので、これから日本語教師を目指す方や検討されている方はぜひ参考にしてください。

更新日:2024-08-29(公開日:2020-08-14)

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この記事を監修したのは

早稲田大学 名誉教授:川口 義一 氏

早稲田大学名誉教授:川口 義一

日本語教師の就職先について

日本語教師の就職事情、新卒で働く場合の働き方、採用試験について解説!

就職先はさまざま
日本政府が少子高齢化対策の1つとして、外国人労働者の受け入れを進め、2019年から条件の緩和がおこなわれています。
かつては、それぞれの国で日本語の基礎的なことを勉強し、ある程度理解できる状態で入国してきましたが、条件の緩和により、日本語の理解が業務の遂行に十分でないまま企業に入社し、日本語のフォローが必要となる外国籍の方が増えてきているようです。

このような背景のなか、必要となってくるのが日本語教師であり、就職先はさまざまあります。
主な就職先について、詳しく見ていきましょう。

(1)日本国内の日本語学校

日本語を教える場所として、すぐに思い浮かぶのは日本語学校ではないでしょうか。
日本語学校の場合、授業を担当し教える業務以外にも、学校運営のため、すでに在籍している学習者向けのイベントや留学生募集のためのイベント、日本の生活についての相談窓口としての業務など、仕事の内容は多岐にわたります。

授業も、初級・中級・上級というレベルの違いだけでなく、日本の大学への入学希望者対象のものやビジネス日本語習得希望者向けのものなどコースの違いがあり、それぞれに沿った指導の準備が必要となるでしょう。

海外で働くケースも
日本語学校のなかには国内拠点と国外拠点を持つところもあり、新卒の方の場合は、最初、国内で研修を兼ねてさまざまな経験を積んでから、海外校で働くケースもあるようです。
日本国内の日本語学校から姉妹校・提携校への派遣という方法も目指せます。

(2)自治体の日本語教室

冒頭でも触れましたが、国の政策で外国人労働者の受け入れを進めていることもあり、それぞれの地域で外国人への学習支援の場として日本語教室が設置されているケースがあります。

このような教室の目的は、主に生活者である外国人の学習支援であり、さらには生活支援の側面もあり、通常の日本語学校とは教える内容がかなり異なっているようです。

テキストを使って教えることもあれば、一家で移住しているようなケースでは、お子さんが通う保育園や幼稚園からのお便りに書かれている内容の理解を助けるといった場合もあるようです。

また、地域住民と外国人がなじめるようなイベントを企画するような場合もあります。
自治体の日本語教室は、多くの場合がボランティアで運営されているようです。

(3)学校運営の日本語教師養成講座

文化庁が認定する420時間の日本語教師養成講座は、日本語教師応募資格の1つになっています。
内容は、日本語教授法だけでなく、音韻論・文法・文化理解などにおよび、かなりの専門性が求められます。

そのため、このような講座で非常勤の講師として教える仕事に就こうとすると、相応の知識や経験が求められます。
大学院修士課程修了以上の学歴や、国内外の日本語学校での教授経験などが必要となります。

専任と非常勤
先に述べたように、養成講座の各教科内容は専門性が高いため、非常勤講師に依頼し、運営しているところがほとんどです。
そこで、養成講座を運営する学校に専任教員として就職すると、非常勤講師との連絡のやりとりなどが業務の一部となることもあります。

また、教案そのものは非常勤講師が用意しますが、必要に応じて、配布資料やプロジェクターなどの準備、受講生の管理といった教務事務的な仕事をする場合もあります。

(4)海外の日本語学校

海外の日本語学校では、通常の日本語教師の仕事以外に、現地日本語教師のアシスタントとして働くケースがあります。

クラスでは担任制をとっているところも多く、教室内の活動だけでなく担任として日本語学校のイベントなどにも関わることもあります。
日本への留学をバックアップするようなコースでは、日本での学生生活の様子など、日本語以外のことを教えなければならないこともあります。

大変なこと
また、海外では国内と異なり、教材づくりの点でも時間がかかるようです。
テキストの取り寄せ1つにしても、日本にいるときと同じようにスムーズにはできません。
このあたりの事情は、生教材であっても同様です。

教材づくりの負担だけでなく、学習者との間で使う媒介語の問題もあるため、現地の教師とのチームティーチングスタイルをとっているところも多いようです。

(5)その他

その他にも、日本国内・海外ともに日本語に関わる仕事・業界において日本語教師の活躍の場が数多くあります。

  • 大学、小中高等学校、インターナショナルスクールなどの教育機関
  • 企業内外国人従業員への日本語レッスン
  • 技術研修生の研修所
  • 塾・家庭教師
  • 学校・教室の経営・運営
  • 日本語のオンラインレッスン
  • 出版社・教材開発・放送局 など

また、雇用形態について、企業に所属して勤務するほか、経験を積んで独立しフリーランスとして働く方法もあります。
参考 フリーランス日本語教師の仕事内容についてはこちら

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新卒で日本語教師として働くことはできる?

一般企業を経てから日本語教師として働く道もある

新卒の方でも日本語教師への就職ができないというわけではありませんが、海外生活の経験社会人経験を問われる場合があります。
一般企業などでの社会人経験を求める理由としては、ビジネス日本語を教えることへの対応が関係するかもしれません。

ビジネスシーンを想定
冒頭でも触れましたが、外国人労働者受け入れの観点から、日本語を勉強する目的が仕事のためという方も増えてきています。
そのため、日本で会社勤務の経験があれば、自分自身が経験したビジネスシーンを踏まえて教えることができるでしょう。
また、日本語の文法としては間違ってはいないものの、ビジネスマナーやビジネスの慣習からして避けたほうがよい表現などについても説明がしやすくなるでしょう。

外国人向けの日本語試験としては「日本語能力認定試験」が有名ですが、ビジネス向けの日本語力を証明するための「ビジネス日本語能力テスト」というものもあります。
一般企業での職務経験は、このようなビジネス日本語教育の場面では武器になるのではないでしょうか。

自社社員への研修
ビジネス系の日本語教師の場合、企業に所属し、研修担当者として自社の外国人社員の日本語研修にあたる道もあります。
中途採用で日本語教師になるキャリアプランを検討されてみるのもよいかもしれません。

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日本語教師の就職活動方法とは?

将来像を明確にする

前述のとおり、日本語教師の就職先はさまざまありますので、まずはご自身がどのように働いていきたいのか・将来像を明確にしていきましょう。

たとえば、日本語学校の講師を目指す場合、どのような学校があるのか・求人情報を知ることから始めてみましょう。
講師募集・採用にあたり、学校見学会や就職ガイダンスを実施している学校もあるようです。
学校や授業の雰囲気、一緒に働く職員、学習方針、具体的な仕事内容などを知れるよい機会ですので、積極的に参加されてみてはいかがでしょうか。

採用試験・面接内容とは?

模擬授業
応募にあたり、履歴書のほか職務経歴書が必要となる場合があります。
一般企業の就職活動と大きく異なるのが、日本語学校の採用試験には面接に加えて、模擬授業が設けられていることがあります。
専任講師を前に、実際の授業をおこなう手法です。
しっかり準備がされているか、授業内容や進め方などが評価されます。

教案の提出
模擬授業の代わりに、教案の提出が求められる場合もあります。
授業の目的や方法を記した学習指導案を教案といい、授業の計画がしっかりできているのかが評価ポイントです。
日本語教師養成講座で教案の書き方を学んでおくことをおすすめします。

面接・質問
また、模擬授業を設けておらず、面接での受け答えや人柄を重視する学校もあります。
就活時点ではスキルや経験が不足している人材であっても、学校側が採用後に育成・研修する機会を設けている場合があります。
面接で問われる内容は学校により異なりますが、以下のような定番の質問にはしっかりと答えられるよう準備しておきましょう。

  • どうして日本語教師になりたいのか
  • 目指している将来の姿とは
  • この学校を選んだ理由とは など
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まとめ

いかがでしたでしょうか。
早くから日本語教師の仕事に興味を持ち、日本語教育系の大学を卒業した学歴から、一般企業を経て、日本語教師養成講座など活用し、日本語教師になる道もあります
働きながら勉強できる講座などもあるようです。

日本語教師は、日本語を教える仕事をするなかで、さまざまな国の人々とコミュニケーションを通じて、それぞれの文化を知ることもできる魅力的な仕事です。

また、他の国の文化と自国の文化を比べることで、それまで気付かなかった日本の文化のよさをあらためて知ることもでき、仕事を通じて、広い視野でものごとを考えられるようになります。
そういうところは、日本語教師という仕事の面白さの1つであるといえるかもしれません。

将来性
今後も需要は続き、将来性のある職業だといわれています。
日本語教師に興味をお持ちの方は、まずは資料をご覧になり講座受講を検討されてみてはいかがでしょうか。
参考 日本語教師の需要や将来性について詳しくはこちら

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監修者プロフィール

この記事を監修したのは

川口 義一 氏

早稲田大学 名誉教授:川口 義一

早稲田大学名誉教授。言語・生活研究所代表。
現在は、言語・生活研究所の代表を務めながらオンラインでの日本語教育において精力的に活動中。

【主な経歴】
城西国際大学大学院人文科学研究科特任教授(2018/4~2019/3)
早稲田大学大学院日本語教育研究科専任教員(2002/4~2014/3)
早稲田大学日本語研究教育センター専任教員(1988/4~2002/3)
ほか

【代表著書】
『もう教科書は怖くない! 日本語教師のための初級文法・文型完全「文脈化」・「個人化」 アイデアブック』(ココ出版)(2016/12)
『ライブ! 成長する教師のための日本語教育ガイドブック』(共著)(ひつじ書房)(2005/5)
ほか多数

【海外派遣歴】
ケルン日本文化会館日本語教師オンライン研修会招待講師(2020/6)
EPA候補生・教師研修(ベトナム・ハノイ)招待講師(2020/2)
ほか多数

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