公認会計士資格取得の流れ
公認会計士試験について
公認会計士の試験を受験する上で、学歴は必要ありません。公認会計士の試験は、「知識確認型」の短答式試験と「課題解決型」論文式試験に分かれています。一次試験となる短答式試験は、2010年より年2回に開催日が増設され、合格した年以後2年間は申請により短答式試験免除(科目合格はありません)となっています。同年で2回チャレンジできるので、まずは試験の雰囲気に慣れるためにも、学習途中でも一度チャレンジし、その後改めて合格を狙いで受験するのが良いでしょう。短答試験に合格した人だけが受験できる論文試験は、必須課目4科目と選択科目1科目から成り、3日間にわたって行われます。万が一不合格になっても、「一部の科目で相当の成績を得たと認められる者は、以後2年間は申請により論文式試験の当該科目を免除」という一部合格制度があるので、次回以降の受験にも挑戦しやすくなっております。初心者の方は、一部合格制度を上手に活用して合格を狙いましょう。
試験の詳しい内容
試験は短答式(マークシート)と論文式に分けられます。短答式は、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目。論文式は、短答式に合格した者及び免除された者が、会計学、監査論、企業法、租税法及び選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち受験者があらかじめ選択する1科目)の5科目について行われます。
試験に合格するにはどれくらい勉強すればいいの?
1年目に短答式試験の合格を目指し、その後1~2年かけて論文式試験にトライするというのが一般的なようです。勉強に時間を割くのが難しい社会人の方なら、じっくり3年かけて合格を目指すのもいいでしょう。また学生の方なら入学と同時に試験勉強を開始することで、在学中の合格も可能になるのではないでしょうか。
試験に合格後、すぐに公認会計士と名乗れるの?
無事試験に合格しても、すぐに公認会計士と名乗れるわけではありません。まずは試験に合格した後、2年間の実務経験(業務補助又は実務従事)と、日本公認会計士協会が実施する実務補習を受け、修了考査の合格を得ます。その後に内閣総理大臣の確認を受けて公認会計士として登録。晴れて正式に公認会計士として認められます。
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活躍の場
資格を取得するとどんなところで働けるの?
公認会計士の資格取得後の代表的な就職先は、監査法人です。監査法人では、会計処理や会計記録、計算書類、財務諸表など企業の財務状態が適正であるかどうかを公認会計士が監査をします。特に資本金が5億円以上大企業や証券取引所に上場している企業は、監査が義務化されています。監査法人の中でも、新日本有限責任監査法人・有限責任あずさ監査法人・有限責任監査法人トーマツ・あらた監査法人、この4大監査法人に多くの資格取得者が就職します。大手監査法人でキャリアを積んだ後、独立する人も多くいます。独立については、企業コンサルタントや同時取得できる税理士の資格を活かして独立することもできます。財務のスペシャリストとしてだけでなく、いち経営者として起業し、日本経済を活性化させるなど幅広い活躍が期待されています。
公認会計士資格が持つ独占業務って何?
公認会計士は、監査業務に関して独占業務資格(特定の業務に関して、特定の資格を持っている者のみが業務を行うことができる資格)を有しています。監査業務とは企業の決算書において財政や経営状態が適正に表示されているか、第三者的立場で判断する大変重要な仕事で、公認会計士のメイン業務となっています。
公認会計士の将来性
公認会計士は、今後さらに求められる仕事だと言えます。特に、専門分野での活躍が期待できます。近年の傾向で言えば、企業のM&Aです。とりわけ、中小企業の事業承継や事業再生において注目されています。M&Aの案件を専門性を持って推進すること出来る能力があれば、これからも社会的ニーズは高いと言えます。と言っても、公認会計士の数は多いので、地域性や独自性を特化させて、いかに差別化をするかがポイントです。また企業の海外展開をサポートする業務も、今後は拡大が期待できます。特に成長が著しいアジアへの進出が増えていますが、中国やインドへの展開に強い公認会計士が重宝されています。公認会計士は、グローバル規模で見ても、将来性がある仕事です。
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公認会計士の給料・年収分析
公認会計士の平均年収
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、公認会計士の平均年齢は、正社員の場合で40.7歳で、勤続年数が11年であることがわかりました。そして給与に関しては、月収は47万5800円となりました。さらに平均年収は718万8000円で、年間ボーナスの平均が、147万8400円です。国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円だったので、公認会計士の年収は、かなり高い水準であることがわかります。日本では、資格別に見ると医師、弁護士に次ぐトップレベルの収入が得られる仕事です。または公認会計士と同レベルの所得である資格には、税理士や不動産鑑定士などが挙げられます。
【正社員】
平均年齢 40.7歳
勤続年数 11年
労働時間 156時間/月
残業時間 15時間/月
平均月収 475,800円
賞与 1,478,400円
平均年収 7,188,000円
【パート】
平均年齢 39.1歳
勤続年数 11.8年
実労働日数 20.1日/月
1日の平均労働時間 6.4時間/日
平均時給 2,500円
出典:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
※平均年収については本統計データを加工して作成(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)
女性の仕事として
公認会計士の約80パーセントは、男性です。まだまだ女性は少数派ですが、最近になって徐々に公認会計士を取得する方は増えています。というのも、女性が社会で活躍するために、公認会計士は適しているからです。例えば、結婚や出産・子育てなどの理由で、一度退職をしても、専門性が高くニーズもある資格なので、再就職をする上で、あまり困ることはありません。一方で、コンサルティングファームや会計事務所を開業して、バリバリ働くことができます。また年齢を気にせずに、ずっと働き続けることもできます。自分のライフプランや、人生の状況に合わせた働き方を、いつでも選択することが可能なので、女性にとっては魅力的な仕事だと考えられます。
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試験データ
項目 | 内容 |
---|---|
資格・試験名 | 公認会計士 |
試験日 |
【[令和7年試験]公認会計士 論文式試験】 【[令和6年試験]公認会計士 第I回短答式試験】 【[令和7年試験]公認会計士 第II回短答式試験】 |
試験区分 | 国家資格 |
主催団体 | 金融庁 |
受験資格 | 受験資格の制限はありません。 |
合格率 | - |
出題内容・形式 | 短答式試験:財務会計論/管理会計論/監査論/企業法 論文式試験:会計学/監査論/租税法/企業法及び選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち、受験者があらかじめ選択する1科目) |
検定料 | 19,500円 |
問い合わせ先 |
公認会計士・監査審査会 http://www.fsa.go.jp/cpaaob/index.html 〒100-8905 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館 公認会計士・監査審査会事務局総務試験室試験担当係 TEL:03-5251-7295 |