福祉用具専門相談員とケアマネ(ケアマネジャー)の関係とは?
ケアプランを考えるうえでとても重要な関係
冒頭でも少し触れましたが、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員は各利用者に対して、適切なケアプランを作成して支援していくうえで非常に重要な関係となってきます。
ケアマネジャーによるケアプラン
ケアマネジャーは、高齢者や障がい者の方の自立生活に向けて、各生活環境や心身の状況を把握していきます。
把握したうえで各利用者に対してケアプランを作成していきますが、ケアプランには利用者がどのように自立していくか、どのようなことに支援が必要になるのかが明確にされていますので、いわば利用者の将来像(ゴール設定)があるともいえるでしょう。
適切な福祉用具を選定
このゴールに向けて、より効果的に福祉用具を導入して支援をしていく必要がありますので、ケアマネジャーは自身が作成したケアプランを福祉用具専門相談員に対して支援内容をよく理解してもらい、適切な福祉用具サービス計画をもとに、福祉用具専門相談員に福祉用具の選定をしてもらう必要があります。
福祉用具専門相談員によるサービス計画書
福祉用具専門相談員が作成した福祉用具サービス計画書にある福祉用具の選定理由・目的に、ケアマネジャーのケアプランの意向とズレが生じていれば、ケアマネジャーは利用者の方にその旨をしっかり伝え、福祉用具の選定をやり直すこともしなくてはならないのです。
利用者の方にとって最適な福祉用具を提供するためにも、ケアマネジャーは福祉用具専門員に対して利用者の情報提供と共有を密におこなう必要があるといえるでしょう。
ケアマネジャー担当の方との具体的な関わり方
福祉用具の知識や提案営業なども必要
利用者に適切な提案が求められる
福祉用具専門相談員は、日々新しくなる福祉用具の特性や使い方を学ぶことも重要です。
利用者の方のケアプランも日々の状況によって変更が必要となりますので、その都度、福祉用具専門相談員は適切なものを確かな知識をもとに利用者の方のことを第一に考えたうえで、ケアマネジャーへ提案営業していくことも求められます。
ケアマネジャーからみても、福祉用具専門相談員からの提案はいつも同じではなく、「しっかりと利用者ごとの状況を判断したうえで福祉用具の提案をされているか」や「最新の用具の知識などを踏まえて提案してきているか」など、厳しい目で見極められることもあります。
利用者宅への訪問・ヒアリング
その他にも、具体的な提案営業の例としては、居宅介護支援事業所のケアマネジャーから連絡を受け、一緒に利用者の方のお宅へ訪問し、状況をヒアリングして適切な商品の説明や提案をしていくこともあるようです。
福祉用具専門相談員は、より数多くの利用者の方を紹介してもらうためにも、日々の利用者の方と丁寧に向き合い、適切に質問や要望に応えていくことで、ケアマネジャーとの信頼関係を築いていく必要もあるかもしれません。
まとめ
福祉用具専門相談員とケアマネジャーの関係について解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか。
ケアマネジャーとの関わり大きくなったことについて、大きなきっかけとなったのは、2018年10月に福祉用具貸与に関する制度の変更が挙げられます。
これまで規定のなかった福祉用具の貸与価格に上限の設定が設けられるなどの変更があったことも要因とされています。
そして、同時に月に100件以上の貸与があるような商品に関しては、全国平均価格を公表するようになりました。
これにより、ケアマネジャーは今まで以上に、福祉用具専門相談員から提案があった計画書の中身を精査して、比較することが必要となったのです。
福祉用具専門相談員はケアマネジャーとともによりよい計画を立て、利用者のためにお互い協力し合う存在でもあるともいえるのではないでしょうか。